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法人カードとは?特徴やメリット・デメリット、作り方の手順を解説

2022.12.05
オフィスのミカタ編集部

個人事業主や法人に対して発行される「法人カード」。利用することで経費支払の一元管理や経理業務の効率化、個人と会社の支出を区別できるといった多くのメリットがあることから、導入を検討している担当者もいるのではないだろうか。本記事では、法人カードの基礎知識やメリット・デメリット、法人カードを作る手順などを紹介する。

目次

●法人カードとは、個人事業主や法人に対して発行されるクレジットカード
●法人カードのメリット
●法人カードのデメリット
●法人カードを作る際の手順
●まとめ

法人カードとは、個人事業主や法人向けに発行されるクレジットカード

法人カードとは、個人事業主や法人に対して発行されるクレジットカードのことだ。まずは、法人カードの種類や個人カードとの違いについて解説しよう。

法人カードの種類
法人カードには、大きく分けて、中小企業や個人事業主向けの「ビジネスカード」と大手企業向けの「コーポレートカード」の2種類がある。双方の主な特徴について見ていこう。

◆中小企業や個人事業主向けの「ビジネスカード」
ビジネスカードとは、一般的に、カード使用者が20名未満の法人カードのことだ。コーポレートカードと比べると、従業員向けとして追加できるカード枚数は少なく設定されていることが多い。

ビジネスカードは基本的に法人の信用情報が審査されるが、カードによっては個人事業主を対象に代表者個人の信用情報をもとに審査する、個人与信のビジネスカードもある。起業したての人や個人事業主の場合は、個人与信のビジネスカードを選ぶとよいだろう。

◆大企業向けの「コーポレートカード」
コーポレートカードは、カード使用者が20名以上の、大企業向けの法人クレジットカードである。カード利用限度額がビジネスカードよりも高く設定されているほか、カード利用者ごとに利用枠を設定することもできる。

ビジネスカードよりも追加できるカード枚数が多いため、従業員を多数抱える大企業の場合、コーポレートカードが適していると言えるだろう。

個人カードとの違い
個人カードとは、一般的に、プライベート用のクレジットカードを指す。法人カードと個人カードとは、どのような点に違いがあるのだろうか。

◆法人口座から引き落としができる
法人カードと個人カードでは、決済に使える口座が異なる。個人カードの場合は個人口座しか決済口座に指定できないが、法人カードの場合は会社名義の法人口座を決済口座に指定することが可能だ。

◆利用限度額が高い
法人カードと個人カードとの違いは、法人カードのほうが、利用限度額が高めに設定されていることだ。企業では、備品の購入や交通費の支払いなど日常業務に関する決済のほか、公共料金や税金、広告費など、さまざまな場面において決済が発生する。このような多様な決済に対応できるよう、法人カードは個人カードに比べて利用限度額が高く設定されている。

◆カードを追加発行できる
法人カードは、役員や従業員のカードを追加で発行することができる。しかし、法人カードは個人カードと違い、家族カードを発行することができないことを把握しておこう。また、カードに利用する従業員の個人名が記載されるため、社内で使い回すことはできない点にも注意が必要だ。

◆ビジネス向けのサービスがある
法人カードは個人カードに比べ、ビジネス向けのサービスが多く用意されている。例えば、出張時などの飛行機や新幹線の予約をサポートするサービスや、スポーツクラブの優待や健康診断の料金が割り引かれるなど福利厚生を代行してくれるサービスがある。カードごとサービスが異なるため、自社にとって必要なサービスが付帯されているかを基準にして選ぶのがおすすめだ。

関連記事:『「法人カードの利用に関する調査」法人カードの契約理由最多は「支払業務の効率化」』

法人カードのメリット

法人カードを活用すると、どのようなメリットが得られるのだろうか。個人事業主と法人とに分けて、得られるメリットを解説する。

個人事業主が活用するメリット
個人事業主が法人カードを利用すると、個人の支出と会社の支出を明確に分けられるというメリットがある。個人と会社の支出が混同されないため、お金の透明性も強化できるだろう。

また、法人カードの多くは分割払いやリボ払いに対応しており、キャッシュフローに余裕が出るというメリットもある。手元にお金がない場合でも支払いを遅らせることができるため、資金繰りを安定させ、企業経営をうまく回すことも可能だ。

会社などの法人が活用するメリット
会社が法人カードを利用すれば、役員や従業員の経費支払を一元管理できることもメリットだ。カード利用時の明細や履歴をまとめて確認できるほか、一時的に交際費や出張費といった経費を立て替える必要もなくなる。経費申請の手間が省けるため、経理業務の効率化に繋がるだろう。

また、立替費用を振り込む際の手数料などもかからないため、無駄なコストもカットできる

法人カードのデメリット

先述のように、法人カードを活用することは多くのメリットがある一方、以下のようなデメリットもある。

●年会費がかかる場合がある
●カード発行時の審査が厳しい場合がある


法人カードは個人カードと比べて年会費無料のカードが少なく、カードによっては高い年会費を支払う必要があることがデメリットだ。年会費を無料としているカードでも、無料にするために多くの条件が付くことがあるので注意しよう。

また、カード発行する際にはカード会社の審査に通る必要があるが、会社の業績や代表者の信用性について判断されるため、事業を始めたばかりの法人や個人事業主などは審査に通らない可能性もある。さらに、法人カードには法人代表者の個人信用情報を主として審査する「個人与信型」と法人代表者の個人信用情報に加え法人の業績や業歴も審査される「法人与信型」の2種類があり、どちらのカードを選ぶかにより審査基準が変わることも把握しておこう。

法人カードを作る際の手順

法人カードを申し込む前に、カードの作り方について知っておきたい担当者もいるだろう。ここからは、法人カードを作る手順について紹介する。

【手順1】銀行口座の開設
クレジットカードを発行するためには、支払い口座となる銀行口座が必要だ。口座がない場合、まずは銀行口座を開設しよう。

一般的な法人カードの場合、法人名義の口座が必要となる。しかし、法人カードによっては、「会社決済型」と「個人決済型」の2つの引き落とし方法があり、会社決済型は法人口座、個人決済型は個人口座から利用金額が引き落とされる。個人事業主の場合は個人口座から引き落としする「個人決済型」を利用するケースもあるため、法人口座か個人口座のどちらが必要なのかを事前に確認するとよいだろう。

【手順2】必要書類の準備
法人カードを申込みする前に、必要書類を準備しよう。一般的には、以下の書類が必要となるだろう。

・登記簿謄本または印鑑登録証明書
・代表者の本人確認書類(運転免許書や住民票など)
・法人の確認書類(履歴事項全部証明書または現在事項全部証明書)

【手順3】申込み
必要書類が準備できたら、法人カードの申込みをしよう。法人カードは、基本的にインターネットで申し込むことができる。申し込みをすると入会申込書が送られてくるため、届いた入会申請書に署名や捺印をしたのち、準備した必要書類を添付し、返送しよう。

【手順4】審査・発行
入会申込書や必要書類がカード会社に届くと、審査が行われる。審査に通ると法人カードがカード会社から発行・郵送され、届き次第利用することが可能だ。

法人カードは個人カードと比べて審査に時間がかかるため、発行には2ヵ月程度かかるものもある。法人カードがすぐに必要な場合は、早めに申し込みしよう。

関連記事:『法人クレジットカードおすすめ5選を紹介!活用方法やメリットを解説』

まとめ

法人カードは個人カードと比べて利用限度額が高めに設定されており、ビジネス向けのサービスがある。経理業務の効率化やキャッシュフローの改善など多くのメリットもあるため、法人や個人事業主は、活用を検討するとよいだろう。今回紹介した法人カードの特徴や作り方の手順などを参考にしていただき、法人カードの導入を進めてみてはいかがだろうか。