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コーチングとは?メリット・デメリットと、企業の人材育成に必要な理由

2022.12.26
オフィスのミカタ編集部

コーチングとは、傾聴と対話によって本人の中にある課題と答えを引き出す、目標達成のための手法である。コーチが外から答えを与えるわけではなく、本人が自発的に考えて行動するようになる点が大きな特徴だ。企業では、チームの目標達成や課題解決などで利用するケースが多く、人材育成のために管理職がコーチングを学んで社内で実施することもある。今回は、ビジネスにおけるコーチングの必要性や、企業で導入するメリット・デメリットを紹介する。

目次

●コーチングとは?
●ビジネスでコーチングが必要とされる理由
●コーチングとティーチングの違い
●人材育成にコーチングを導入するメリットとデメリット
●まとめ

コーチングとは?

コーチングとは、対話により相手が自ら課題や解決方法に気付くようサポートして、目標達成を支援するためのコミュニケーション手法のこと。「答えは本人の中にある」という考えを基本としており、コーチが外から答えを与えないのが特徴だ。まずは、コーチングの概要や、主な活用場面を見ていこう。

コーチングの意味
コーチングは、英語で馬車を意味する「コーチ(coach)」に由来する。ハンガリーにある、四輪の大型馬車が最初に造られた街の名前「コチ(Kocs)」が語源だ。コーチが「馬車で目的地まで送り届ける」という意味でも使われるようになり、転じて、スポーツ指導者や家庭教師など「目標達成へ導いてくれる人」をコーチと呼ぶようになったとされている。ビジネスにおけるコーチングは、コーチによる傾聴や適切な質問などを重ねて、相手の強みを引き出して目標達成へ導くことだと言っていいだろう。

ビジネスでの活用場面
ビジネスでコーチングの手法を活用できる場面は、人材育成・目標達成・チームビルディング・モチベーションの向上など、さまざまだ。また、業種や職種、立場にかかわらず幅広く活用できる。一般的には、管理職や先輩社員対部下が、チームあるいは個人の目標を明確化して、目標達成に向けて双方向かつ継続的なコミュニケーションをとっていくことが多い。

ビジネスでコーチングが必要とされる理由

ビジネスでコーチングが必要とされる理由はさまざまだ。なぜビジネスでコーチングが必要なのか、多くの企業で見られる例を紹介する。

社員に時代に合った働き方をうながすため
先行き不安定で、そのときの状況に応じて臨機応変な対応が求められるVUCA時代には、一人ひとりの社員が試行錯誤しながら業務を遂行する姿勢が求められている。コーチングは、コーチは相手の話を否定しない。このことにより、コーチングを受けた社員には「自分を否定されない・認めてもらえた」という安心感が生まれ、失敗を恐れず新しい業務にもチャレンジできるだろう。その結果、社員の自己肯定感が上がり、高いパフォーマンスを発揮するようになる。

チームのコミュニケーションの質を上げるため
コーチングにおける対話によって、社内のコミュニケーションの質が上がっていく。コーチングは通常の会話や議論とは異なり、本人が「自分はどう思うのか」「本当の課題は何か」を考えて能動的に行動するようになるからだ。お互いの考えを認識して目標達成のための行動につなげていく質の高いコミュニケーションは、社内のモラルやチームワーク、商品の品質などを向上させていくことができる。

管理職のマネジメント力を高めるため
コーチングは、管理職の指導力・リーダーシップを高める効果もある。例えば、管理職がコーチとなり社員とのコーチングセッションを重ねることで、信頼関係の構築や関係性の強化につながる。また、管理職が社員の考えや志向などを知ることで、社員一人ひとりの適切な目標設定と必要スキルの習得などにつなげることが可能になるのも、ビジネスでコーチングが必要な理由の一つだ。

コーチングとティーチングの違い

コーチングとティーチングは似ているようで、目的や手法が異なる。ここでは、コーチングとティーチングの違いと、それぞれで効果的なケースを挙げる。

コーチングとティーチングの違い
コーチングは1対1の双方向コミュニケーションである。コーチは相手に適切な質問を投げかけて、相手の視点での気付きや答えを引き出すのが特徴だ。一方、ティーチングは「教える」という意味であり、相手に答えを教える一方通行のコミュニケーションである。コーチングと異なり、教える内容が明確で、一度に大勢に対して用いることが可能だ。

コーチングが効果的なケース
コーチングが効果的なケースには、能力アップ、チームリーダーの育成、生産性の向上などが挙げられる。対話を重ねることで目標を明確にして、目標達成に向けて社員に自発的な行動を促したい場合は、コーチングが効果的と言えるだろう。

ティーチングが効果的なケース
ティーチングは、先生が生徒に授業で教えるのと同じく、一方通行のコミュニケーションである。電話応対の方法やビジネスマナーなど、誰でも同じ方法と質で行う必要のあることや、業務内容が決まっているときは、ティーチングの方が効果的だ。

人材育成にコーチングを導入するメリットとデメリット

企業の人材育成にコーチングを導入することによって、得られるメリットは大きい。ここでは主なメリットと、コーチングのデメリットも紹介する。

主体性・自発性を発揮できる
コーチングは「答えは本人の中にある」という考えを基本としているため、コーチ(管理職)が答えを与えることはない。本人が目標を明確化して実現のために動いていくため、企業内で主体性・自発性を発揮できるようになる。目標を達成できなくても、社員が自分自身に何が不足していたのかや解決策などを熟考し、あるいは新たな視点を得て、再度のチャレンジや新たな目標設定に動き出すこともある。

新たな可能性を引き出せる
コーチングは、社員の新たな可能性を引き出せるというメリットもある。社員の中にある答えを出すのがコーチの役目で、何か特別なアドバイス等を与えるわけではない。本人も気付いていなかった新たな可能性を、コーチングで引き出すことができる。

生産性が上がる
コーチングにより、個々だけではなく組織の生産性も上がる。社員が自ら目標を設定し、達成に向けて行動していくため、全体の作業効率が上がっていくからだ。何か問題が起きたとしても、上司の指示を待つ姿勢ではなく自発的に解決方法を探していくため、解決にいたるまでの時間的コストも削減する。

コーチングのデメリット
コーチングのデメリットには、次のようなことが挙げられる。

・コーチと相手との1対1が基本で、一度に大勢に対して行うのは難しい。
・効果が出るまでに時間がかかるため、スピードが重視されるケースには適していない。
・受ける側に業務知識や経験がない場合は、答えや気付きが相手の中にないので引き出せない。
・コーチに専門スキルが必要なため、企業内で属人化しやすい。

場合によっては、コーチングではなく別の手法を検討したほうがよいだろう。

まとめ

企業にとってコーチングとは、人材育成の手法の一つと言える。社員の自主性やモチベーションが上がる、本人が自分の強みに気付いたことで自らアクションを起こすようになるなどをきっかけに、組織全体の生産性が向上するため、コーチング導入のメリットは大きい。社内の課題解決を考えるとき、コーチング手法が効果的な場面とその他の手法が効果的な場面を見極めて、コーチングの導入を検討してはいかがだろうか。