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2024年度版採用管理システムの完全ガイド

2024.03.04
オフィスのミカタ編集部

採用担当者の中には、煩雑なオペレーション業務に忙殺されてしまい、本来の採用業務に集中できず、頭を抱える方もいるのではないだろうか。この状況を打破してくれるのが、採用活動に必要な業務を一元管理できる採用管理システムだ。本記事では、採用管理システムの機能や導入メリット、おすすめの採用管理システムを紹介する。自社でシステム導入を検討する際の参考にしてほしい。

目次

●採用管理システムとは
●採用管理システムの市場規模
●採用における選考や入社手続き書類の取り扱い
●採用管理システム導入で得られるメリット
●採用管理システム選定のポイント
●採用管理システムの厳選おすすめサービス
●まとめ

採用管理システムとは

採用管理システムとは、採用活動で扱う情報を一元管理できるシステムを指す。ATS(Applicant Tracking System)とも呼ばれ「応募者追跡システム」と訳される。採用管理システムの導入により、企業は人材採用の業務効率化やコストパフォーマンスの向上を図ることが可能となるだろう。まずは、採用管理システムの種類と機能について紹介する。

採用管理システムの種類

採用管理システムは、「オンプレミス型」と「クラウド型」の2種類がある。

・オンプレミス型
オンプレミス型システムは、自社でソフトウェアを購入しインストールするもの。社内にサーバやネットワークなどの環境を整備する必要があるため、初期費用が高額になる傾向にある。

・クラウド型
クラウド型システムは、クラウドサーバ上にデータを保存するもの。システム導入時の自社の環境整備などのイニシャルコストを抑えられる製品が多い。最近ではクラウド型の製品が多くリリースされている。

採用管理システムの主な機能
採用管理システムに備わっている主な機能は次の通り。

<機能1>応募者の管理
応募者から送られる履歴書などの情報を管理し、採用の進捗状況を個別に管理できる機能。
<機能2>採用タスクの管理
応募書類の受付・書類選考・面接など、採用活動における一連の業務をタスク化できる機能。
<機能3>採用スケジュールの管理
応募者ごと個別に面接の日程の調整を行うことができる機能。LINEやカレンダーと連携できる機能を備えたものもあり、採用活動に関する一連のスケジュールを効率的に管理できる。
<機能4>分析レポート
採用チャンネルごとの応募者や採用数など、さまざまな採用状況をグラフ化する機能。
<機能5>採用Webページ作成
自社の企業イメージに即したデザインや構成で、採用Webページを作成できる機能。


以下のページでは、採用のワークフローの設計方法ついて詳しく解説している。採用管理システムを用いて自社に適した採用ワークフローを構築する方法を詳しく知りたい場合には、合わせて読んでほしい。

採用フローとは?設計方法や構築時の注意点

採用管理システムの市場規模

採用管理システムの市場規模は拡大傾向にあるとされている。株式会社グローバルインフォメーションが2022年3月に発表した市場調査レポートによると、採用管理システムの市場規模は2027年には33億米ドルに到達すると予測されている。

市場成長の主な要因は、採用業務のプロセスの合理化および自動化の必要性や、コンプライアンスの強化などが考えられるという。さらに、採用管理システム市場は、今後もグローバル企業や新興企業の算入などで成長を続けるという見通しもある。また、アジア太平洋や中東・アフリカといった新興国は、採用管理システムのベンダーにさらなるビジネスチャンスをもたらすとも考えられている。
(参考:『市場調査レポート: 採用管理システムの世界市場-市場規模、シェア、業界動向:企業規模別、コンポーネント別、展開モデル別、業種別、地域別-展望および予測(2021年~2027年)』)

採用における選考や入社手続き書類の取り扱い

採用では選考や入社手続きで、個人情報が記載されている書類を多く取り扱う。企業は採用にかかる書類に、個人情報保護法や労働法による厳格な管理が求められており、コンプライアンスの観点から採用関係以外の目的に使用されないように、適切な社内のワークフローの整備が重要だ。ここでは採用に必要な書類の紹介とともに、取り扱いの注意点を解説する。

選考における個人情報書類の取り扱い
・採用者における履歴書や職務経歴書の取り扱い
採用者における履歴書の保管期間は、労働基準法により義務化されている。具体的には退職や死亡などで雇用関係が解消した日から3年間。つまり、雇用中は履歴書を保管する義務が生じる。

・不採用者における履歴書や職務経歴書の取り扱い
不採用の場合には、履歴書の保管義務こそないが不採用者から履歴書の返却を求められるケースがある。半年から1年など、一定期間の保管を推奨する。

入社手続きにおける個人情報書類の取り扱い
新たに雇用をする際の入社手続きでは、必要になる書類は会社によって異なるが、主に以下の書類は必要になる。

・労働条件通知書
・年金手帳
・雇用保険被保険者証
・源泉徴収票
・扶養控除等申告書
・健康保険被扶養者異動届
・給与振込先の届書
・マイナンバー

こちらも履歴書や職務経歴書のように厳格な管理が求められ、特にマイナンバーの取り扱いは厳重に行う必要があり、採用のワークフローを整備することでインシデントが発生しないような管理体制を構築する必要がある。

なお、入社手続きに必要な書類は新卒採用・中途採用で異なる。

以下のページでは、新卒・中途採用に入社手続きのフローや必要書類ついて解説している。入社手続きについて詳細を確認したい場合には、合わせて読んでほしい。

採用フローで必要な書類とは?新卒・中途採用に必要な関連書類

採用管理システム導入で得られるメリット

採用管理システムの導入によって得られる3つのメリットを紹介する。

メリット1.採用業務の効率化
採用管理システム導入による最大のメリットは、採用業務を効率化できることにある。システムが無い場合における課題の一つに、オペレーション業務に時間を取られてしまい、採用戦略などの中核業務に注力できないことが挙げられる。システムを導入することで業務の手間を軽減し、重要な業務に注力する余力が生まれることが期待できるだろう。また、コンプライアンスの観点における、前述の採用に必要な書類の適切な管理フローの構築にも寄与できる。

メリット2.採用コストの低減が可能になる
採用管理システムの導入により、採用活動にかかるコストの削減が期待できる。たとえば、採用活動に付随するコストとして「応募者への通知郵送費」などが挙げられる。システム導入によりLINEやカレンダー連携などを利用したスムーズな連絡が可能となれば、先に述べた事務費などの削減が可能になるだろう。また、郵送などの事務にかかる時間の削減にもつながる。

メリット3.採用力を強化できる
採用管理システムでは、自社採用Webページの刷新や、SNSでの情報発信など、新しい手法での採用活動を取り入れることができる。それにより、自社が求める人材に訴求する魅力的な採用ページを作成することもでき、応募者を集める際のメリットとなるだろう。

採用管理システム選定のポイント

システム導入にあたり、どのようなポイントに注目し選定するとよいのだろうか。ここでは、知っておきたい採用管理システムの3つのポイントを紹介する。

<ポイント1>自社のメインとする採用は?
採用管理システムを選定する上でまず考えておきたいことは、自社が新卒・中途など、どの採用をメインとするかどうかだ。システムにはそれぞれに得意分野があり、利用できる機能が異なる。そのため、採用したい人材に合わせて、導入するシステムを選ぶのがおすすめだ。

<ポイント2>求人媒体との連携は?
2つ目のポイントは、連携している求人媒体と自社の相性を確認することだ。採用管理システムは、連携する求人媒体から「候補者情報」を自動登録できる機能を備えるものが多い。求人媒体は、リクナビ、マイナビなど新卒採用向けの求人媒体から、リクナビネクストやビズリーチなど、中途採用を中心とした求人媒体もある。システムを選ぶ上では、連携可能な求人媒体を確認しておくことも重要である。

<ポイント3>採用人数は?
採用管理システムには、採用規模により料金体系に変動があるものがある。採用規模が小さいほど優位性のある料金体系を採用するシステムもあれば、規模にかかわらず一律の料金を採用するシステムもある。自社の採用人数の規模を把握し、自社に適した料金体系で運用できるシステムを選定できると良いだろう。

以下のページでは、採用管理システムの選び方ついて詳しく解説している。
数ある採用管理システムから自社に適したサービスを選定する方法を詳しく知りたい場合には、合わせて読んでほしい。
採用管理システムが注目される理由とサービスの選び方

採用管理システムの厳選おすすめサービス

最後に、おすすめの採用管理システムを厳選して紹介する。

なお、以下のページでは、雇用形態や採用フロー別におすすめの採用管理システムを紹介している。自社に適した採用管理システムを導入したい場合には、合わせて読んでほしい。
2024年度版採用管理システムを徹底比較。おすすめサービスを紹介

HRMOS採用
ビズリーチが提供する「HRMOS採用」は、採用業務の効率化に特化したサービスだ。
履歴書や面接の評価などの情報を集約できるだけではなく、面接日程や人材紹介会社との連絡など、採用に関するすべての業務をシンプルに完結できる。
さらに、人材紹介会社別の紹介実績や選考通過率などを可視化することによる現状把握や分析が可能で、データによる戦略的な採用業務を実現できることも魅力だ。
https://hrmos.co/

ジョブオプ採用管理
リクルートが提供する「ジョブオプ採用管理」は、求人から採用までのさまざまな課題をオールインワンで解決できるシステムだ。
ダッシュボードのパネルで応募者からの新着メール、当日の面接予定件数などのタスクを可視化など業務効率化の観点だけではなく、indeedとの連携が可能であり運用面の拡張性が魅力だ。
https://jobop.jp/ats/

一括採用かんりくん
HRクラウドが提供する「一括採用かんりくん」は、新卒・中途などの採用活動のすべてをまとめて管理することができる。セキュリティ対策にも力を入れており、データセンターやバックアップ体制を整えていることも大きな魅力と言えるシステムだ。特にLINEやZoom、Slack、Chartworkなどのコミュニケーションツールとの連携が可能で、候補者とのシームレスなコミュニケーションを実現できることが強みだ。
https://www.career-cloud.asia/

まとめ

採用管理システムは、目的を明確にして導入すれば、採用業務の効率化につながり、採用業務の中核業務に注力できる余力を生むことができるだろう。システムを選定する際には、自社の採用規模や、使用したい求人媒体などを考慮することが望ましい。自社の採用業務に適した採用管理システムを導入し、採用力強化を図ってみてはいかがだろうか。

なお、以下 のページから、採用管理ツールの資料の一括請求が可能となっている。
ぜひこの機会に、自社にあった採用フローの整備を行ってほしい。

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