チームビルディング研修とは?研修の目的と種類、気をつけたいポイント
チームビルディング研修とは、ゲームや研修・ワークショップなどを通じて、各個人が主体的に能力を発揮しながらチームの目標達成を目指す取り組みである。さまざまな研修の方法がありオンラインで実施できるものもあるため、自社に合う研修を導入したい担当者もいるだろう。この記事では、チームビルディング研修の目的や種類、チームビルディング研修のポイントを解説する。自社でチームビルディング研修を導入する際の参考にしてほしい。
目次
●チームビルディングとは
●チームビルディング研修の目的
●研修の種類と内容
●チームビルディング研修のポイント
●まとめ
チームビルディングとは
チームビルディング(Team Building)とは、各個人がパフォーマンスを最大化しながら同じ目標・ゴールを目指して協力しあうチームをつくる手法の一つである。まずは、チームビルディングの概要や、チームワークとの違いを確認しよう。
チームビルディングの概要
チームには多様な人が集まっているため、結成当初から皆が同じ方向を向いているとは限らない。また、個々の能力やスキルには違いがある。それぞれの強みを活かしながらプロジェクトや業務を進行するためには、相互理解を深めながら、個々が能力を発揮しやすいチームを作ることが必要だ。個々の集まりをチームとして成長させ、成果を最大化させるために行うのが、チームビルディングといえる。
チームワークとの違い
チームビルディングと似た意味合いをもつ言葉に「チームワーク」がある。両者は、目標達成を目指していくというゴールは共通だ。その一方で、チームビルディングとチームワークは、最も注力している点が異なる。チームビルディングでは、個々人のパフォーマンスの最大化に注目して、チームの成果を上げることに注力する。一方チームワークは、一人ひとりの関係性によりフォーカスする取り組みだ。
チームビルディングの目的
チームビルディング研修は手段であって、研修の実施自体が目的ではない。研修の目的は企業によってさまざまだが、いずれもチームワークが大切だと理解した上で、さらにその上を目指すためにチームビルディング研修を行う。ここでは、チームビルディングの目的を紹介する。
コミュニケーションを活性化するため
まず、チーム内のコミュニケーションを活性化するという点が挙げられる。同じチームに所属しているというだけで、すぐにお互いの能力や個性を理解し、活動が活発になるわけではない。チームのコミュニケーションを活性化すると、お互いをより深く理解・尊重できるようになり、意義のある対話が生まれやすくなる。メンバーの相互理解が深まることで意思の疎通や仕事の連携がスムーズになり、チームとしての結果を出しやすくなる。
相互理解により適切な人員配置を行うため
企業で働く人材は多様で、それぞれが持つ能力や長けているスキルなどは異なる。チームのメンバーがお互いの得手・不得手を理解して、一人ひとりが最大限に能力を発揮できるよう役割分担を行うことで、効率的で生産性の高い組織作りに役立つだろう。
チームのミッションやビジョンを浸透させるため
個々の従業員が有能であっても、向いている方向がバラバラでは、チームとして成果を出すことは難しいだろう。チームで目標達成に向かっていくためには、メンバー同士がお互いの認識をすり合わせる必要がある。定めた目標に向けて最大限の力を発揮するためには、チームのミッションやビジョンを共通認識としてメンバーに浸透させることが重要だ。
チームビルディング研修の種類
チームビルディング研修は多種多様で、組織の目的やチームのメンバー構成によってやり方が変わってくる。講義のような座学形式ではなく、ゲームやイベントなどの体験を通じてチームビルディングを行う手法もあり、自社の状況に合っているものを選びたい。ここではチームビルディング研修の代表的なものを紹介する。
ゲーム形式
市販のカードゲームやオンラインでできるもの、ビジネスに近い題材を扱うボードゲームなど、さまざまなゲームを活用できる。ゲーム形式のチームビルディングは、気軽に参加しやすい点が特徴だ。ルールは上司・部下も同じため、フラットな状態でのコミュニケーションが可能となり、参加メンバーそれぞれの性格や考え方を理解するのに向いている。
アクティビティ形式・スポーツ形式
メンバーで体を動かしながらコミュニケーションを取っていく手法である。アクティビティ形式は競争や勝敗がなく、体を動かすことがメインとなるため、普段見えない個性や強みが発揮される場合もあるだろう。活動を通じて、リーダーシップを発揮するのは誰なのか、チーム内で意見がまとまらないときにどう対応するかなど、同じゴールを目指して試行錯誤することで、メンバー同士のコミュニケーションが取りやすくなっていく。
スポーツ形式では、既存の集団競技を取り入れることが可能で勝負要素が加わるため、チームの団結につなげやすい。全社をあげて行う行事として取り入れることもできるだろう。
合宿形式
合宿形式は、ホテルなどに宿泊しながら数日間かけて行う方法だ。寝食を共にしながらワークショップを行うことで、相手の意外な一面を知る、プライベートな話もできるなど、他メンバーへの心理的障壁が低くなりコミュニケーションをとりやすくなるという効果が期待できる。特に、お互いのことをあまり知らない従業員同士が集まるチームに有用で、新入社員研修で取り入れている企業は少なくない。宿泊施設によっては、合宿中にアクティビティやスポーツを取り入れることも可能だ。
チームビルディング研修のポイント
チームビルディング研修を成功させるには、いくつか気をつけるべきポイントがある。チームの状況にもよるが、以下の3つは特に重要なので留意してほしい。
ポイント1「対話を重視する」
チームビルディング研修は、対話によって相手の話に耳を傾けることが重要だ。スキルや能力が異なるメンバーが集まるため、「対話」が進むにつれて「議論」に発展してしまうことがある。傾聴を心がけて、お互いの考え方や意見などを尊重することで、チーム力の向上につなげることができる。
ポイント2「当事者意識を持たせる」
個人の能力だけでなく、チーム全体の生産性を目指して行うのがチームビルディングである。そのため、一部のメンバーだけではなく、全員が「自分もチームを構成する一員」「チームでの役割がある」「メンバーは同じ目標に向かって進む仲間」という当事者意識を持つ必要がある。最初に目標を明確にする、各メンバーに役割を与える、チームで達成感を得られる内容にするなど工夫するとよいだろう。
ポイント3「フィードバックを行う」
研修後の日々の業務でチームがスキルや能力を発揮していくためには、研修についてフィードバックの場を設けることも大切だ。研修を振り返って感想や意見をチームで共有することで、それぞれの強みや長所を再認識して、主体性や責任感を持って仕事に取り組むようになるだろう。
まとめ
チームビルディング研修は、組織内のコミュニケーション活性化や生産性向上に効果的な方法の一つだ。ただし、チームビルディング研修はあくまでも手段であって、研修そのものが目的ではない。研修後も個人プレーではなくチームとして力を発揮していくために、研修の目的やどんな組織にしたいのかなどを明確にして、自社のチームにあう形式の研修を選んではいかがだろうか。