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BPOとアウトソーシングの違いとは?導入メリットやポイントを解説

2023.02.28
オフィスのミカタ編集部

自社業務の外注を検討していて、BPOとアウトソーシングの違いがよく分からず困惑している担当者もいるだろう。どちらも業務を外部に委託するという点では同じだが、正しい理解があったほうが、自社に合う方を選びやすくなる。この記事では、BPOとアウトソーシングの違いや、BPOを導入するメリット・デメリット、業者を選ぶ際のポイントを解説する。外部リソースの導入を検討している担当者は、参考にしてほしい。

目次

●BPOとアウトソーシングの違い
●BPOの対象となる主な業務
●BPOを導入するメリット・デメリット
●BPO事業者の選び方で気をつけたい4つのポイント
●まとめ

BPOとアウトソーシングの違い

BPOとアウトソーシングは、どちらも外部のリソースを活用して、自社の業務を遂行するものだ。まずは、それぞれの定義や違いを見ていこう。

BPOとは
BPOとは「Business Process Outsourcing(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」の略語である。企業の業務について、業務の企画や設計の段階から実施まで、すべてを一括して外部委託することを意味する。BPOは比較的新しいビジネスの形態で、委託する業務について責任と運用をすべて任せるのが特徴だ。

アウトソーシングとは
アウトソーシングは、業務の一部について外部に委託することを指すのが一般的だ。業務の全部を委託するわけではないため、委託業務の前後のプロセスについて自社で行うことになる。単一業務や一時的な委託はアウトソーシングで依頼しやすく、業務の効率化・コスト削減・従業員の負担軽減などの目的で、アウトソーシングを導入している企業は多い。

BPOとアウトソーシングの違い
BPOもアウトソーシングの形態の一つだといえるが、BPOは業務の一部ではなく丸ごと委託するという意味合いで使われるのが一般的だ。BPOは、実務だけでなく業務プロセスに関する責任や決定権もBPO事業者側にあり、事業者の自由度が高いのが大きな特徴といえる。BPOはアウトソーシングと異なり、専門性の高い業務や自社で対応が難しい時間帯の業務も委託することも可能なケースがある。

BPOの対象となる主な業務

BPOの対象業務にはさまざまな種類があるが、いずれも自社のコアではない業務(ノンコア業務、間接業務)という点で共通している。どのような業務がBPOの対象となるのか、具体例を見ていこう。

バックオフィス
経理や総務といったバックオフィス業務は、BPOを利用しやすい業務の一つである。給与計算や文書管理など煩雑な業務が多いものの、各業務を定型化しやすく、社内で作業手順を整理することで導入できる。BPOで委託してもフロントオフィス業務にはほとんど影響しない点や、法改正などのルールの変更にも委託先が責任を負って対応してくれるといった点は、BPOとの相性がよい。

受付
受付業務も、BPOに適している。来客応対や代表電話の取り次ぎ、応接室管理、業種によってはパーティーのレセプションやショールームの案内など、受付業務の内容は企業によって異なる。いずれの受付業務もマニュアル化しやすいため、BPOで外部に委託することが可能だ。受付専門のプロが対応することによって、顧客サービスの向上も期待できる。

コンタクトセンター
コールセンターやヘルプデスクなど、顧客とコンタクトをとる業務もBPOで委託しやすい。コンタクトの手段は電話・メール・SNSツールなどさまざまな種類があるが、いずれの場合でも、対応するための備品や人員の確保が必要で、運用には大きなコストがかかる業務だ。コンタクト業務をBPOで外部に委託することにより、備品や人材確保の必要がなくなるため、大幅なコスト削減につながる。

人材育成
人材育成の業務も、BPOを利用できる。自社の人員が不足して人材育成のために人と時間を割くことが難しい場合でも、BPO化することによって、安定した人材育成が可能となる。特に、人材育成のスキルを有する従業員がいない企業では、BPOで人材育成のプロが対応することは自社にとって利益となるだろう。

BPOは、定型化しやすく再現性が高い、企業のノンコア業務(間接業務)がメインである。ただ、BPOの対象となる業務の範囲は拡大しており、昨今は自治体や官公庁の業務、IT関連やマーケティング事業などの専門サービスを提供しているBPO業者も登場している。


(関連記事:『業務アウトソーシング(BPO)を活用しバックオフィス業務の負荷削減 コア業務に集中する方法とおすすめサービスを紹介』

BPOを導入するメリット・デメリット

BPOの導入はメリットだけではなく、デメリットもある。ここでは、どのようなメリット・デメリットがあるのかを説明する。

BPO導入のメリット
BPOの主なメリットには、以下のようなものがある。

<メリット1>コアの業務に注力できる
BPOでノンコア業務などを外部に丸ごと委託することで、従業員は本来注力すべきコアの業務に集中することが可能になる。コア業務の作業効率が上がるため、企業全体としての生産性向上が期待できる。

<メリット2>コスト削減
BPOで業務を外部に委託することで、自社の人件費や備品などの固定費を、変動費として計上することができる。専門に従業員を一人確保するまでもないような業務は、BPOで委託した方が、自社で作業するよりもコストを抑えらるだろう。

<メリット3>業務品質の向上
顧客対応に関わる業務では、BPOを活用することで、自社で行うよりもさらに優れた品質を提供することもできる。委託先企業の専門性が高く、自社で行うよりも正確なプロフェッショナルの対応によって、顧客満足度を高めることが可能だ。


デメリット
BPOには、次のようなデメリットもある。

・業務全体を外部に委託するため、自社にノウハウが蓄積されない
・企業の機密情報や顧客情報の漏洩など、セキュリティ上のリスクがある
・委託する費用がかかる


自社がBPOで委託したい業務について、委託するメリットとデメリットのどちらが大きいか、検討してみてほしい。

BPO事業者の選び方で気をつけたい4つのポイント

BPOの導入を検討する際は、確認すべきポイントがある。自社のどの業務をBPOで外部に委託するかによっても異なるが、担当者はBPO業者を選ぶとき、以下の4つに注意してほしい。

専門性とサービスの範囲
BPO事業者の専門性と、提供しているサービスの範囲は確認すべきポイントの一つである。それぞれの事業者に、得意な領域や専門としている分野があるためだ。BPO事業者の専門性と提供しているサービスの範囲をよく確認して、自社が求める品質に適したところを選びたい。

価格
同じ業務を依頼する場合でも、BPO事業者によって価格は異なる。どの事業者も委託する業務に合わせて費用を算出するため、市場価格からあまりにも乖離している場合は注意が必要だが、委託するコストと期待する成果のバランスが取れていることが鍵になるだろう。複数の業者から見積もりを取って、適正な価格感かどうか、内容を比較することをおすすめする。精度の高い見積書を取るためには、依頼する業務について詳細を伝えることも重要だ。

対応スピード
委託した業務に対する対応期間やスピード感も確認したいポイントの一つだ。具体的には、自社の営業時間内で対応できるのかはもちろん、導入までの期間や問合せに対するレスポンスの速さ、イレギュラーな事態が発生した場合の対応などを確認しよう。期限を守りスピード感を持って対応してくれる事業者に委託することで、自社の業務効率化につながるだろう。

情報セキュリティ対策
BPOで委託する業務によっては、自社の機密情報や個人情報を外部に預けることになる。情報漏洩は自社の信用問題に直結するため、セキュリティレベルが高い事業者に依頼することが重要だ。「プライバシーマーク」や「ISMS認証」など、事業者の「情報セキュリティポリシー」をチェックしよう。


いずれの事業者に依頼する場合も、業務の要件を整理することが前提だ。社内でブラックボックス化しているような業務は、まずは自社で業務内容を整理する必要があるだろう。

まとめ

BPOとアウトソーシングは、業務を外部に委託するという意味では同じ意味で使われるケースが多いが、委託する形態が異なる。自社でBPOを導入する場合は、委託する業務とそれに適した事業者かを見極めることが肝心だ。メリットとデメリットを踏まえて、自社の市場価値を上げていく手段として、BPOの導入を検討してはいかがだろうか。