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SaaS管理ツールを徹底比較|企業規模・用途別におすすめサービスを紹介

2023.05.10
オフィスのミカタ編集部

ソフトウェアの開発が不要で導入コストが安いSaaSは、優れたITサービスであり導入する企業は増え続けている。一方で導入するSaaSの種類が増えると、管理する業務が煩雑になり業務負担になるという矛盾が生じる。本記事では企業の業務効率を上げるために、企業規模や用途に合わせたおすすめのSaaS管理ツールを紹介する。主要ツールを比較することで、効率的かつ確実な管理ができる自社に適したサービスを選定してほしい。

SaaS管理ツール

SaaS管理ツールとは社内で導入しているSaaSツールを一元管理し利用状況を確認できるITツールである。導入や運用のハードルが低いことから多くのSaaSを同時に運用する企業も少なくないが、導入するSaaSが増えると管理も複雑化し担当者の業務負担を生む。そこで活躍するのがSaaS管理ツールである。

SaaSの普及を背景に管理ツールの需要が高まる
働き方改革が推進され1社あたりのSaaS導入数は増加傾向にあり、今後も導入数が増えることが予想される。SaaSの利用数が増えると管理すべき項目も増え、アカウントの付与や削除漏れ、個人情報漏洩など、多くの混乱を招く。SaaS管理ツールはSaaSの管理にまつわる課題を解決し、管理業務の効率化や最適化を実現するサービスである。

権限設定の確認の煩雑さなどがSaaS管理ツール導入の後押しに
SaaSの導入数が増えると、アカウント作成業務だけでなく権限設定の確認業務の管理も複雑になる。業務負担が増えセキュリティ面での懸念点に悩まされる担当者も多い。SaaS管理ツールは導入されているSaaSのアカウント権限や利用状況を一元管理することで管理業務を効率化するだけでなく、不要な支出を特定しコストカットにつなげるなどあらゆる側面で利点をもたらす。

内部リンク 
【SaaS管理の実態調査】約7割がSaaS導入時に「セキュリティの高さ」を重要視
https://officenomikata.jp/news/12983/

主要SaaS管理ツール6選

数あるSaaS管理ツールにはそれぞれ特徴や得意分野がある。下記に主要SaaS管理ツール6選を徹底比較する。自社に適したSaaS管理ツールを選定するために、本記事を参考に慎重に検討してほしい。

Bundleの特長
Bundleは正社員、業務委託、インターン、アルバイトなど雇用形態を問わずにデータをインポートできるため、統合された従業員のデータベースを構築できるSaaS管理ツールだ。職務別、部署別などのグループを作成し、そのグループに対して利用できるSaaSを指定できる。またBundle APIを公開しており、オンプレミスや社内独自のシステムからデータをインポートできるという柔軟性もある。


メタップスクラウドの特長
メタップスクラウドは、社内のSaaSを一元管理する「SaaS管理」とセキュリティリスクを低減させる「ID管理」の2機能を搭載したSaaS一元管理ツールだ。従来、SaaSごとに行うアカウント設定がダッシュボード上で一元管理されるため管理担当者の業務負担が大幅に削減される。また利用端末や従業員ごとにアクセス制限をかけることができ、シングルサインオン機能が搭載されているなどセキュリティレベルが高いことも強み。


ジョーシスの特長
ジョーシスは入退社や異動など従業員のライフサイクルにともなうコーポレートIT業務を自動化するITデバイス・SaaS統合管理サービスだ。従業員それぞれのITデバイスやSaaSアカウントを可視化し、常に最新状態での一元管理を実現する。退職や異動にともない使わなくなったSaaSアカウントはワンクリックで削除可能で、削除もれを防止するアラート機能を搭載している。ジョーシスが運営するオンラインストアで購入したITデバイスは台帳に自動反映される。


マネーフォワードIT管理クラウドの特長
マネーフォワードIT管理クラウドは、200以上のSaaSとの連携が可能で幅広い規模・業種で使用されているSaaS管理ツール。SaaSを基軸としたアカウントを一覧化し、アカウント毎に権限の確認ができる。またログインステータスや2 要素認証 (2FA)の状況を把握できるなど、SaaS増加にともない発生する課題を解消する。社内、社外、MLなどのアカウントタイプが明確化されているのも特徴のひとつだ。


デクセコの特長
デクセコは、アンケート収集機能を主軸に社内で使用しているSaaSの「契約情報」「利用状況」「アカウント情報」を可視化し一元管理することができるSaaS管理ツールである。使いやすさを追求したシンプルなUIデザインのダッシュボードが特徴で、初めて利用する人も直感的に操作することが可能だ。アンケートを通じてアカウント情報も一元管理できるので、使用していない無駄なアカウントを放置するリスクを防ぐことができる。


Soliton OneGateの特長
デジタル証明書の運用支援に主軸を置いた「Soliton OneGate」は、クラウドシフトにおける運用とセキュリティ課題をまとめて解決するSaaS管理ツール。MFAの中でも高い優位性を持つデジタル証明書(PKI)を用いた公開鍵暗号方式を採用している。パスワードの脆弱性を解決するデジタル証明書で信頼できるユーザーとデバイスを素早く特定し、企業の情報を不正アクセスから守る。

SaaS管理ツールの選定ポイント

対応可能なSaaSツールの範囲
「ツールを導入したが管理したいSaaSがカバーの対象外だった」という事態を避けるために、事前に対応可能なSaaSツールの範囲を確認する必要がある。アカウントの一元管理などはAPI連携によって行うのが基本だが、その対象SaaSはツールによってさまざまであるため導入前に見極める。一方で各ツールとも連携可能なSaaSの拡充に力を入れているため、現時点で管理できないSaaSも将来的に対応する可能性はある。

自社のセキュリティーポリシーへの適応度
SaaS管理ツールは社内で使用する全てのSaaSを一元管理するもので社外秘情報を多く含む。 そのため二要素認証やIP制限、端末制御など、セキュリティに関する機能が搭載されているかも重要な選定ポイントだ。社内でIDやパスワードの使い回しやアカウントの放置が発生すればセキュリティリスクが高まる。自社のセキュリティーポリシーに適応するサービスを選ぼう。

SaaSのコスト管理機能の有無
SaaSのコスト管理機能が搭載されていることで、ノンアクティブユーザーや退職者のアカウントに課金し続けるといった無駄を削減できる。またアカウントの使用状況を一覧把握し、使用頻度の低いSaaSツールを解約したり割高なプランからより低コストのプランに変更したりする対策につなげることができる。

アカウント情報の連携機能の有無
SaaSアカウントを作成、管理するためには利用者の氏名、組織名、メールアドレス、雇用形態といった様々な情報が必要だ。社員数によっては多大な業務負担となるため入退社手続きに使用する労務管理システムと連携できるツールを選ぶ。入退社手続きの情報に基づいてアカウントが自動的に追加・削除され、人為的なミスを防止できる。シングルサインオンに対応するタイプは、他のサービスと連携してユーザー認証やアクセス制御を行うケースが多いため現在使用しているサービスに合わせて検討するとよい。

大規模企業に適したSaaS管理ツール

社員数も多く、職務や部署も多岐にわたる大規模な企業に利用しやすいSaaS管理ツールを挙げる。

人事・総務など部署をまたいだ活用にはBundle
Bundleは職務別、部署別などのグループを作成し、そのグループに対して利用できるSaaSを指定できる。目的に合わせたグループ設定で部署をまたいだ活用も可能だ。
https://bundle.jp/

マルチプラットフォームへの対応のメタップスクラウド

メタップスクラウドはシングルサインオンによるIDの一元管理が可能な上、Windows、Macなどのマルチプラットフォームに対応。多様な運用環境における万全なセキュリティ管理が強みだ。
https://www.metapscloud.com/

小規模企業で活用できるSaaS管理ツール

管理すべきアカウントの数が比較的少ない小規模企業におすすめしたいSaaS管理ツールを紹介する。

ユーザー数に応じた料金体系のジョーシス
ジョーシスは従業員1名単位からSaaSの利用状況を捕捉できるため、規模の小さい企業におすすめしたいSaaS管理ツールだ。50IDまで無料で取得することができる。
https://jp.josys.com/

50IDまで利用料無料のマネーフォワードIT管理クラウド
マネーフォワードIT管理クラウドはSaaS管理ツールに必要な機能を兼ね備えた万能SaaS管理ツール。50IDまで無料で使用可能だ。
https://i.moneyforward.com/

特定の用途に強みを持つSaaS管理ツール

数あるSaaS管理ツールの中にはそれぞれ特定の用途に強みを持つサービスもある。

対応SaaSサービスの量が随一なデクセコ
デクセコはAPI連携によって独自のSaaSデータベース登録されている2,000以上のSaaSに対応している。また導入SaaSの把握に重点をおいており、専用のブラウザ拡張をインストールすると「誰が・いつ・どの」SaaSを利用したか利用状況を即座に確認できる。
https://www.dxeco.io/

認証機能の強さではSoliton OneGate
Soliton OneGateは、デジタル証明書による多要素認証(MFA)でクラウドに点在する企業の情報資産を不正アクセスから守るID認証サービスだ。MFAの中でも高い優位性があるデジタル証明書を最大活用し、企業情報を多角的な視点で守り抜く。
https://www.soliton.co.jp/lp/onegate/

まとめ

本記事では、おすすめのSaaS管理ツールを比較しながら詳細に解説した。SaaSは非常に便利な一方で導入数が増えると管理が複雑になり、無駄なコストが発生したり、セキュリティ面の問題を抱えたりするリスクがある。またこれらのリスク対策をすべて手動で行うには多大な時間と労力がかかり、業務効率化のために導入したSaaSが無駄な業務負担を生むという皮肉な状況になりかねない。SaaS管理ツールを有効活用して業務効率を上げるために、本記事に挙げたサービスを比較検討し自社に適したSaaS管理ツールを見つけてほしい。現状や企業の形態に即したSaaS管理ツールを選定することが、社内全体の業務効率と生産性の向上につながるのだ。