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従業員満足度(ES)調査ツールを徹底比較|ツール種別におすすめサービスを紹介

2023.05.12
オフィスのミカタ編集部

人材を資本として捉える人的資本経営への取り組みが重要視される中、従業員満足度(ES)調査を導入したいと考えている企業も多いだろう。この記事では、主要な従業員満足度調査ツールの比較を中心に、導入するメリットやタイプ別のおすすめツールについて紹介する。

離職率・定着率の改善に従業員満足度調査ツール

従業員満足度調査ツールとは、会社の指針や仕事内容、職場環境などについて従業員が満足しているかを可視化するツールを指す。まずは、従業員満足度調査ツールを導入するメリットから見ていこう。

離職率低減、優秀な人材の定着に従業員満足度調査
労働人口が減少し、人材の確保が難しくなる中で、いかに離職率を低下させるかが人事にとっての大きな課題となっている。従業員満足度調査は、従業員が抱える不満を明らかにすることで、離職の芽を摘む効果がある。

個人単位での施策だけではなくチーム内や組織全体の改善にも
個人単位での施策だけではなくチーム内や組織全体の改善にも
従業員満足度調査は、離職しそうな従業員を個別でフォローできるだけでなく、組織としての課題を改善したい場合にも有効だ。「離職率を下げたいが何に取り組めば良いかわからない」という場合でも、従業員満足度調査を行うことで組織の課題を浮き彫りにでき、適切な施策を打てるようになる。

1on1など対面ヒアリングでは表面化しにくい情報こそ価値がある

離職率を低下させるための施策として、定期的な1on1に取り組んでいる企業も多いだろう。1on1には個別のフォローができるというメリットがあるものの、本音を十分に引き出せているかというと疑問が残る。従業員満足度調査は、直接的なコミュニケーションではないからこそ、従業員が抱える本音を引き出しやすく、隠れた課題を発見しやすいといえる。

主要従業員満足度調査ツール7選

それでは、多くの企業で取り入れられている主要な従業員満足度調査ツールを比較していこう。それぞれの特徴もまとめているので、自社に適したツール選びに活かしてほしい。

ES-Quickの特徴
ES-Quickはマーケティングリサーチ会社として約20年の実績を持つNTTのグループ企業が提供するサービス。従業員数500名未満の企業向けに、予算や時間を抑えて調査ができるよう設計されている。約200問の設問から最大60問を選定すれば、アンケート作成や実施後のレポート作成はベンダーが行ってくれる。最短4営業日で実施が可能というスピードも魅力だ。
https://www.nttcoms.com/service/es/esquick/

EX Intelligenceの特徴
EX IntelligenceはHRBrainが提供する組織診断サーベイ。自社に合わせて設問内容や配信対象などを設定できるカスタマイズ性の高さが持ち味だ。また、ギャップ分析やテキストマイニング、他社比較など、分析機能が充実しており、独自のアルゴリズムをもとに改善すべきアクションまで示唆してくれる。
https://www.hrbrain.jp/employee-experience

タレントパレットの特徴
タレントパレットは、採用管理・育成・配置・評価・離職防止まで人事業務をワンプラットフォームで行えるタレントマネジメントシステム。アンケート機能を使って、従業員満足度やエンゲージメントを測定することも可能だ。テンプレートが用意されているため、手軽に調査を行える。さらにテキストマイニング技術により、単語ランキングだけでなく、離職した社員との発言傾向の比較や、年代別の発言傾向なども把握できる。
https://www.talent-palette.com/

LLax forestの特徴
LLax forest(リラクフォーレ)はSOMPOグループが提供するサーベイツール。108の設問でメンタルヘルス、フィジカルヘルス、エンゲージメントの3要素をまとめてチェックできるのが特徴だ。管理者向けにわかりやすくデータ分析結果を表示してくれるだけでなく、個人の結果に基づいてヘルスケア専門職が制作したおすすめ動画も表示してくれる。健康経営に取り組みたい企業におすすめだ。
https://www.sompo-hs.co.jp/llax_forest/

ラフールサーベイの特徴
ラフールサーベイは、離職リスクやハラスメントなどのリスク予防、組織強化まで支援する組織改善ツール。19問で構成されたショートサーベイと144問のディープサーベイが用意されており、用途や頻度に合わせて選択が可能。またサーベイ結果に応じたコンテンツ配信でセルフマネジメントを促進してくれる。組織改善まで伴走してくれるサポート体制も魅力だ。
https://survey.lafool.jp/

いっとの特徴
いっとは診断/アンケートシステムとインビューサービスを組み合わせたホンネインタビューサービス。実績豊富なインタビュアーがホンネを引き出すことで、本質的な課題の把握ができる。アンケートにはテンプレートが用意されており、100種類まで作成できるため、新入社員向け、部署別などで運用が可能。また、エゴグラム診断(性格診断)も用意されている。
https://exit-interview.biz/

Wevoxの特徴
Wevoxは組織に気づきを起こす組織力向上プラットフォーム。Wevox エンゲージメントは3分で回答できるパルスサーベイとなっており、リアルタイムで分析が可能だ。1億件以上の回答データを蓄積しており、同業他社と比較ができるなど、組織活性化のための重要ポイントが簡単に把握できるようになっている。
https://get.wevox.io/

従業員満足度調査ツールの選び方

多様なツールがある中でどれを選べば良いか迷った時には、以下のポイントを参考にしてほしい。

導入準備としてのアンケートテンプレートの有無
導入準備としてのアンケートテンプレートの有無
1からアンケートを設計するとなると手間と時間がかかるため、ベースとなるサーベイやテンプレートが用意されているものがおすすめだ。その上で追加質問ができるものだと使い勝手が良いだろう。

現場で簡単に操作ができるUI設計の有無
ES調査は繰り返し利用することで効果を発揮するものだ。回答する従業員にとってもストレスがなく、結果を分析する人事担当者にとっても使いやすいツールを選ぼう。

アンケートの配布や収集の効率化・回答率向上機能の有無
調査の目的によっては対象者が全社員となることもあれば部署別や階層別になることもあるだろう。実施にあたって、アンケートの配布や収集も効率的に行えるかどうかは導入前にチェックしておきたい。未回収者の一覧表示や督促メール配信などができると便利だ。

人事情報管理ができるデータセンターの機能の有無
ES調査ツールには、単独機能のものと、人事業務を広くカバーするものがある。いずれかによって機能や料金は大きく変わってくるため、自社の状況に合わせて選択してほしい。

メンタルヘルスケアなど健康経営観点のサポート機能の有無
従業員向けのサーベイといえば、ES調査だけでなく、法定義務となっているストレスチェックもある。メンタルヘルスケアなどの健康観点までサポートできるツールであれば、コストパフォーマンスが高まる。

料金形態の種類
サーベイツールはユーザー数による従量課金タイプのものが多いが、数十名単位で料金設定がされているものもある。また、初期費用がかかるものや、さまざまなオプション料金が設定されているものもあるため、自社の利用状況に合った価格設定のものを選択しよう。

大規模企業に適した従業員満足度調査ツール

ここからは、ケース別におすすめのツールを紹介していく。はじめに、大規模企業に適したツールを2つ取り上げる。

ラフールサーベイ
多様な業種の大手企業が利用しているラフールサーベイは組織課題の発見に強いのが特徴。ハラスメントなどの企業リスクから文化浸透まで、今まで取りこぼしていた課題の発見ができ、人事施策の決定に役立つだろう・

人事制度の改善や整備に適任なEX Intelligence
EX Intelligenceはカスタマイズ性が高く、組織に合わせた運用が可能。人的資本の情報開示にも対応したサービスだ。実際に導入企業の半数が上場企業となっている。

小規模企業で活用できる従業員満足度調査ツール

続いて、小規模企業での活用に適したツールを2つ紹介する。

自由記述欄とテキストマイニングで本音を簡単に分析できるタレントパレット
タレントパレットのアンケートにはテンプレート機能と豊富な分析機能が搭載されており、手間をかけずに調査の実施〜分析が可能。また人事情報を一元管理できる多用途なツールとなっているため、これから人事システムの導入を検討している企業におすすめだ、

基本料金なし・最低料金なしで総合的な調査ができるLLax forest
LLax forestは1ユーザーあたり月額200円(税別)という低価格で、ストレスチェックまでカバーするコストパフォーマンスの高さが魅力。ベースとなるサーベイがあるので導入に手間もかからない。
https://www.sompo-hs.co.jp/llax_forest/

特定の用途に強みを持つ従業員満足度調査ツール

最後に、特定の用途に強みを持つツールを紹介する。

ベンダーのサポートで手間なくスピーディに実施できる ES-Quick
ES-Quickはリサーチ会社がアンケート作成・分析をサポートしてくれるため、手間なく本格的な調査が可能。最短4営業日で調査を開始できるため、人事施策の立案を急ぐ場合でも心強い味方となる。

人材リテンションに特化し優秀な社員の定着に強みを持ついっと
定量×定性データによる定着課題の発見に強みを持つのがいっとだ。業界初となる退職者インタビューで本質的な課題に迫ることができる。

AIによるデータ解析で改善ポイントをレコメンドするWevox
調査後の結果分析〜改善を重視したいなら、分析機能やアフターサポートが充実しているWevoxがおすすめ。結果はリアルタイムで自動分析してくれる上、結果をもとに設定したアクションの管理までできる。

まとめ

従業員満足度調査ツールは、離職対策になるだけでなく組織改善の第一歩ともなる。多様な特徴を持つツールがあるため、今回紹介したポイントを参考に自社に適したツールを導入し、人事課題の解決につなげてほしい。