乾杯カチンはNG! ビジネスの会食マナーをマスターしよう~オフィスのお役立ちコンテンツ
「ビジネス会食は苦手」という人は多いだろう。正式な“接待”から同僚との食事会や歓送迎会、仕事を共にする他社との会食やランチミーティングなど、仕事関係者と食事をする機会は誰にでも訪れる。ならば、手順とマナーを覚えて、笑顔で乗り切る方法を身につけるしかない。苦手意識を克服できる基本マナーを紹介しよう。
“相手への思いやり”をテーマに考える
会食は食事中の緊張感がプレッシャーだと感じることが多いが、“食事に招いた相手”への思いやりを基本に考えると、円滑に進むことが多い。
会食で必要なステップは4つだ。
1.準備
会食をするメンバー、招く方に対して、日時の都合を伺うことからはじまる。この時に、好き嫌い、アレルギー、喫煙の有無なども確認できると場所選び、食事の内容を決める際に迷うことが少なくなる。
2.入店
幹事になったら、約束の時間よりも早めに入店しよう。会場の雰囲気、席の並びを確認して、上座と下座を把握しておこう。食事に招いた方には上座に案内するのがマナーだ。なお、席次については席次ルールについては、また別途、ご紹介する。
3.食事
仕事関係の接待でも、いきなり仕事の話から入ると場の雰囲気が窮屈になりやすい。最初は、「夏休みの予定は決まりましたか」「年末年始はいかがでしたか」など季節の話題や、相手がおしゃれに気を遣っている方なら、その日のファッションについて「今日も素敵ですね」など、ソフトな会話からはじめよう。
4. 会計・見送り
会食の終盤に近付いてきたら、会話の中で帰り方をさりげなく聞いておく。タクシーの手配や、電車の終電の時間を考えておくことが必要。会計は相手に気を遣わせないように、さりげなく済ますのがマナーだ。トイレで離席するなどして、会計を済ませるとスマート。
準備段階で印象の良し悪しが決まる
会食の準備は、日時の都合を聞くことから始まるが、“相手への思いやり”をテーマとして準備を進めることで、会食への期待度は変わってくる。好き嫌い、アレルギー、喫煙の有無などを事前に確認することで、幹事の「会食を楽しい時間にしたい」という気持ちが伝わるものだ。
場所を決める際には、時間に余裕があれば下見に訪れたい。相手側がアクセスしやすい場所を選ぶことが大切だ。場所が決まったら、店の情報(料理のジャンル、カジュアルなのかコース料理なのか、靴を脱ぐのかどうかなど)を伝えて、相手側の不安要素を少なくしよう。
食事内容は、大皿料理よりも小分けされて個々にサーブされる料理のほうがお互いに気を遣って遠慮がちになることもなく料理を楽しめる。気心が知れた相手ならば、円卓での中華料理が会話の糸口になることもあるので、相手によって食事内容を見極めよう。
幹事は当日の入店は早めにするのが基本。店の人に挨拶をして名刺を渡しておくと、会計時の領収書をもらう際にもスムーズだ。席はあらかじめ上座と下座を確認して、スムーズに席に案内できるようにしておこう。また、トイレの場所や喫煙所の有無を調べておくと聞かれたときにスマートに案内できて印象アップにもつながる。
「乾杯はグラスをぶつけない」など基本の食事マナーは忘れずに
準備万端、店の雰囲気も良いと、それだけで場の雰囲気は和むもの。しかし、和み過ぎて食事のマナーを忘れてしまったら台無しだ。大人としての食事マナーを身につけておこう。
1. 乾杯は、グラスをぶつけずに目を合わせる程度にする。
2. 目上の人との乾杯は、目上の人よりグラスの位置が高くならないようにグラスを下から出すようにする。
3. 相手のグラスが空いたときはすぐに注ぐのではなく、「お注ぎしましょうか」「次は何を飲まれますか」と一声かけてから行う。
4. 和食の場合、飲み終わったお吸い物のふたは元通りに閉める。
5. アルコールはほどほどに。飲めない場合は乾杯の際だけ少し口をつけるくらいにする。
会食こそ、ビジネスチャンスの宝庫
会食はあくまでもお互いのコミュニケーションを深めるためのもの。仕事の話、交渉ごとを持ち出すのはマナー違反になるので気を付けよう。反対に、個人の趣味や興味のあることなどを知る絶好のチャンスだ。会食でお互いに話が盛り上がれば、その後の仕事が良好になることはまちがいない。
また、準備を進めていく中で、自分でプランを立てた後は上司に不足がないかの確認をしてもらおう。経験値が高い上司からアドバイスをもらえればワンランク上の会食につながるうえ、相談できることでコミュニケーションになるので、その後の仕事の相談ごともしやすくなるだろう。会食を苦手な雑務と決めつけず、チャンスにあふれた場と考えて前向きに取り組んでいこう。