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上座・下座のルールとは? 会議室・エレベーター・待ち合わせにも~オフィスのお役立ちコンテンツ

2024.05.29
広瀬敬代

フリーアドレスのオフィスが増え、上司と部下の席が決められていない会社も多い。それゆえに上座と下座の違い、席次のルールを身につける機会が少なくなっている現代。日本が誇るもてなしの心にも通じる上座(かみざ)・下座(しもざ)のルールを覚えて、信頼できるビジネスパーソンを目指そう。

目次

■上座・下座ってそもそも何?
■会議室やタクシー、エレベーター、待ち合わせでも上座・下座がある
■会議室の上座・下座
■タクシーの上座・下座
■エレベーターの上座・下座
■エスカレーターの上座・下座
■会食の上座・下座
■まとめ

上座・下座ってそもそも何?

「上座(かみざ)・下座(しもざ)」は、相手に対する敬意、もてなしの心を表現する日本ならではの文化のひとつ。会議や宴席など、複数の人が集まるシーンで座る席や順序などを表す「席次」を考えるうえで基本となるルールとして知られる。

プライベートな場面でいえば、結婚式の席次が想像しやすい。着席スタイルの結婚披露宴で渡される席次表では、親族や友人、新郎新婦の仕事関係の人などに分けて席が決められていることが多い。これは、宴を和やかに、会話が弾むように、招待する側が配慮して決めるものだ。

ビジネスの場合でも席次ルールは大切なもてなしのひとつである。「上座」はお客様や上司、目上の人が座る席をいい、入り口やドアから一番遠い場所、部屋の一番奥に位置する。「下座」は、お客様をもてなす立場の人が座る席をいい、入り口やドアに近い場所となる。

もともと、「上座・下座」は、和室にある床の間を基準にした考え方だといわれている。床の間は部屋の一番奥にあり、仏具や書などをかける神聖な場所で、和室の床よりも一段高く作られている。一方、出入り口に近い場所は、人の出入りやモノの出入りがあり、落ち着く場所ではないため、お客様や身分の高い人は部屋の奥にある床の間の前に案内されて座っていたのだそうだ。静かで落ち着く部屋の奥が上座と覚えておくと間違えにくいだろう。

会議室やタクシー、エレベーター、待ち合わせでも上座・下座がある

上座と下座はどのように決めればいいのだろうか。

お客様や上司、目上の人は上座である部屋の奥に案内する。招いた側は出入口やドアの近くの下座に座るのが基本。上座・下座を決める際に迷ったら、
1. 役職
2. 社歴
3. 年齢

の順番で考慮したい。お客様と上司と自分がいる場合は、お客様が上座、2番目が上司、下座に自分となる。

反対に、自分が取引先へ出向いてお客様の立場になった場合は、招いた側にすすめられた席に着こう。この時に、招いた側に案内されるまでは荷物をテーブルに置いたり、席に座ったりすると失礼になるので気を付けよう。

シチュエーション別に具体的に説明する。

会議室の上座・下座

部屋の入り口から一番遠い席が上座、入り口に近い席が下座になる。

会議の際に、議長がいる場合は、議長が上座で、全体を見渡せる正面の席になる。次に、議長に近い席から順に席次が構成される。

会議室でスクリーンやホワイトボードを使用する場合は、それらが一番見やすい位置が上座になり、その両隣が2番(ドアから遠い場所)、3番の席になるので注意しよう。

タクシーの上座・下座

3人でタクシーに乗り込む場合、運転手の真後ろの席が上座、2番目に助手席の後ろ、そして前の助手席が下座になる。4人で乗る場合は、運転手の真後ろが上座、2番目に助手席の後ろ、3番目は後部座席の真ん中、そして4番目の下座が助手席になる。下座に座った人は行き先などを運転手に伝えることを忘れずに。

タクシーに乗車する時に注意したいのは、足の不自由な人や着物姿、高齢者などは乗り降りしやすい助手席の後ろに案内したい。一緒に乗車する人によって臨機応変に変えていくことが、上座下座のもてなしのルールだ。

※自家用車や社用車の利用で、お客様が運転する場合は、助手席が上座、運転席の真後ろが2番目となるので注意。

自家用車でお客さまが運転をする場合

エレベーターの上座・下座

エレベーターにも上座・下座のルールがある。操作ボタンの前が下座、その真後ろが上座になる。複数人の場合、上座の位置から下座の位置まで円を描くように立つのがマナーだ。また、乗り降りの際には順番が異なることも覚えておこう。

●乗る時
招いた側は「先乗り、後降り」が基本だが、エレベーターが無人の場合とすでに乗っている人がいる場合では順序が異なる。
【エレベーターが無人の場合】
お客様や上司が一人の際には、エレベーターの扉が閉まらないようにおさえ、お客様や上司を先に乗せ、後から乗ったら操作盤の前に立つ。複数人の際は、「お先に失礼します」と声をかけて先に乗り、操作盤で「開」ボタンを押してから乗っていただく。

【エレベーターにすでに人が乗っている場合】
エレベーターホール側の操作ボタンを押して、お客様や上司に「お先にどうぞ」と声をかけて乗っていただき、後から乗る。

●降りる時
【エレベーターが無人の場合】
目的階に到着したら、操作盤の「開」ボタンを押して「こちらです」と声をかけ、先にお客様や上司に降りていただく。

【エレベーターにすでに人が乗っている場合】
「こちらです。お先に失礼します」と声をかけて先に降りる。エレベーター内の操作ボタンを押してくれる人がいる場合は「ありがとうございます」と感謝の言葉を忘れずに伝えよう。

※エレベーターの混雑具合によっては、乗り降りの順番を守るのは難しいので、失礼にならないように臨機応変に対応したい。この時に「お先にどうぞ」「お先に失礼します」「ありがとうございます」などの声掛けを忘れずにしよう。

エスカレーターの上座・下座

上りではお客様や目上の人に先に乗ってもらおう。下りでは、下座になる側が先に乗る。お客様や目上の人より高い位置にならないように心がけるのがマナーだ。

会食の上座・下座

飲食店などで会食する際には、和室やテーブル席によって席次が異なることを覚えておきたい。和室の場合は、床の間がある部屋なら、床の間の前が上座、出入り口の前が下座。床の間がない和室の場合は、出入り口から一番遠い席が上座になる。床の間があっても、外の景観が望める窓がある場合は、外の美しい景色を眺めやすい席が上座になるので注意したい。

景色が見える窓がある場合

テーブル席の場合は、会議室と同じ考え方になる。出入り口から一番遠い奥の席が上座、出入り口に近い場所が下座だ。円卓の場合は、出入り口から一番遠い席が上座。上座から見て左側が2番目、右側が3番目となる。

円卓の場合

席次のルールを理解した上で臨機応変に対応できれば賢人だ

席次のルールは、相手をもてなす心から生まれたマナー。そのことを理解していれば、自然と行動できるようになるだろう。最初は戸惑っても、きちんと考えてから行動することで、相手に誠意が伝わる。信頼を築くためにもしっかりと対応していこう。