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「寒中見舞い」を送り損ねたら「余寒見舞い」! ~オフィスのお役立ちコンテンツ~

2024.02.06
オフィスのミカタ編集部

年末年始の挨拶も電子化され、年賀状を出さない企業も増えているが、一方で、デジタル時代だからこそ、年賀状を顧客との大切な接点のひとつと捉え、丁寧に送る企業もある。こうした年賀状を受け取ったら、松の内明け(1月8日)から立春(2月4日ごろ)までに「寒中見舞い」として返信を送るのが通常だが、それさえも忘れてしまったらどうすればいいのか。

ここでは「ああ、忘れてしまった……」という人向けに「寒中見舞い」後にも送れる「余寒見舞い」についてお届けする。

寒中見舞いは「松の内から立春まで」=1月7日ごろから2月4日ごろまで

お世話になっている人などに送る「寒中見舞い」は「暑中見舞い」同様、以前は冬の最も寒い時期に相手を気遣って送る挨拶状だったが、現在では相手や自分が喪中の場合や、年賀状を送るタイミングを逃した場合に送るものとしても認識されている。あるいは「お歳暮」や「お年賀」を贈れなかった場合に、品物と一緒に送る挨拶状にもなっている。

時期は「松の内から立春まで」。松の内は「お正月に門松などを飾る期間」のこと=関東地域では1月7日まで。関西や他の地域では15日までとすることが多い。なお立春は年によって異なり、2024年は2月4日だった。

つまり寒中見舞いのはがきは、関東であれば1月8日、関西やその他の地域では16日以降に相手に届くのがよい。

でも忘れた「寒中見舞い」……代わりに「余寒見舞い」を!

立春を過ぎてしまったら「余寒見舞い」という扱いではがきを出す。立春より後、いつまでにという決まりは明確ではないが、およそ2月4日ごろ(立春)から2月末日とされているので、2月中に出すのがいいだろう。寒さの厳しい地方宛手の場合は、3月上旬までを目安に出すのがおすすめだ。

「余寒見舞い」はどうやって書く?

「余寒見舞い」は以下の様に構成する。


・寒中/余寒見舞いの挨拶
・時候の挨拶
・先方の安否を尋ねる言葉
・自身の近況を伝える言葉
・日付


なお、「拝啓」や「敬具」などは書かないこと。

しばらく連絡していない場合は失礼のないようその旨を書き、相手の近況を尋ねる。また寒中見舞いをもらって返信していなかった場合は、お礼の言葉なども添える。

喪中の相手に出す場合は、おめでたい言葉、明るい話題などは避け、自分が喪中の場合は、いつ誰が亡くなったのか、そのために挨拶状が出せなかったことも書き添える。

そして、「余寒見舞い」なので、いずれの文末も最後に「寒さに気をつける」ような言葉や「春を待ちわびる」ような内容にするとよい。

余寒見舞いの文例

余寒見舞いの文例を紹介しよう。

①幅広い使い方ができる文例
■「余寒見舞い」の挨拶・時候の挨拶
・余寒お見舞い申し上げます
・余寒が身にしみる今日このごろ 立春を迎えましたがまだまだ寒い日が続きます
・余寒の候 寒さの中にも春の兆しが感じられるようになりました
・春の陽気が待ち遠しいこのごろですが その後いかがお過ごしですか
■結び
・暖かくなりましたら 是非お会いできれば幸いです
・立春を過ぎたとはいえまだまだ寒い毎日が続きます 
・ご自愛くださいませ

②寒中見舞いを貰った場合の文例
■「余寒見舞い」の挨拶・時候の挨拶
①に同じ
■寒中見舞いの返信文(時候の挨拶)
・先日はご丁寧なご挨拶を賜り 誠にありがとうございました
・おかげさまで私どもも つつがなく過ごしております
・しばらくは寒さが続くようですので どうかくれぐれも自愛ください

③喪中に年賀状をもらった場合の文例
■「余寒見舞い」の挨拶・時候の挨拶
①に同じ
■喪中だった場合の文例
・昨年○月に●●(続柄)を亡くし 年末年始のご挨拶を控えさせていただきました。

「余寒見舞い」、どんなはがきで出せばいい?

「余寒見舞い」、どんなはがきで出せばいい?

「余寒見舞い」では、早春に咲く花や雪などの季節の風物を使うことが多い。
例えば「椿」「梅」「水仙」「ふきのとう」、あるいは冬を示す「雪」などだ。最近はカジュアルなデザインも多いが、季節を感じさせるデザインを選ぶといいだろう。

なお自分や相手が喪中の場合、派手過ぎない落ち着いたものを選ぶようにしよう。「難を転じる」などの意味がある「南天」などの絵柄もおすすめだ。

また「年賀状や寒中見舞いを出しそびれた場合」と「喪中の場合」で異なるので注意が必要だ。また「余寒見舞い」はあくまで季節の挨拶状。「新年を祝う年賀状替わり」ではないという認識を持っておこう。

NGは?「終わり」や「区切り」を意味する句読点はできるだけ使わない、年賀はがきを使わない

「余寒見舞い」などの挨拶状は、「終わり」や「区切り」を意味する句読点は、縁起が悪いとされているため、原則として句読点を使わない(「相手との関係性が終わる、区切りをつける」という意味が含まれると考えられているため)。

また、「余寒見舞い」に限らず、句読点を使わない理由は諸説あり、句読点を付けた文章は「読みやすくするため」であることから、「教養がないという判断」と思われてしまうからという説もある。ただし、いずれも厳密な決まりではない。

なお「寒中見舞い」にも言えることだが、「余ったから」といって、「余寒見舞い」に年賀はがきを使うのはNG。通常のはがきや専用にデザインされたものを使う。

まとめ

「余寒見舞い」は、立春を過ぎてから出す挨拶状だが、年賀状や寒中見舞いの代替というよりは、年賀状や「寒中見舞い」をもらいながらも期間内に送れなかった場合の返礼、喪中で年賀状を送れなかった場合の挨拶状などとして使う。

「送り損ねてしまったし今さら」と諦めず、寒さを見舞う言葉と自分の近況や相手を気遣う言葉などを入れて送ると、印象もよい方に変わるのではないだろうか。