2024年のお中元はいつからいつまで? 送る時期や選び方の注意点とは?
お中元は上半期の区切りと半年間の感謝の気持ちを込めて、また「これからも変わらぬお付き合いを」という思いを込めて贈るもの。取引先へのお中元は、間違いのないように下調べをして、時期を選び、個人の贈り物以上に注意して贈ろう。適切な時期や贈り物の選び方を解説する。
目次
・2024年のお中元はカジュアル志向
・いつまでに準備すべき?
時期が遅れてしまったら表書きの変更を
人気商品は早めの注文を
・贈る際は先方の都合を事前に確認する
送り状の文例
・贈ってはいけないのはどういう品物?
・相手に喜ばれるギフトの選び方と相場
定番の商品を贈る
トレンドを意識した商品を贈る
健康志向の商品を贈る
カタログギフトを贈る
お中元の相場は3000円~5000円
2024年のお中元はカジュアル志向
お中元はお歳暮同様に、毎年継続するビジネスマナーの一つとされてきたが、コロナ禍を機に、リモートワークが浸透してきたことで会社へのお中元は縮小傾向だ。しかし同時に、対面できない中でのコミュニケーションの大切なツールとして、贈答文化がカジュアル化してきているという(※1)。コロナ5類移行後に対面する機会が増えてからも、ギフトはカジュアルなものが主流。2024年のお中元は形式にこだわりすぎず、先方の好みを盛り込んだ心のこもった品物を選ぶのがよさそうだ。
※1 出典元:お中元や夏のギフトシーズン到来「贈り物・プレゼント」に関する意識調査自分の感動体験をシェアしたい!“美味しいと思った品”を誰かに贈ったことが「ある」人は66.2%(株式会社大丸松坂屋百貨店)
いつまでに準備すべき?
お中元とは、旧暦の7月15日のことで普段お世話になっている方へ感謝の気持ちを込めて贈る季節の挨拶をさす。この日までに贈るのが一般的とされているが、地方・地域によって時期が異なるので、先方の習慣に合わせて贈るように心がけたい。また、最近では7月にギフトが集中することから、6月中旬から贈る場合も増えているようだ。
地方・地域ごとのお中元の期間は以下を目安に準備したい。
北海道:7月中旬~8月15日
東北・関東地方:7月初旬~7月15日
関西地方:7月中旬~8月15日
北陸地方:7月中旬~8月15日
※地域によって異なる
九州地方:8月1日~8月15日
沖縄:8月1日~8月15日
●時期が遅れてしまったら表書きの変更を
期間内に届くように準備を進めたいが、先方の適切な時期が不明な場合は、表書きを変更して贈れば失礼にはならない。
表書き:適切な時期
お中元:7月初旬~15日
暑中お見舞い(暑中お伺い):7月20日頃~8月8日(立秋)頃
残暑お見舞い(残暑お伺い):立秋を過ぎた頃~9月初旬
ここ数年猛暑が続いているので「暑中」「残暑」で問題ないが、天候不順が続いている場合には、表書きを「ご機嫌お伺い」「お伺い」とすることもある。また、特に感謝を伝えたい場合や、今年だけ贈りたい場合には「こころばかり」「御礼」という表書きにすることもある。百貨店などで注文する際には担当者に聞いてみるといいだろう。
●人気商品は早めの注文を
店やWebサイトでは6月に入ると「お中元」の特設コーナーを設けている。人気商品は売り切れになることも多く、店によっては予約を早めに切り上げてしまうこともあるので、6月中に手配するのが確実だ。
贈る際は先方の都合を事前に確認する
お中元を贈る際には、以下のことに注意したい。
・先方のお盆休み時期
・先方の好み、アレルギーの有無や嗜好品(酒類)の好き嫌い
・先方が喪中の場合、お中元は季節のご挨拶なので、喪中の方へ送ることは問題ないが、表書きに付ける紅白の水引は避けて、無地のものを使用
本来、お中元は先方へ伺い、感謝の気持ちを伝えて手渡しするのがマナーだが、遠方など、場合によっては郵送しても問題ない。郵送する場合は、商品と一緒、または別に「送り状」を郵送するようにしたい。別に送る場合は、品物よりも先に届くように早めにはがきを投函するか、まめに連絡を取る相手の場合はメールなどで事前に連絡をしておきたい。お中元を贈る旨を事前にお知らせすることで、先方も予定を立てやすくなるからだ。
送り状には、時候の挨拶や日頃の感謝、お中元の内容や到着予定日時などを記載しよう。ギフト用の商品の場合は必要ないが、それ以外のものを贈る場合は、価格のわかる明細書が同梱されないかなどの確認もあわせて行いたい。
●送り状の文例
拝啓
盛暑(猛暑)の候(暑さ厳しき折)、
貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は、格別のお引き立てに賜り、厚くお礼申し上げます。
さて、日頃の感謝のおしるしまでに、心ばかりの品を別便にてお送りいたしました。
どうかお納めいただければ幸いです(ご笑納ください)。
今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
略儀ながら書中をもちましてお中元の挨拶を申し上げます。
敬具
また、会社の規則、公務員などの職業によって受け取れない場合があることも覚えておきたい。虚礼廃止(形だけのやり取りをやめること)を公言している会社もあるので、事前にお中元を贈ってもよいかどうかを確認することが大切だ。
贈ってはいけないのはどういう品物?
取引先の会社へ贈る場合には、競合他社の商品は控えよう。お菓子やジュースなどの食品類を選ぶのが無難だ。
商品券、下着類など身につけるもの、ハンカチ、刃物、櫛などは、縁起の悪い品物とされているので控えた方がよい。縁起が悪いとされている理由は下記の通り(※2)。
商品券:相手が金銭的に困っていると捉えられる
下着など身に着けるもの:みすぼらしいと捉えらる
ハンカチ:別れを連想させる
刃物:縁を切ると捉えられる
櫛:苦や死を連想させる
※2 関連記事:【2023年版】ビジネスにおけるお歳暮。取引先に贈る際の注意点や選び方とは?
相手に喜ばれるお中元の選び方と相場
最近はギフトの選択肢が広すぎて迷うことも多い。そういう時はいくつかテーマを決めると選びやすい。先方の会社や部署の規模を考慮して、数など不足なく、多すぎないものを選ぶなど配慮の配慮も忘れずに。
●定番の商品を贈る
相手の好みがわからない場合には、定番のものを選ぶのがよい。会社へ贈るならば、働いている人が手に取りやすい、個包装になっているお菓子やジュース、コーヒー、紅茶など。お酒が好きな人が多いのであれば、日持ちのするビールなども喜ばれる。
●トレンドを意識した商品を贈る
トレンドを意識する業界や若い人が多い会社、女性が多い取引先の場合は、トレンドのお菓子や地域限定のものなど話題性のあるものを選びたい。自社のある地域で話題になっているものや地域の特産品などを贈れば、印象に残るお中元となるだろう。
●健康志向の商品を贈る
健康意識の高い方、SDGsにこだわりのある会社などには、贈る商品の素材を確認して贈りたい。例えば、牛乳の代わりにソイミルクを使用しているものや、オーガニックや食品ロスの削減に貢献している商品、フェアトレードのものなどがおすすめだ。
●カタログギフトを贈る
最近は個性のあるカタログギフトも増えている。取引先にとっても好みのものを選べるのはうれしいことだろう。ギフト選びに迷ったらカタログギフトを贈るのも選択肢のひとつだ。
●お中元の相場は3000円~5000円
ビジネスシーンでのお中元の相場は、3000円から5000円程度が一般的。上司や目上の人に贈る場合には、5000円程度の品物を選ぼう。日頃からよく会う取引先の担当者、親しい間柄であれば3000円程度のカジュアルな品物を贈る人が多いようだ。特別にお世話になった方、大きな案件でお世話になった方へ贈る場合なら1万円を限度額として選ぼう。それ以上高額な贈り物はかえって気を遣わせてしまうので避けるのがマナー。
半年間の感謝を込めて贈るお中元。格式ばったマナーと考えずに、先方の喜ぶ顔をイメージして選びたい。この先の気持ちの良いお付き合いを続けるために、基本的なマナーをおさえて失礼のないよう心がけたい。