義務化開始1年で、見えてきた課題! ~検知器交換に併せて、クラウド管理「スリーゼロ」導入でもっと簡単・しっかり~
一定台数以上の白ナンバー車を社用車として活用している企業において、検知器を用いたアルコールチェックが義務付けられてからもうすぐ1年が経過する。改正道路交通法では「記録を1年間保存し、並びにアルコール検知器を常時有効に保持」することが求められるため、昨年から使用を開始し1年ほどで使用期限を迎える検知器を交換するのを機に、クラウドサービスを導入する企業も増えているという。
義務化されて以降、アルコールチェックに対する事業者の意識・取り組みにどんな変化が起きているのか。そして、チェックをクラウド管理するメリットは? シャープ株式会社の子会社であり、アルコールチェック管理サービス「スリーゼロ」を提供する株式会社AIoTクラウドの竹内正樹氏と池田瞳氏に話を聞いた。
約1割の企業が「対応できていない」と回答
──道路交通法の改正で、車を使う際のアルコールチェック規定が強化されました。対象事業者の対応はどの程度進んでいるのでしょうか。
株式会社AIoTクラウド SaaSビジネス部 マーケティング担当 竹内正樹氏(以下、竹内) 2022年4月に道路交通法が改正され、安全運転管理者は運転者の酒気帯びの有無を目視等で確認することが義務付けられました。2023年12月にはそれに加え、アルコール検知器の使用が義務付けられるなど、飲酒運転事故を防ぐ取り組みが強化されています。
株式会社AIoTクラウド SaaSビジネス部 マーケティング担当 池田瞳氏(以下、池田) ところが、当社が今年6月に義務化対象企業の安全運転管理者およそ1200人に行ったインターネット調査(※1)では、約1割の企業がアルコール検知器の導入に「まだ対応できていない」と回答しています。罰則規定も設けられているため、対象企業は早急な改善が必要です。
──アルコールチェックの結果については、どのように管理している企業が多いのですか。
池田 紙(台帳)やExcelなどの電子ファイルで管理している企業の割合は合わせて63%。クラウドで管理している企業は31%(検知器セット/検知器別の合計)でした。大企業ほどクラウド管理の割合が高くなり、運転者が1000人を超える企業の導入率は46%でした。逆に99人以下の場合は約22%で、事業規模や運転者の人数によってデータの管理方法が大きく異なることがわかりました。
また、導入意向を聞いたところ、約4割がクラウド管理等の導入を検討しており、そのうちの6割以上が6カ月以内の導入を希望されています。
──アルコールチェックの義務化に対して、具体的にどのような課題を感じている企業が多いのでしょうか。
池田 前回(2023年12月実施)の調査に比べて「本当にアルコールチェックを実施したか確認できない」「直行直帰・深夜早朝の点呼など確認が大変」「記録簿の管理・確認作業により管理者の業務負担が増えた」など、運用面での課題をあげる企業が増加しました。検知器を使ったアルコールチェックが義務化されてもうすぐ1年が経ちますが、自信を持って「運用できている」と言える事業者は決して多くないようです。
検査記録の作成・保存・管理はクラウドで
──御社が提供している、アルコールチェック管理業務を効率化するクラウドサービス「スリーゼロ」の特長を教えてください。
池田 「スリーゼロ」はアルコールゼロ、検査漏れゼロ、飲酒事故ゼロという“3つのゼロ”を目指して開発されたクラウド型のアルコールチェック管理サービスです。業界最多となる120機種以上のアルコール検知器に対応し(※2)、測定時にAI顔認証で本人確認が効率的に行える点が最大の特長です。検査記録の管理はもちろん、運転日誌など安全運転管理業務に関わる書類も全てクラウド上で作成・保存できるため、運転者・管理者双方の業務負担を大幅に軽減できるソリューションです。
竹内 アルコールチェックの検査記録を1年間保存することも法律で義務付けられています。紙やExcelなどの電子ファイルで保管すると紛失・破損の恐れがありますが、クラウドならそうしたリスクはなくなります。対応機種が豊富なため、メーカーの異なる検知器が混在していてもデータの一元管理が可能です。
──料金プランも豊富ですよね。
竹内 お客様のニーズに合わせ、3つのプランをご用意しています。測定記録の管理だけなら月額330円(税込)の「シンプルプラン」で十分ですが、アルコールチェックと連動した車両予約や運転日誌の作成機能をご希望される方は月額990円(税込)の「プレミアムプラン」がおすすめです(料金は全て運転者1名あたりの金額)。
池田 もちろん導入にあたっては、当社のカスタマーサクセスが各種設定から運用まで、しっかりサポートさせていただきます。導入をご希望の方は2週間のデモ体験(無料)ができますので、ぜひ一度ご利用ください。
――利用を検討される事業者がイメージしやすいように、具体的な活用例などがあれば教えていただけますか。
竹内 例えば運転者の直行直帰が頻繁にある建設業のお客様は、2022年4月の義務化後すぐに専門スタッフを雇い、アルコールチェックが必要な朝と夕方の時間帯に「スリーゼロ」をご利用いただいています。チェック記録を見ながらビデオ通話で目視確認を行うなど、法律に則った運用をされています。
また、「スリーゼロ」の導入に合わせて早朝深夜、休日、直行直帰のリモート点呼を全て外部委託して効率化を図ったお客様や、管理者の負担が増す、業務時間外や休日などだけ外部委託サービスを利用しているお客様など、活用方法はさまざまです。
アルコール検知器買い換えを機にクラウド管理の検討を
──機能拡充や他の業務ツールとの連携など、「スリーゼロ」のバージョンアップは定期的に行っているのでしょうか。
竹内 SaaSの特徴を活かし、3カ月に1回は定期的にバージョンアップしています。直近では、OCR読み取り機能に新たに「AI文字認識エンジン」を追加しました。これにより、今よりも幅広いシチュエーションでの読み取りが可能になり、精度も高くなりました。また、株式会社バディネットと連携し、有人24時間365日対応の「アルコールチェック代行サービス」も新たに追加しました。
──貴社の調査によると、「スリーゼロ」のようなクラウドサービスの導入を検討されている企業が多いようですが、導入に適したタイミングなどはあるのでしょうか。
竹内 アルコール検知器を新たに導入する、もしくは切り替える時期に合わせてクラウドサービスを導入するのが良いかと思います。多くの検知器は1年から1年半の間で使用期限(耐用年数)が定められています。2023年12月の義務化に合わせて検知器を購入されたのであれば、今年の12月から来年4月頃に切り替えのタイミングを迎えるので、検知器の買い換えに合わせてクラウドサービスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
──今後の事業展開についてはどのようにお考えですか。
竹内 これまで当社は、アルコールチェックの義務化によって生じた業務負荷を軽減するためのソリューションを提供してきましたが、今後はその枠にとどまらず「安全運転管理」全般を支援するようなサービスを提供していきたいと考えています。各種ビジネスチャットや勤怠管理システム、アルコールチェック点呼代行サービスなどとの連携を順次進めておりますが、お客様のさまざまなご要望にワンストップで対応できる体制を整えて参ります。
※1 調査概要
■アンケート名称:アルコールチェック義務化に関する実施・運用状況調査 ■調査方法:インターネット調査 ■調査エリア:全国 ■実施期間:2024年6月26日~6月30日の5日間 ■回答数:1197人 ■対象者:アルコールチェック義務化対象企業の安全運転管理者
※2:2024年10月AIoTクラウド社調べ
※:記事内の図版はAIoTクラウド提供の資料「【アンケート調査】安全運転管理者が今かかえる『課題』と『実態』今後の意識調査」より。調査の詳細はオフィスのミカタ内のこちらからダウンロードしてご覧いただけます