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人生100年時代で注目される「リカレント教育」。対象者の約60%が学び直しに意欲的と回答。

2020.02.06

総合転職エージェントの株式会社ワークポート(所在地:東京都品川区、代表取締役社長 CEO:田村高広)は、全国の転職希望者307人を対象に、「リカレント教育」についてアンケート調査を行った。

「リカレント教育」とは、義務教育や基礎教育を終え社会人になってからも、個人が必要とする学習を教育機関で学ぶことのできる教育システムである。

認知度は低いものの、約60%が「学び直し」に意欲的であると回答。政府は変化の時代を生き抜くために、学び直しや職場復帰、転職が可能となる「リカレント教育」を抜本的に拡充するとしている。

■リカレント教育を「知っている」と回答した人は約20% 認知度は若い人ほど低い結果に

 人生100年時代と言われ、働く年数も伸びていくなか、働き手は「リカレント教育」や「学び直し」についてどのように考えているのだろうか。全国の転職希望者307名を対象に「リカレント教育」について意識調査を行った。

 「リカレント教育」という言葉を知っているかという質問に対し「知っている」と回答した人は20.8%、「聞いたことはある」と回答した人が25.7%、「知らない」と回答した人が53.4%だった。「リカレント教育」という言葉やその意味を知っている人は少なく、言葉としての認知度はまだまだ低い。また、「知らない」と回答した人のうち、20代では62.8%、30代では56.4%、40代では42.3%となり、若年層のにより認知度が低い結果となった。

 

 

■「学び直し」について約60%が意欲的と回答

 改めて「学び直し」をしていることがあるかという質問に対し、「ある」と回答した人は40.7%、「今後学び直す予定がある」と回答した人が16.3%、「ない」と回答した人が43.0%という結果に。「ある」、「今後学び直す予定がある」と回答した人を合わせると57.0%となり、約60%は「学び直し」に意欲的であることがわかる。

 「ある」、「今後学び直す予定がある」と回答した人にどのような学び直しをしている、またはする予定か聞いたところ、「プログラミング」や「英語」、「経営学」といった分野を挙げる働き手が多かった。学び直しの方法としては、「本を購入し勉強する」、「学生時代に使っていたテキストを読み返している」などの回答があった。また、「MBAを取得すべく経営大学院に通っている」(30代・男性・企画マーケティング)、「大学院への進学を予定しており、資格取得を目指している」(40代・男性・建築土木)、「大学の通信教育で学んでいる」(30代・女性・企画マーケティング)、「ネット配信講座の受講をしている」(20代・男性・管理)など、大学や民間企業が主催するリカレント教育や学び直しの場を利用している人もみられた。

 一方、「ない」と回答した人に学び直しをしたいと思うか聞いたところ、「とても思う」(32.6%)、「やや思う」(44.7%)とする人は合わせて77.3%となり、「あまり思わない」(16.7%)、「まったく思わない」(6.1%)とする人は合わせて22.8%だった。

 「とても思う」、「やや思う」と回答した理由として、「新しいことを学ぶことで、自分の市場価値を高めたり選択肢を増やせたりするから」(20代・男性・管理)、「常に学び続けて成長したいため」(40代・男性・企画マーケティング)、「終身雇用が崩壊するといわれているなか、勉強し続けなければ今後生き残っていけないと感じるため」(20代・女性・管理)といった、個人のスキルを伸ばすことで将来の選択肢を広げ、変化の時代を生き抜こうとする声が多くみられた。終身雇用の崩壊で、これまで以上に個人のスキルが重視されるなか、危機感を持って「学び直し」に取り組んでいるようすがうかがえた。

 また、「もっと知識があればよりクオリティーの高い仕事ができると思うから」(20代・女性・営業)、「幅広い知識があったほうが仕事をする上で成果を上げやすいから」(20代・男性・運輸交通)といった、知識量を増やして仕事に活かしたいとする意見や、「仕事をするなかでいろいろな分野の基礎的な知識が足りないと思うことが多かったため」(20代・男性・システムエンジニア)、「社会人としての教養が不足していると思うから」(30代・男性・システムエンジニア)といった、自身の不足している部分を補うことを目的とする意見もみられた。

 

 

 

 

■「学び直し」で人気な分野は「英語」や「プログラミング」 企業のグローバル化やIT技術の進歩が影響か

 「学び直し」をしたいと回答した人に何を学び直したいか聞いたところ、最も多かった回答が「英語・英会話」だった。次に「プログラミング」、「経営学・経済学」という結果に。既に学び直しをしていると回答した人と興味の持つ分野は同じ結果であり、関心が集まる分野が集中していることがわかる。昨今のビジネスのグローバル化やIT技術の進歩によるIT市場拡大が影響し、市場価値の高い人材を目指す傾向がみられる。

 「もし実際に学び直しをするとしたら、その際の懸念点などはあるか」という質問に対してはほとんどが「時間の確保ができない」、「金銭面の負担が大きい」と回答。「リカレント教育」や「学び直し」には興味を持っているものの、「仕事の時間が生活の大部分を占めるため学び直す時間がない」(20代・女性・管理)、「家族の養育費があるため、経済的余裕がない」(40代・男性・システムエンジニア)といったことが原因で、「学び直し」のハードルが上がっているのだ。

 そんななか、経団連などは今月3日、国立大学の授業料をリカレント教育に限って上限規制を緩めるべきとし、省令で定める標準額の120%を超えない範囲内に収めなければない授業料を、社会人は学生より金銭的にゆとりがあるという理由から、リカレント教育に限って授業料の上限緩和を求めている。しかし、今回の調査結果では学び直しに興味があっても金銭的理由で諦めてしまったり、不安を抱えている声が多く挙げられているため、リカレント教育における課題はまだまだ多い。

■会社に「学び直し」の機会が「ある」と回答した人は約20%という結果に

 現在の会社(直近の会社)に、新卒・新人研修とは別に、既存社員の学び直しの機会や新しいスキルを身につけられるような取り組みなどはあるかという質問に対し、「ある」と回答した人は24.8%、「ない」と回答した人は60.3%、「わからない」と回答した人は15.0%でした。「ない」、「わからない」と回答した人を合わせると75.3%となり、社内での「学び直し」の機会はあまりないと感じている人が多いことがわかる。

 一方、学び直しやスキルアップのための支援や取り組みを行っている企業に魅力を感じるかという質問に対しては、「とても感じる」(64.5%)、「やや感じる」(29.0%)とする人は合わせて93.5%となり、「あまり感じない」(4.6%)、「まったく感じない」(2.0%)と回答した人は6.6%。既存社員の教育に好印象を持っている人が多いことがわかる。

 

 

 

 

■約90%が今後「リカレント教育」の重要性は「高まる」と回答

 今後リカレント教育の重要性は高まると思うかという質問に対し、「とても思う」(59.3%)、「やや思う」(30.3%)と回答した人は合わせて89.6%となり、「あまり思わない」(8.8%)、「まったく思わない」(1.6%)と回答した人は合わせて10.4%という結果に。

 さらに、何歳からでも学び直しが可能な社会になってほしいと思うか聞いたところ、「とても思う」(80.5%)、「やや思う」(15.3%)とする人は95.8%となり、「あまり思わない」(3.3%)、「まったく思わない」(1.0%)とする人は合わせて4.3%となった。

 時代の流れで変化する新しい働き方に対応するためには、「学び直し」で知識を更新し、市場価値を高めていくことに重要性を感じている働き手が多いのかもしれない。

■まとめ

 今年1月、経団連は年功型賃金や新卒一括採用、終身雇用などの日本型雇用システムの見直しを求めた。2019年5月に行った「終身雇用について」の調査では、54.3%が終身雇用制度は「必要ない」と回答し、71.9%が年功型賃金制度を「支持しない」と回答した。社会の動きも働き手の考えも変化しており、確実に働き方の過渡期を迎えてるなか、個人のスキルはこれまで以上に重要視される時代に突入し、今後はより「リカレント教育」の需要が高まると予想される。まだまだ「リカレント教育」の仕組みには問題が多いが、変化し続ける社会で活躍できるよう、個人のスキルを向上し続ける必要があるだろう。また、採用難の時代で優秀な人材の定着率を上げていくためにも、企業側は働き手のニーズを汲み取り、「学び直し」や「スキルアップ」ができる機会を創出できるかが課題となるのではないだろうか。

■調査概要

調査内容 :リカレント教育について
調査対象者:当社利用者
有効回答 :307人
調査期間 :2020年1月20日~1月27日
※データは小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合がある。

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