「男性育休に賛成」が7割。「現在や将来の仕事・働き方に対して不安」の解消に?「働くこと」に関する意識調査
株式会社メディアジーン(本社:東京都市渋谷区/代表:今田素子/インフォバーングループ会社)が運営するオンラインメディア「MASHING UP(マッシングアップ)」は、2020年2月、OECD東京センターと共同で、読者やメールマガジン会員を主な対象に、「働くこと」に関する意識調査を実施した。
男性の63%が男性の育児休暇取得に「賛成」
男性の育児休暇取得にについての質問では、3分の2の回答者が「賛成」「どちらかといえば賛成」を選んだ。
男女別に見ると「賛成」「どちらかといえば賛成」と回答したのは女性が70.9%、男性が63.0%、「反対」「どちらかといえば反対」と答えたのは女性が6.7%、男性が10.4%という結果になった。
賛成派の理由としては、
「子育ては、母親1人がするものではないから」
「育児や家事を男性もシェアすることで、女性がよりキャリアに集中できるようになるから」
といった意見が多く、男女の差が少なくなってきた現代を反映している。
反対派の理由としては、
「職場に迷惑をかける」
「収入が減る」
「他の社員が不満を持つ」
といった従来の働き方に対する価値観が反映されたものもある一方で、
「家にいても、女性の負担が増えそう」
「男性では(育児を任せるのは)こころもとない」
といった男性の子育て能力を疑問視する声も多くあがっている。
まだまだ根強い「性別による差別」
転職を考えた場合の不安点として、男性のトップは「一時的に不安定になるかもしれない収入」で56.7%、女性のトップは「転職できるだけのスキルの不足」で56.9%となった。
男女差が大きく開いたのは「性別による差別」で、女性の回答率は17.8%と、男性の4.9%の3倍以上という結果になった。
転職活動における「性別による差別」の影響はまだまだ根強く残っているようだ。
「ワークライフバランスを大切にして働きたい」女性は約4割
仕事に対する態度、モチベーションについての質問では、「ワークライフバランスを大切にして働きたい」が男女ともにトップとなった。
数値的には女性39.0%、男性23.7%と15ポイントほど差が見られる。
他のモチベーションとして「高い報酬を得たい」「昇進したい」「自分にしかできない仕事をしたい」「仕事を通して社会に貢献したい」「実力をつけていつか起業または独立したい」のいずれも、男性が女性の回答率を上回った。
女性の7割、男性の6割弱が「現在と将来の仕事・働き方に対して不安」
日本型雇用の崩壊に関して、「どちらともいえない」が最上位となった。
終身雇用を過信し、会社の雇用に頼りたいという意見に対し、
「旧来のシステムでは、組織が急速な変化に対応していけないから」
「年齢などにとらわれず、キャリアや優秀な人が選ばれるのが良い」
「世界中を相手に仕事をするなら、年齢や勤務年数では評価にも勝負にもならないので」
といった自立した意見から、4割が「終身雇用や年功序列はもう終わり」と考えている。
一方で、将来の仕事や働き方に対して不安を抱く声は、男女共に5割を超える。
体力面や定年後のセカンドキャリアに対する不安や、育児・介護を含むプライベートとの両立に対する不安、収入面や不安定な雇用形態に対する不安が主にあげられた。
男女の働き方の見直しを
男女別に見ると、「現在と将来の仕事・働き方に対して不安」と回答しているのは男性が6割弱、女性が7割と、若干女性が上回る結果となった。
転職時の「性別による差別」に基づく収入面への不安や、まだまだ家事や育児は女性の仕事、といった価値観に依るところも大きいだろう。
男性の育児休暇取得が承認されることで、なくなる将来への不安もあるのではないだろうか。
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