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育児と仕事の両立!育児休業制度の仕組みを紹介

2020.04.02

 結婚したら子供が欲しいと思うけれど、仕事もやりたいから困ってしまうという人も多い。育児と仕事の両立が不安になっている夫婦にとって、子育てのときに休みを取れる制度は魅力的だろう。

 育児休業制度という制度があるのを知っているだろうか。本記事では育児休業制度の概要と関連する休暇の仕組みについて紹介していく。

育児休業制度とは

 育児休業制度とは国の法律によって定められている制度で、子供を育てるために労働者が休業できることを定めている。原則として1歳に満たない子供を養育している労働者であれば男女を問わずに休める制度だ。法律によって決まっていることから、社員が育児休業を取得したいと希望したときには会社は断ることはできない。従業員として働いている限りは育児休業を取得する権利が認められているのである。

 育児休業制度は平成3年に制定され、その後も社会事情を考慮して改正が続けられてきている。女性の社会進出による共働き世帯の増加を考慮し、育児と仕事を両立できるようにすることを目指して制定された法律で、平成29年に待機児童問題を考慮した内容に改正されている。

育児休暇との違い

 会社で働いていると「育児休暇」という名前を聞くことが多いが、育児休業制度によって定められている「育児休業」とは異なるので注意しよう。

 育児休業は法律で定められた企業の義務かつ労働者の権利である。それに対して育児休暇は各会社が独自に導入した福利厚生としての社内制度で、内容についても特に定めがあるわけではない。

 働く女性の需要が高まっていることを受けて導入が進められているものの、2016年の厚生労働省による統計調査では育児休暇制度のある会社が17.1%という低い結果になっている。

 ただ、独自の制度こそないものの育児休業制度を社内規定に盛り込んでいる会社は95.2%になっていて、制度が浸透している状況がある。

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育児休業制度導入の背景

 育児休業制度が導入された背景について簡単に述べたが、実は問題はそんなに単純ではない。どんな問題があって導入が進められたのか、背景を詳しく確認しておこう。

人口減少

 育児休業制度が制定された背景として、人口減少の問題への対策として制定されたということが挙げられる。少子化の時代ともよく言われているが、日本における出生率は低迷している状況があり、いかにして子供を生み育ててもらうかが社会的な課題となっている。

 日本の出生数は昭和48年(1973年)から減少を続け、平成29年(2017年)には過去最低の94万1千人となった。政府としては今後も減少が続くことを懸念し、2025年までに合計特殊出生率を1.8にして人口1億人を維持する目標を掲げて取り組みを開始したのである。

 出生率を上げるためには育児環境の整備は欠かせないため、その一つの取り組みとして育児休業制度が定められたのだ。

待機児童の増加

 待機児童が増加していることも育児休業制度の導入が進んで背景として大きい。

 東京や大阪などの大都市では待機児童が特に多く、都市部への人口集中によって状況が悪化してきている。待機児童の大半は3歳未満の子供で、本来ならあまり放っておくべきではない年齢だ。

 しかし、保育施設にも預けることができず、子育てをするにはお金が必要だったり、仕事も頑張りたい気持ちがあったりして悩んでいる人が多くなっている。そのため、仕事をしながら育児ができる環境整備が必要と考えられ、育児休業を取得できる制度が整えられたのである。

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育児休業できる条件は?

 育児休業について定めているのは育児介護休業法で、記載されている条件に従って育児休業は取得可能だ。原則は「1歳未満の子どもを養育する従業員」であること、雇用期間が1年以上になっていることが条件となっている。この条件さえ満たしていれば男女を問わず取得できる。

 また、子供に血縁がなく養子であったとしても問題はない。このような待遇を受けられるのは正社員だけだと誤解されがちだが、パートやアルバイト、契約社員の人も含んでいるので希望すれば休業可能だ。

 ただ、雇用期間が一年以内の場合には利用できず、契約社員であれば、子供が1歳6か月になる前に契約が切れてしまう場合には利用できない。また、日雇い労働者は適用外になっているので注意しよう。

育児休業の期間

 育児休業はどのくらいの期間取得できるのかが気になる人も多いだろう。男女で期間が異なるのでそれぞれについて紹介する。

女性

 女性が育児休業できる期間は、産前産後休業が終了してから子供が1歳の誕生日を迎える前日まで、と定められている。

 ただ、この期日が適用されるのは子供を保育施設に入れることができた場合で、もし受け入れ先が見つからなかったような場合には、1歳6ヶ月まで休業期間を延長することが可能だ。

 さらに、1歳6ヶ月になるまでの間に保育施設に入れることができなかった場合は、2年まで延長できる仕組みになっている。

男性

 男性の場合には産休が存在しないので開始のタイミングが異なり、出産当日、つまり子供の誕生日が育児休業の開始日になる。そして、女性の場合と同様に子供の1歳の誕生日前日までの一年間というのが原則だ。

 ただ、女性の場合と同じように、子供を保育施設に入れられなかったときには、1歳6ヶ月あるいは2歳まで延長できる。

男性も育児をしやすく

 男性も育児に参加すべきという声がよく上がるようになっているが、取得をためらってしまうケースも少なくない。ただ、男性が育児休業を取りやすいように配慮した制度も整えられるので前向きに検討してみよう。

育児休業給付金

 大黒柱として働いている男性の場合には、育児休業を取ると収入がなくなるのが辛いと感じるだろう。

 その際に有用なのが育児休業給付金制度で、育児休業を取得した期間にも育児休業給付金を支給してもらうことができる。育児休業を取得しやすくしつつ、休業中も安心して育児ができるための制度だ。

 男性だけでなく女性も取得可能で、夫婦でそれぞれ給付金を受け取ることもできる。金額としては休業開始時賃金の67%でスタートして、休業開始から6か月が経過した後は50%が支給される。保険料や所得税が免除されるため、最大で休業前の8割が手取りの金額として支給されることになる。

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パパママ育休プラス制度

 パパママ育休プラス制度は特例制度として設けられたもので、両親二人が育児休業を取得する場合に適用されるのが特徴だ。男性に育児に関心を持ってもらい、積極的に参加するのを促すために設けられた制度である。

 パパママ育休プラス制度を適用すると、通常は1歳を迎える前日までしか取得できない育児休業が、1歳2ヶ月まで取得できるようになる。両親ともに働いている場合にしか使えない制度だが、母親と期間が重複しても休業できるのが魅力である。

パパ休暇

 パパ休暇も男性の育児への参加を促すために生まれた制度である。育児休業を取得できるのは1人の子供につき1回と決められているので、一度職場復帰をしたら再び休業することはできない。

 しかし、パパ休暇を適用すると産後8週間以内に育児休業を取得し、かつ会社に復帰した場合には期間内にもう1回育児休業ができるのだ。父親のみ育児休業を2回に振り分けられる制度で、仕事との兼ね合いを考えながら柔軟に育児休業を取得できるのが特徴となっている。

制度を活用して育児と仕事を両立を

 育児と仕事の両立で悩んでいる夫婦にとって、法律で定められている育児休業制度を活用するのは魅力的だろう。その仕組みを正しく理解できただろうか。

 育児も仕事も大切だからこそ苦しくなりがちだが、上手に制度を活用すれば両立させることが不可能ではない。休業期間を利用しつつ、夫婦で協力して子育てもしながら仕事にも力を注げるようにしよう。

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