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新入社員のエンゲージメント低下パターンを分析 継続してモチベーションをあげられる職場とは?

2020.05.27

 株式会社アトラエ(本社:東京都港区/代表:新居佳英)は、エンゲージメント解析ツール「wevox(ウィボックス)」のデータを活用し、新入社員におけるエンゲージメントの年間推移を分析した。

熱意溢れる社員の割合は6%?!

 2017年のGallup社の調査では、日本は熱意あふれる社員の割合はわずか6%であり、その割合は139カ国中132位という最低水準であることが示されている。

 その調査結果に加え、利用企業の大多数で、新入社員のエンゲージメントスコアが入社以降低下し続ける現象が確認されている。

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、テレワークの緊急導入に迫られた企業の状況を踏まえて行った分析でも、テレワークの継続によりエンゲージメントが低下することが明らかになった。

 これらの結果を受け、新入社員がエンゲージメント高く働き続け、社会人生活を少しでも充実させられる一助となること、また早期の離職防止につながればという考えのもと、本分析結果の公表を決定した。

wevoxの全利用企業における新入社員のエンゲージメントスコアの変化

wevoxの全利用企業における新入社員のエンゲージメントスコアの変化

 本グラフは、2018年入社の新入社員のエンゲージメントスコアの推移を記したものだ。

 4月から5月にかけてのスコア上昇は、新しい環境への慣れや周囲の人々との関係構築によると推察される。
 入社年次によらず中途入社の社員についても同様の傾向が見られることからも、環境の変化はエンゲージメントに大きく影響するようだ。

 一方、5月以降のスコア低下については、少なくとも次の2つの原因があると考えられる。
 1つ目が、入社時の過度な期待が適正値に修正されることによるエンゲージメントスコアの低下。
 2つ目が望まざる何らかの要因によるエンゲージメントスコアの低下だ。

 前者に関してはある程度致し方ない面があると言えるが、後者については改善の余地があると考えられる。

 そこで、入社時からのスコア変化を機械学習の手法を用いて分類したところ、おおむね8類型に分かれることが分かった。

 さらに細かく分析した結果、新入社員のスコアは徐々に低下するのではなく、特定の月に大幅に下がることがわかった。

 特に、5月から6月に大幅なスコア低下を経験するグループは、分析対象全体における出現頻度は高くないものの、最もスコア減少が激しく、かつ殆どの場合でスコアが一切回復しない等、のちに悪影響となる後遺症を残すことも分かった。

新入社員のエンゲージメントスコアが維持・上昇する理由は

 レバレジーズ株式会社協力のもと、新入社員のエンゲージメントスコアについて分析した。

 入社時よりエンゲージメントスコアが改善している部署に所属する新入社員のスコア推移を、9つのジャンルごとにまとめたグラフを分析した結果、以下が新入社員のエンゲージメント維持・向上において重要であると考えられる。

・企業の価値観にマッチしている人材を採用すること
・上司や同僚との人間関係

​ 上記スコアを見ると、約25%の部署で「支援」「人間関係」「承認」のスコアが入社時より大きく上昇しており、これらの項目が新入社員のエンゲージメントスコアを改善させる要因になっていることが分かった。

 この結果から、配属された部署やチームメンバーとの関係性が新入社員のエンゲージメントにとって非常に重要であることが推察される。

 入社時よりエンゲージメントスコアが改善している部署には、「理念戦略」「組織風土」のスコアが入社時から一貫して高い部署が多い。
 これは、社員のエンゲージメントを低下させないためには入社後の研修や定着等の人事施策のみならず、採用時から自社の理念や文化、組織のあり方等に共感する人材を採用することが重要であることを示唆している。

会社に情熱を注げる人材育成の土壌を作る

 調査の結果から、企業としては自社の理念や文化、組織のあり方等に共感する人材を採用することを重視しており、それが結果的にエンゲージメントが高まりやすい人材の採用につながっている可能性が高い。

 新入社員のエンゲージメントスコアの維持・上昇には、自社の価値観に合う人材の採用や、入社後の同僚及び上司との関係性が非常に重要であることが確認された。
 企業は新入社員採用の際は、ここまで想定して環境を整えていくことが重要だ。

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