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【企業のシニア人材マネジメント実態調査】半数が「シニア人材に課題感を持つ」と回答

2020.11.30

 株式会社パーソル総合研究所(本社:東京都千代田区、代表:渋谷和久)は、企業におけるシニア人材に関する課題感や施策の実態を明らかにし、シニア人材の活躍に資する提言を行うことを目的に、自社の人事戦略・企画、人事管理の動向を把握している人を対象に「企業のシニア人材マネジメントの実態調査」を実施した。

シニア人材に課題がある企業は半数

 「シニア人材について課題感を持つ企業の割合」を調査したところ、49.9%が「現在、すでに課題になっている」、75.8%が「今後、5年以内に課題になる」と回答した。業種別に見ると、最も多いのは「金融・サービス」で81.7%、次いで「製造・建設」が79.9%、「卸・小売」が74.4%と続いた。

 「シニア人材に対する具体的な課題感」を調査したところ、現在すでに課題になっているものとして最も多かったのは「シニア社員本人の働くモチベーションの低さ」で44.9%であった。次いで「シニア社員のパフォーマンスの低さ」が42.9%、「シニア社員に対する現場のマネジメントの困難さ」が41.4%と続いた。

シニア人材に対し「ポストオフ」などの施策

 「シニア人材に対して施策を実施している割合」を調査したところ、全体で62.9%がシニア人材に対して何らかの施策を実施していることがわかった。一方で,「施策を実施しているが成果が得られていない」という回答も34.4%あり、課題は多いことが伺える。

 「シニア人材に対する具体的な施策」を調査したところ、最も多かったのは「ポストオフ・役職定年制度」で38.1%、次いで「健康支援」が36.5%、「スキルアップ研修」が30.6%と続いた。

シニア人材のキャリア開発は不十分

 シニアの年齢別に各施策実施の割合を見ると、45歳以降、スキルアップ研修を受講する人の割合は大きく下がり、人材開発予算配分はシニア人材では6.3%にとどまっている。シニア人材の能力開発やキャリア開発につながる施策は十分に行われているとは言い難い結果となった。

「定年後再雇用」を実施する企業は65.2%

 「70歳までの就労機会提供の努力義務への対応」を調査したところ、すでに実施しているものとして最も多かったのは「定年後再雇用」で65.2%であった。次いで「正社員としての定年延長」が20.3%、「他企業への再就職支援」が16.6%と続いた。

 定年後再雇用を実施する企業は半数以上である一方で、再雇用後の年収は全体平均で32.5%の減少が見られ、再雇用前と職務変更がほとんど無い場合であっても27.1%の減少が見られた。

シニア課題解決のカギは「職務を軸とした人材マネジメント」

 今回の調査結果を踏まえて、パーソル総合研究所、上席主任研修員の小林祐児氏は以下のようにコメントしている。

 「現時点で企業の半数がシニア人材に課題感を持っているが、施策実施率トップはポストオフという厳しい現状が明らかとなった。シニア人材向け施策実施のハードルを尋ねると、1位「経営層からの承認」37.1%、2位「予算の捻出」34.5%となったが、実際、シニア人材に振り分けられている人材開発予算は6.3%と僅かであり、シニア人材の能力開発・キャリア開発をもっと強化すべきだ。

 シニア人材が活躍できる組織の特徴としては、①社内の職務ポジションが可視化され、社内のジョブ・マッチング施策が充実し、人員の社内流動性が高いこと、②従業員の専門性を重視し、育成体制が充実していること、③ダイバーシティが重視され、個が尊重されることが挙げられる。

 また、人事制度として、「職務」の市場相場を反映させる等級・処遇制度であるほど、シニア人材の活躍が促されており、職務を軸にした人材マネジメント(配置・処遇)の強化が、シニア課題を解決するための人事施策のカギとなる。逆に職能主義的で安定雇用の企業において課題感が強く、伝統的な日本型雇用とシニア活躍の相性の悪さが確認された。」

 

まとめ

 2021年4月から企業において、70歳までの就業機会確保が努力義務とされる。健康寿命が伸び、「人生100年」が当たり前となってきている中で、シニア人材の雇用は日本全体の大きな課題とも言えるであろう。企業の中で、できることとできないことを明確にし、対応を行っていくことがますます重要になると言えそうだ。

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