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活動的に働けるオフィスへの移転で検診データの維持・改善を確認

2021.03.26

 公益財団法人 明治安田厚生事業団 体力医学研究所(本部:東京都新宿区、理事長:中熊 一仁)と株式会社オカムラ(本社:神奈川県横浜市、代表取締役:中村 雅行、以下 オカムラ)は、2018年10月から共同でオフィス環境改善による働き方改革に関する実証実験を行ってきた。今回その結果を報告すると共に、産業衛生と環境医学分野の国際学術雑誌「Journal of Occupational and Environmental Medicine」に論文が掲載されたことを発表した。

実験における両社の役割

 ■明治安田厚生事業団 プロジェクト全体の企画立案・統括並びに、活動量計と検診データの分析、効果検証を担当した。

 ■オカムラ:組織の個性を最大限に引き出すワークプレイスづくりを提案している。今回は効果検証の場を提供した。

座りすぎを防ぐオフィス移転

 日本は世界一座っている時間が長いと言われているが、オフィス施策と座りすぎの研究を行っているのは欧米諸国が中心で、これまで日本からの知見はなかった。オフィスワーカーには長時間の座りすぎによるさまざまな悪影響が指摘されている。今回はABWという働き方を取り入れたオフィスへの移転に着目。移転前後のデータから心血管・代謝性疾患のリスク因子への影響を検証した。

 今回の移転では、4拠点のオフィスを1拠点に集約。従来型のオフィスから、心身の健康保持増進や従業員一人ひとりがいきいきと働くことを実践・検証する場である「ラボオフィス」のひとつへ移転した。

ABWの考え方を取り入れたオフィス

 今回の実証実験では移転後のオフィスに、昇降デスクの導入、共用席の増設、回遊型通路の設置など、ABWの考え方を取り入れた。ABW(Activity Based Working)とは、従業員がその時の仕事内容に適した場所や作業席を選択できる働き方のこと。

検証1の結果

 1つ目の検証では、オフィス移転による座りすぎ、身体活動の変化を分析。下記の結果がみられた。
 ■移転前と比較し、座位行動が13分/日減少
 ■中高強度の身体活動(少し早めに歩くなど)が9分/日増加

検証2の結果

 2つ目の検証は、心血管・代謝性疾患リスク因子への影響:基本属性や生活習慣等の違いを調整した対照群との比較。下記の結果が報告されている。
 
 ■オフィス移転群は対照群と比較して、腹囲増加が抑制、HDLコレステロールとHbA1cは良好に変化
 ■拡張期血圧については、対照群と比較して良好に変化する傾向がみられたものの、移転前後の変化は誤差範囲
 ■HbA1cは身体活動の変化と弱い相関を示し、中高強度身体活動量の増加が大きいほど改善が大きい傾向がみられた

まとめ

 今回の実証実験結果は、オフィス環境の改善という新しいアプローチによる従業員の健康増進の可能性を示唆した。一方で心血管・代謝性疾患リスク因子に関して維持・改善が確認できた項目は限られており、まだまだ検討の余地があるとされている。オフィス環境の見直しを検討している企業は、ぜひ参考にしてみてはいかがだろうか。

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