新型コロナ、51.1%の企業が「5類」相当の運用を希望

政府は2022年9月6日、感染者の全数把握の見直しや療養期間の短縮などを表明した。2022年7月以降、新型コロナウイルスの新規感染者数が全国的に急増、同時に濃厚接触者も増加し、医療従事者が出勤できず医療体制が整わないといった影響も生じていた。また夏休みを迎えていた観光地では人出にブレーキがかかるなど各所でさまざまな影響がみられていた。そこで、帝国データバンクは、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の「2類」や「5類」といった分類見直しに関する企業の見解を調査した。調査期間は2022年8月18日~31日、調査対象は全国2万6,277社で、有効回答企業数は1万1,935社(回答率45.4%)。
半数を超える企業で「5類」相当の運用が望ましいと回答
新型コロナウイルス(以下「新型コロナ」)の感染症法上の分類について、自社の企業活動を行う上で望ましい位置づけについて尋ねたところ、「“5類”相当への運用の見直しが望ましい」とする企業は51.1%と半数超を占めた。他方で「“2類”相当の運用のままが望ましい」とする企業は12.3%となった。
また、「できれば5類に移行してインフルエンザ程度の扱いにしたいが、感染者が多く侮れず、2類・5類の見直しについて判断がつかない」(旅館、長野県)といった意見もみられ、3割を超える企業(「どちらとも言えない」(26.4%)と「分からない」(10.1%)の合計)で判断しかねている様子がうかがえる。
企業からの主な声
「“2類”相当の運用のままが望ましい」
2類相当のままの方が会社としても出勤停止などの指示が出しやすく、受注先に納期が遅れても納得してもらいやすい(銑鉄鋳物製造、群馬県)
5類相当にすれば、強制的な就業制限は弱まるが、結局、蔓延させると会社の稼働に影響が出てしまう。今のルール(保健所指示による自宅待機)維持がかえって社会活動の維持に繋がると考える(野菜果実缶詰等製造、山形県)
「“5類”相当への運用の見直しが望ましい」
現行の感染症法上の決まりに当てはめるのではなく、5類相当とし、社会の状態、状況に応じて、公費負担などを柔軟に時限的に設定し、感染抑止と経済活動の共存を図るのが良い(パッケージソフトウェア、福岡県)
中小企業は、大企業と違って人の余裕は無く、新型コロナの感染や濃厚接触等で、社員の10日間の自宅待機は相当な重荷になる(金属線製品製造、広島県)
まとめ
半数以上の企業が感染法上のコロナウイルス感染症への扱いについて、5類相当が望ましいと回答したものの、判断しかねている企業も3割を超えていることがわかった。