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三菱地所リアルエステートサービスがオフィスマーケットレポート発表 東京主要7区の空室率は?

2023.05.31

三菱地所リアルエステートサービス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社⾧:湯浅哲生)は、2022度の東京都心7区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区、品川区、江東区)の大規模ビル(延床面積3000坪以上の賃貸オフィスビル)のマーケットデータをまとめた「OFFICE MARKET REVIEW2022」を発表した。

空室率・平均募集賃料推移

空室率・平均募集賃料推移

東京主要7区の空室率は、2022年6月末時点に7.38%まで上昇して以降は緩やかな下降傾向であったが、2023年3月末時点では再び上昇に転じ、7.04%(前年同月比+0.15pt)となった。前年度に引き続き空室率は主要5区・7区共に適正空室率の5%を超える結果であった。

また、2023年3月末時点平均募集賃料は、東京主要7区において27454円/坪(前年同月比+438円)であり、主要5区・7区共に2万円台で推移している。なお、成約賃料は募集賃料と同様にほぼ横ばいで推移。

2022年度の空室率、平均募集賃料は共に緩やかな回復傾向であった。また、空室率と平均募集賃料はエリアによる差が昨年より顕著に現れている。

新築の供給量と空室率、開発状況

新築の供給量と空室率、開発状況

2022年の都心5区オフィスビル新規供給量は約15万坪と、例年と比べ少なかったため、空室率に与えた影響は小さかったとみられる。

2022年に竣工した大型ビルのうち、関電不動産八重洲ビル、oak港南品川、九段会館テラス、東京ミッドタウン八重洲 八重洲セントラルタワーなどは、ほぼ満床状態で稼働している。新築ビルは、立地環境は言うまでもなく、ビルスペックと募集賃料のバランスによって内定率に差が出ている。

移転傾向

移転傾向

2022年度は、コミュニケーションの強化や業務効率化を目的とした「集約移転」が目立った。センターオフィスを「コミュニケーション」や「イノベーション」の場と位置付け、それに合わせてオフィス戦略を見直す企業が多かったことが伺える。また、「採用の強化」を目的とし、立地を改善したり、より設備の整った大型ビルに移転したりする企業が多かったほか、再開発に起因する移転や、中小企業を中心に増床ニーズも多かった。

一方で、「コスト削減」を目的とした移転は減少。また、「今後の働き方の方針が決まっていない」という理由で移転を保留する企業も減少した。

現在、八重洲エリアを含め複数エリアで再開発計画が進められていることから、建て替えに伴う移転ニーズは今後も発生するとみられる。また、開発物件が竣工しリーシングが本格化すれば、そのビルへの移転に伴う二次空室も発生することが予測され、再開発が市場に与える影響は大きいと推察される。

まとめ

コロナ禍を経てオフィスに求めるものが変化し、大規模ビルのマーケットデータにもその影響が出ているようだ。参考にしていただきたい。