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部下の育成に悩む人が5割? 部下の成長を願いつつもフィードバックを躊躇…管理職意識調査

2023.10.11
オフィスのミカタ編集部

株式会社ラーニングエージェンシー(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:眞﨑大輔)および同社の研究機関であるラーニングイノベーション総合研究所が「管理職意識調査」を実施。回答した管理職の半数以上が「部下育成」に悩みを持っているという結果となった。

半数以上の管理職が「部下育成」に悩み

組織開発・人材開発を支援する株式会社ラーニングエージェンシー(以下:ラーニングエージェンシー)および、人と組織の未来創りに関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所が、2023年6月19日~8月31日の期間で484名の管理職を対象に「管理職意識調査」を実施。第1弾として「部下へのフィードバックの実態」に関する分析結果を公表した。

まず「管理職としてどのような悩みがあるか」の質問には、「部下育成」が54.3%と最も高い割合。次に「人事評価・フィードバック」が33.1%、「チーム・部門の運営」が26.0%と続いた(図1)。

また、「フィードバックのために、部下の態度・ふるまい・発言などを普段から気に留めるようにしているか」の問いには、「はい」が93.4%と大多数。さらに、部下のことをどの程度理解しているかを複数回答で質問したところ、「部下の現状の業務領域」が64.0%で最多、次いで「改善すべき課題や短所」(54.3%)、「部下の言葉・行動における特徴及び変化」(50.8%)、「部下の成果及びその変化」(47.9%)という結果となった。

フィードバックする際「部下に成長してほしいと願う」管理職が7割以上

フィードバックする際「部下に成長してほしいと願う」管理職が7割以上

調査では、育成に不可欠な部下へのフィードバックについても具体的に質問している。「部下にフィードバックをする際、どのような気持ちで臨んでいるのか」という問いでは、「部下に成長してほしいと願う気持ち」が70.9%でトップ。次に「部下の思考や行動に関心を持つ気持ち」が44.4%、「部下と思考や行動の基準を擦り合わせたいと思う気持ち」(40.7%)が続いた。

多くの管理職が普段から部下の態度や発言などを気に留め、部下の成長を願ってフィードバックをしている一方で、「部下にフィードバックすることを躊躇したことがあるか」という質問には「はい」が57.0%と半数超。「躊躇したことがある」と答えた人に対してその理由をたずねると、「部下の反応に対して不安があるから」が39.9%で最多。次に「適切な伝え方がわからなかったから」が37.0%、「自分が本当に正しいか自信がなかったから」が29.0%で続いた(図7)。

まとめ

ラーニングエージェンシーが2023年に公表した調査によれば、企業の人事担当者が特に注力して取り組みたい育成対象は「既任管理職」が最上位で、多くの人事担当者が管理職の課題として「部下育成力」をあげていたが(※1)、今回の調査では管理職自身も同様の悩みを持っていることがわかった。

また、管理職の約7割が「部下に成長してほしいと願う気持ち」で部下にフィードバックをしているものの、半数以上が「フィードバックすることを躊躇したことがある」という結果に。管理職の複雑な意識が表われた、興味深い調査結果と言えるだろう。

出典元:※1 人事部の実態調査(社員の育成編)

調査概要

■調査対象者:ラーニングエージェンシーが提供する管理職向け研修の受講者
■調査時期:2023年6月19日~8月31日
■調査方法:Web・マークシート記入式でのアンケート調査
■サンプル数:484人

※調査結果、グラフは【ラーニングイノベーション総合研究所「管理職意識調査(部下へのフィードバック実態編)」】より。各設問において読み取り時にエラーおよびブランクと判断されたものは、欠損データとして分析の対象外。構成比などの数値は小数点以下第二位を四捨五入しているため、合計値が100%とならない場合がある