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「インボイス制度開始後の実態調査」全社的な業務負担増が明らかに

2023.11.21

働き方を変えるDXサービスを提供するSansan株式会社は、インボイス管理サービス「Bill One」が、インボイス制度開始後初めての月次決算が終了したことを踏まえ、請求書関連業務に携わる1000名のビジネスパーソン(経理部門:500名、経理以外の部門:500名)を対象に「インボイス制度開始後の実態調査」を実施した。

調査実施の背景

2023年10月よりインボイス制度が開始された。インボイス制度下では受け取った請求書が「適格請求書」の要件を満たしていない場合、原則仕入税額控除の適用を受けられないため、企業は制度を正しく理解して対応する必要がある。インボイス制度開始後初めてとなる2023年10月分の月次決算業務が終了した今、企業が直面している課題を明らかにするため「インボイス制度に関する実態調査」を実施した。

制度開始後、対応への課題を感じている経理担当者は7割超

経理担当者500名に対して、インボイス制度への対応に何らかの業務課題を感じているか聞いたところ、「課題を感じた」と答えた人は70.2%、「特に課題を感じなかった」と答えた人は29.8%となった。

特に課題を感じたことの第一位は「請求書業務の負荷が増えた」(39.2%)、第二位は「社内理解が不十分で混乱が生じた」(28.6%)という結果になった。また、業務時間の増加により他業務への影響が生じていることも分かっている。

確認方法「経理担当者が目視確認」が最多

確認方法「経理担当者が目視確認」が最多

取引先から受け取った請求書が適格請求書の要件を満たしているかについて、どのように確認しているか聞いたところ、約7割は「経理担当者による目視確認」となった。一方で、登録番号の確認を特にしていないと回答した人も15.0%おり、受け取った請求書が適格請求書かどうかの確認を行っていない人も一定数いることが判明した。

経理担当者1人あたりの作業時間が月平均約12時間増加

経理担当者1人あたりの作業時間が月平均約12時間増加

インボイス制度開始に伴い、経理担当者が月次決算業務にかける時間が、1人あたり平均11.9時間ほど増加しており、営業日に換算すると約1.6営業日(※)となった。あくまでも1人あたりの増加時間のため、経理部門全体ではより多くの時間を要していることになる。

また、経理以外の部門に所属する500名を対象に、インボイス制度開始後の業務について聞いたところ、「業務が増えた」と回答した人は69.8%となった。

※:1営業日あたりの業務時間を7時間40分と換算した場合の数値

調査概要

調査方法:オンライン上でのアンケート調査
調査地域:全国
調査対象:請求書を取り扱う業務を担当するビジネスパーソン1000名
(経理部門500名、経理以外の部門500名)
調査期間:2023年11月6日~2023年11月8日
調査企画:Sansan株式会社

まとめ

調査の結果、インボイス制度対応に課題を感じている経理担当者は70.2%にのぼり、経理以外の部門においても、制度開始によって工数が増えたと感じた人が69.8%と、インボイス制度への対応により、経理部門だけでなく全社的に業務負担が増加していることが判明した。効率化を図る取り組みは急務と言えるだろう。中小企業庁ではインボイス制度への対応に関するQ&Aを公表している。参考にしていただきたい。

参考:中小企業庁