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全国のビジネスパーソン10万人対象「はたらく定点調査」に見るハイクラス人材の就労意識

2024.03.01

「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンに掲げるパーソルホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 CEO:和田孝雄)は「はたらく」を考える全国就業者データベース「はたらく定点調査」を公表。調査のなかから「ハイクラス(年収800万以上)人材」を切り口にしたデータを紹介した。ここでは調査結果の概要をお伝えする。

ハイクラス人材「自分の成長が重要だ」「未来のため」「やりがいのため」と答える割合が高い傾向

ハイクラス人材「自分の成長が重要だ」「未来のため」「やりがいのため」と答える割合が高い傾向

本調査結果を見ると「自分の成長と安定したパフォーマンスの発揮、仕事をするときにどちらの考え方に近いですか?」という問いについて、ハイクラス人材は「自分の成長が重要だ」と答えた割合が44.4%で、年収800万円未満の人材と比較すると8.1pt高いことがわかる。また「やり遂げた先の明るい未来のために頑張れる」「目の前の仕事を消化することに集中する」という2つの選択では「未来のため」と答えた割合が56.6%で、年収800万円未満の人材と比較して18.4pt高く「お金のためにする」「やりがいのためにする」という2つの選択では「やりがいのためにする」と答えた割合が35.0%で、そうでない人材と比較して10.6pt高いことも明らかになった。

ハイクラス人材が自信を持っていることと気をつけていること

ハイクラス人材が自信を持っていることと気をつけていること

同社によると「仕事をする上で、あなたが自信を持てている経験や能力について教えてください」という質問で、ハイクラス人材は「リーダーシップ・推進力」「論理的思考力」「専門的なスキル」「交渉力」と回答した割合が多かったという。一方「まじめな人柄」と答えた人の割合は、年収800万円未満の人材のほうが高いことも明らかにした。

また、ハイクラス人材は「部下や同僚を褒める」「ポジティブな意見を言う」「即断即決」「業務の効率化」といった項目でそうでない人材と比べて、気をつけている割合が高い傾向にあることもわかっている。一方「速さよりも正確性を重要視する」と答えた割合は、年収800万円未満の人材のほうが高い。

調査概要

調査方法:オンライン
調査時期:2023年3月
調査対象:15歳から69歳の男女・本業または副業ではたらいている人
調査人数:10万人

「はたらく定点調査」について

本データは「はたらく定点調査」のなかから、世代間を比較したデータを抜き出したものの一部。「はたらく定点調査」は個々人が「自分の“はたらく”を考える」きっかけをつくることを目的に実施されている。幅広い世代の多様なデータを通じて、はたらき方に関わる生活全般の実態と変化を可視化。地域別、ジェンダー別、年収別、年齢別、職業・職種別、さらには価値観など、さまざまな切り口でデータを抽出することが可能となっている。同社はキャリア選択を考える一助として、本調査によるさまざまなデータを公開している。

「はたらく定点調査」データベース

まとめ

パーソル総合研究所の研究員である金本麻里氏は、非認知能力と年収の関連を見た先行研究で「外向性・誠実性・協調性」の性格特性が、日本人の所得にプラスに影響すると報告されていることに触れた上で、本調査結果についてもハイクラス人材の非認知能力が仕事での成果と報酬につながっているとの見方を示した。

株式会社NTTデータ経営研究所からは「非認知スキルが新たな教育マーケットを拓く」とのレポートも出されており、それほどまでに非認知能力が経済的・社会的成功や、組織におけるチームパフォーマンスや企業業績との関連が密接であると考えられている。

非認知能力は定量的な評価が難しいとされているが、本調査結果から見られた傾向を、従業員の非認知能力向上や採用活動などの場面で活用してみてはいかがだろうか。

参考:独立行政法人経済産業研究所(2014)非認知能力と行動特徴が学歴、所得、および昇進に与える影響の分析

参考:株式会社NTTデータ経営研究所非認知スキルが新たな教育マーケットを拓く