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テレワークは減少しハイブリットワークが拡大傾向|国土交通省がテレワーク人口実態調査結果を発表

2024.03.27

国土交通省では、テレワーク関係府省(※)と連携して、テレワークの普及促進に取り組んでおり、今後の促進策に役立てることを目的として「テレワーク人口実態調査」を実施している。2024年3月、今年度の調査における雇用型テレワーカーの割合が、昨年度調査から1.3ポイント減少し、24.8%となったことを発表した。本調査は就業者を対象として、2023年10~11月にWEB調査を実施したもの (有効サンプル数40000人)。
※内閣官房、内閣府、デジタル庁、総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省

テレワーク実施状況は減少傾向もコロナ禍以前よりは高水準

テレワーク実施状況は減少傾向もコロナ禍以前よりは高水準

本調査結果によれば、雇用型就業者のテレワーカー(雇用型テレワーカー)(※1)の割合は、全国で24.8%(1.3ポイント減)となっている。全国的に減少傾向である一方で、コロナ禍以前よりは高い水準を維持している実態が明らかになった。特に首都圏では、昨年度調査よりも1.9ポイント減少となったものの約4割の水準を維持。コロナ禍以降の直近1年間のテレワーク実施率(※2)は、全国どの地域においても減少傾向であったが、コロナ流行前よりは高水準であると推測される。

テレワーク実施頻度については、直近1年間のうちにテレワークを実施した雇用型テレワーカーにおいては、週1~4日テレワークを実施する割合が増加。コロナ禍を経て出社とテレワークを組み合わせるハイブリッドワークが拡大傾向にあることが明らかになった。

※1:雇用型就業者のうち、これまでテレワークをしたことがある人
※2:雇用型就業者のうち、各調査年度において直近1年間にテレワークを実施しているテレワーカーの割合

生活満足度や都市への影響

生活満足度や都市への影響

本調査では、テレワーク普及による個人や社会への影響について、よい影響としては「通勤の負担が軽減される」が、悪い影響としては「運動不足になる、外出が減る」が多く挙げられた。

また、東京都市圏(※3)居住者のテレワークをするようになってからの生活満足度の変化として、約4割が生活全体の満足度が上がったと回答している。個別項目においては、「子育てのしやすさ」や「心の健康」への満足度が上がった割合が約3割と高かった。

さらに、現在もテレワークを継続している人(※4)は、テレワークをするようになってから、食料品・日用品の買い物について、勤務地の近くでの買い物頻度が減少傾向であり、自宅の近くやオンラインでの頻度が増加していることが明らかになった。

そのほかに、食事・飲み会や趣味・娯楽、運動等について同様に調査。その結果、勤務地の近くではどの種類の活動も頻度が減少し、オンラインではすべての活動頻度が増加傾向であることがわかった。

※3:東京都市圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、茨城県南部)
※4:東京都市圏居住者(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、茨城県南部)のうち、現在も週1日以上テレワークを実施し、東京区部又は業務核都市に勤務するテレワーカー

調査概要

【第1段階調査(テレワークの普及度合いと実施実態調査)】
調査対象者:WEB調査の登録者のうち15歳以上の就業者約29万人に調査票を配布し、4万サンプルを回収
調査期間:2023年10月21日~10月25日
有効サンプル数:40000人(雇用型就業者36228人・自営型就業者3772人)うちテレワーカー10072人(雇用型8989人・自営型1083人)

【第2段階調査(テレワークに関する詳細調査)】
調査対象者:第1段階調査回答者のうち、東京都市圏居住者12547人(テレワーカー4678人、非テレワーカー7869人)に配布し、6180サンプルを回収
調査期間:2023年11月10日~11月20日
有効サンプル数:6165人(東京都市圏居住者)うちテレワーカー4116人・非テレワーカー2009人

出典元:令和5年度テレワーク人口実態調査-調査結果(概要)(国土交通省)

まとめ

テレワークが減少し、オフィス出社と組み合わせるハイブリッドワークが増加傾向にあることが明らかになった。また、テレワークが生活満足度にいい影響をもたらしている様子もうかがえる調査結果となった。テレワーカー自体の割合は減少しているものの、コロナ禍以前と比較すると高水準を維持しており、本質的な普及はこれからという企業も少なくないのではないだろうか。

テレワークには様々な効果が期待される一方、総務省が「令和4年度 テレワークセキュリティに関する実態調査結果」を基に作成したデータでは、テレワーク導入にあたって「セキュリティの確保(52%)」「テレワークに必要な端末等の整備(50.3%)」などが課題として挙げられている。

政府はテレワークの推進に向けて啓発・導入支援に取り組んでおり、機器の導入や研修にかかる費用などの助成も行っているので、参考にしていただきたい。

出典元:情報通信白書令和5年版 データ集 第4章11節 51. テレワークの導入に当たり課題となった点(複数回答)(総務省)
参考:テレワーク総合ポータルサイト(厚生労働省・総務省)