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バックオフィス業務のDXによる業務量と満足度の関係は?

2024.04.01

財務・会計システムおよび経営情報サービスを開発・販売する株式会社ミロク情報サービス(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:是枝周樹)は、財務・経理・人事・総務・労務などバックオフィス業務に関わる445名を対象に「バックオフィス業務に関する総合調査」を実施。デジタル(IT/AIなど)活用の状況と業務効率化、1年前と比べての業務量や業務内容の変化などを調査した。ここでは調査報告第一弾として発表されたレポートの概要を紹介する。

調査概要

調査名   :バックオフィス業務に関する総合調査
調査対象  :財務・経理・人事・総務・労務に従事する20~70歳までの男女
有効回答人数:445人
調査期間  :2024年2月19日~2024年2月20日
調査エリア :全国
調査方法  :インターネット調査(株式会社ジャストシステム「Fastask」利用)
調査実施機関:株式会社ミロク情報サービス
出典元   :デジタル活用の状況と業務内容の変化など「バックオフィス業務に関する総合調査」レポート第一弾(株式会社ミロク情報サービス)

IT/デジタルの活用と業務効率化の状況

IT/デジタルの活用と業務効率化の状況

本調査結果を見ると「1年前と比べ、IT/デジタル活用が進んでいると思うか」という質問に「もっと進んでいる(8.1%)」「やや進んでいる(63.9%)」と、合わせて72%がIT/デジタル活用が進んでいると感じているようだ。

一方、「自部署の業務もしくは全社的な取り組みで、1年前と比べてデジタル活用(IT/AIなど)によって業務を効率化できたか」との質問には「非常に効率化できた(6.7%)」「多少は効率化できた(46.1%)」と、合わせて52.8%が効率化できたと回答。デジタル活用が進んでいると感じている人の割合に比べ、業務効率化を実感している人の割合は低い結果となっている。

また、「(生成AIに限らず)1年前と比べて業務にAIを使う機会は増えたか」という質問には「もっと増えた(7.5%)」「やや増えた(43.1%)」と、合わせて50.6%が「AIを使う機会が増えた」と回答。この層については77.1%が業務効率化を実感できていることがわかった。

業務量の変化と仕事の質・満足度の関係

業務量の変化と仕事の質・満足度の関係

続いて本調査では、1年前と比べた業務量の変化について調査。業務量が「もっと増えた」と回答した人のうち「1年前と比べた仕事への満足度」について「以前よりもかなり満足できている・やや満足している」と回答した人は合わせて60%を超える結果となっている。また、業務量が「やや増えた」と回答した人も同様に「以前よりもかなり満足できている・やや満足できている」が合わせて60%を超えた。

一方で、業務量が「やや減った」場合、仕事への満足度は「変わらない」と「以前よりもやや満足している」の回答が同率の42.3%に。業務量が「かなり減った」場合は、仕事への満足度には、ばらつきが出る傾向となった。

さらに本調査では、業務量が「もっと増えた」「やや増えた」と回答した人に仕事内容の変化について質問。その結果「データを活用した業務に取り組めるようになった」が63.6%で最多となっている。業務量が「やや減った」「かなり減った」と回答した人では「自動化等により入力や集計など作業的な仕事が減った」が55.6%と最多に。なお「データを活用した業務に取り組めるようになった」と回答した人は37%と、業務量が「もっと増えた」「やや増えた」人と比べ低い結果となっている。

まとめ

本調査結果からは、デジタル活用は進んでいるものの、業務効率化の実感に結びついていない可能性が示唆された。一方で、AIを活用できている場合にはその実感が高まる傾向にあるようだ。また、業務量の減少にデジタル活用の恩恵を感じる人や、業務量が増加してもデジタル化によって高い満足度を得ている人が多いことも明らかになっている。

MJSのグループ会社で組織・人事コンサルティングサービスを提供する株式会社トランストラクチャのマネージャーを務める田中卓也氏は、本調査結果を受けて 「単にデジタル活用を推進するだけでなく、それによって会社が何を実現させたいのか、社員に目的を共有・浸透させると共に、デジタルリテラシーを育む教育を実施する事も重要です。今後、求められるスキルや人材要件も変化していく中で、企業は、単なる『デジタル活用』の先に、価値創造を追求していく事が求められます」とコメントしている。

デジタル活用を進める中で、その効果が十分に発揮されていないと感じている企業は参考にしてみてはいかがだろうか。また、経済産業省では中小企業のAI活用促進に際して役立つ情報として、AI導入ガイドブックを公開している。こちらも併せて参考にしていただきたい。

参考:中小企業のAI活用促進について(経済産業省)