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経費精算のために回収した領収書のうち約4件に1件で不備が発生【インボイス制度後の領収書回収に関する調査】

2024.04.09

株式会社LayerXは、2023年10月のインボイス制度開始から半年の節目を迎えるにあたり、経理・財務部門における「経費精算」業務の変化を調査することを目的に、経理担当者420名を対象とする「インボイス制度後の領収書回収」に関する調査を実施した。ここでは調査結果の概要についてお伝えする。

調査概要

調査時期:2024年3月18日〜2024年3月20日
調査方法:インターネット調査
調査対象:経理担当者 420名
留意事項:小数点第二位以下四捨五入
出典元:【調査レポート】 インボイス制度開始後の経費精算における 適切な証憑回収の実態(株式会社LayerX)

経理担当者の78.6%が「領収書回収の手間が増えた」

経理担当者の78.6%が「領収書回収の手間が増えた」

同社は、インボイス制度の開始以降「経費精算」に関する領収書回収業務の手間がどのように変化したかを質問したところ「とても手間が増えた(31.9%)」「やや手間が増えた(46.7%)」と、合わせて78.6%が「手間が増えた」と回答したことを明らかにした。

なお、手間が増えた業務の上位は「領収書がインボイスの要件を満たすかの確認(64.2%)」「適切な領収書回収に向けた従業員への法制度・対応に関する周知(55.8%)」「適切な領収書発行に向けた取引先への対応依頼や周知(46.7%)」となっている。

領収書の約4件に1件の割合で不備が発生

領収書の約4件に1件の割合で不備が発生

続いて同社は、インボイス制度の開始以降「経費精算」のために回収した領収書のうち「インボイス制度の要件を満たさない不適切な領収書」の割合についてを質問。その結果「10%程度が不適格(39.3%)」「20%程度が不適格(12.9%)」「30%程度が不適格(7.4%)」との回答を得ている。また、同社が平均値を算出したところ、24.1%と約4件に1件の割合で領収書に不備が発生していることがわかった。

具体的なとしては「登録事業者なのに登録番号の記載がされていない(48.6%)」「適用税率の記載がない(38.2%)」「税率ごとに区分した消費税額の記載がない(35.8%)」が上位に挙げられている。

同社はこの結果から、発行主側の「領収書」への登録番号記載等の対応が未だ進んでいない実態があると推察した。

実施している対応

実施している対応

同社によると、不備が発生した場合の対応としては「発行主への再発行依頼を申請した従業員に依頼(57.5%)」「発行主への再発行依頼を経理担当者から行う(37.9%)」「インボイス制度の要件を1つでも欠く場合は全て非適格扱いで処理(25.4%)」が多く選ばれたという。

また、41.2%が領収書回収のための対策を実施しており「社内ポータル等での注意掲示・定期的なアナウンス(25.6%)」「社内説明会・研修の実施(14.0%)」「マニュアルを作成・展開(12.8%)」などで対策する企業が多いこともわかった。

まとめ

インボイス制度の開始から半年が経過してなお、その対応により負担増を感じている経理担当者が多くいることが明らかになった。また、本調査では発行主側の対応に遅れがある実態が見受けられ、領収書発行の際には改めて注意する必要がありそうだ。

本調査で最も多い不備として挙げられたのは「登録番号の記載なし」であった。そのほか上位には「適正税率の記載がない」「税率ごとの消費税額の記載がない」など、記載すべきことが記載されていない不備の多さが目立つ。発行する領収書に不備が多ければ、再発行で二度手間となってしまう。領収書の発行に課題を感じているのであれば、必要な記載事項を自動で入力するツールを活用することも一つの手となりそうだ。

参考:適格請求書等保存方式の概要インボイス制度の理解のために(国税庁)