オフィスのミカタとは
従業員の働きがい向上に務める皆様のための完全無料で使える
総務・人事・経理・管理部/バックオフィス業界専門メディア「オフィスのミカタ」

日本の製造業は業務生産性に課題「創造性向上への時間不足」6割以上で世界最多

2024.04.23

株式会社ミスミグループ本社が提供する、機械部品調達のAIプラットフォーム「meviy(メビー)」は、国連総会で「持続可能な開発」の実施や問題解決における創造性とイノベーションの役割についての意識を高めることを目的として制定された国際デーの一つである「創造性とイノベーションの日(※)」に合わせ、世界の製造業従事者が創造性向上にどのように取り組んでいるかについて調査を実施した。

※世界創造性とイノベーションの日4月21日(United Nations)

調査概要

調査対象:日本・米国・ドイツの製造業従事者
調査時期:2024年4月
調査・集計方法 :オンライン上でのアンケート調査
有効回答数:各国約500件
出典元:機械部品調達のAIプラットフォーム「meviy」 【調査レポート】日本の製造業は創造性向上への時間不足が6割以上と世界最多 ~日本は創造性向上への意欲は8割以上と最も高いが、多忙による時間不足が大きな足枷に~(株式会社ミスミグループ本社)
※本調査結果において、比率は小数点以下第2位を四捨五入しているため、必ずしも合計した数字が100%にならない場合がある

創造性向上に取り組む人の割合とその理由

創造性向上に取り組む人の割合とその理由

本調査結果をみると、創造性向上に対する取り組む人の割合は日本(63.8%)米国(65.8%)ドイツ(65.0%)の3カ国で大きな差はない。なお、日本における具体的な取り組み事例としては「本を読む」「美術館に行く」「自然と触れ合う」「ものづくり・共創活動」といった回答が寄せられたという。

続いて本調査は、創造性向上に取り組む理由について尋ねている。その結果、1位2位はどの国も「スキルアップ」「仕事の質向上」であった。3位は日本では「業務効率改善」となった一方、米国・ドイツでは「新しい仕事へのチャレンジ」が挙げられた。この結果から同社は、日本は現状を改善したいという意識が高く、米国・ドイツは未来に向けての挑戦意識が高いとの考察を示した。

創造性向上にかける時間と意識 阻害要因は?

創造性向上にかける時間と意識 阻害要因は?

本調査結果によると、創造性向上に取り組んでいる人のうち、日本は「十分な時間をとれていない」が61.7%と最も高く、さらに「もっと時間をとりたいと思っている」も83.3%と最も高い結果となっている。創造性向上への強い意欲があるにもかかわらず、時間が不足している状況であることがうかがえる。一方、ドイツは「十分な時間が取れている」が70.2%と最も高く、すでに創造性向上の取り組みが進んでいることが明らかになった。

なお、創造性向上の取り組みを阻害する要因として日本とドイツは「仕事が忙しく取り組む時間がない」が最多に。米国で最も多かったのは「仕事が忙しく体力がない」であった。

まとめ

本調査により、日本は米国・ドイツと比較して、創造性向上にかける時間が足りないと考える人が多いことが明らかになった。創造性向上に取り組む理由としても「業務効率改善」を挙げる人が多く、効率化は日本の製造業の課題のひとつになっていると考えられる。

内閣府が発表した資料(※1)によれば、日本の生産年齢人口は2020年で約7400万人で、2065年までに約5割に低下すると予測されている。さらに、2023年版ものづくり白書(※2)では、製造業の従業員数過不足DIは、長く不足が続いていることもわかっている。2020年には新型コロナウイルス感染症の影響で過剰に転じたものの、それ以降不足に転じており、2022年にはマイナス19.3と新型コロナウイルス感染症拡大以前の水準近くとなった。

生産年齢人口が減少する中、製造業の人手不足は今後も大きな課題となっていくだろう。そうした中で効率化を図り生産性を向上する取り組みは必要不可欠と考えられる。人手不足解消に向けた取り組みと並行して行うことが肝要だろう。

※1 出典元:人口減少と少子高齢化(内閣府)
※2 出典元:2023年版 ものづくり白書(令和4年度 ものづくり基盤技術の振興施策)概要(経済産業省 厚生労働省 文部科学省)