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「やる気度」が高いアフターコロナ第1世代「間違いを指摘してくれる上司」を望む

2024.04.23

組織開発・人材育成を支援するALL DIFFERENT(オールディファレント)株式会社(旧株式会社ラーニングエージェンシー、所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:眞﨑大輔)および人と組織の未来創りに関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所が「新入社員意識調査」を実施。「Z世代」「タイパ世代」と呼ばれる2024年新入社員の価値観について明らかにした。ここでは調査結果の概要をお伝えする。

調査実施の背景

物心ついたときからデジタル技術が発達した社会で育ち、個性の伸長や人間性の向上を重視する「ゆとり教育」を受けてきた2024年の新入社員。小学生の頃に東日本大震災を経験し、高校卒業後は新型コロナウィルスの影響を大きく受けた世代だ。Z世代、タイパ世代と呼ばれる彼らは、オンラインによるコミュニケーションを中心に過ごしており、近年は、SNSの炎上や大手企業の不正・不祥事問題などのコンプライアンスに関するニュースも多々聞かれる。

また彼らは、コロナウィルスが「5類」へ移行後、アフターコロナとして最初に入社する世代でもある。同社は経済正常化への期待が高まる中、今年の新入社員がどのような価値観を持っているのか明らかにすべく、本調査を実施した。

やる気度が高く仕事を通じたスキルアップに意欲

やる気度が高く仕事を通じたスキルアップに意欲

本調査ではまず、これからの仕事に対して「やるぞ!」という気持ちをどれくらい持っているか0%~100%で質問。やる気度0~30%を「やる気度が低い」40~60%を「まあまあやる気度がある」70%~100%を「やる気度が高い」と設定し、分析した。結果は下記の通り。

「やる気度が低い」2.7%
「まあまあやる気度がある」15.3%
「やる気度が高い」82.0%

次に、社会人としてスキルアップするために、今後取り組んでみたいことがあるか質問。その結果、63.9%の新入社員が「会社での仕事を通じてスキルアップをはかっていきたい」と回答したことが明らかになった。次に多く挙げられた「自分の人脈を通じてその人から学びたい(31.9%)とは30ポイント以上離れており、大多数の新入社員が仕事を通じたスキルアップに意欲を示していることがわかる。

自分の成長に必要なものは「成功体験」理想の上司は「間違いを指摘して正してくれる」

自分の成長に必要なものは「成功体験」理想の上司は「間違いを指摘して正してくれる」

続いて本調査では、自分が成長するために必要だと思うものを質問。その結果「仕事を通じた成功体験(67.8%)」が最多となった。次いで「仕事を通じた失敗体験(58.9%)」「上司や先輩からの事後のフィードバック(55.0%)」が続いている。

半数以上の新入社員が、成長のためには上司や先輩からのフィードバックが必要だと回答している中、本調査は自分のキャリアアップにつながる理想の上司像についても質問。その結果「間違いを指摘して正してくれる(57.4%)」「自分のことをよく見てくれ、声をかけてくれる(41.2%)」「具体的に手順を細かく教えてくれる(40.6%)」「仕事やキャリアの悩みを相談できる(40.2%)」が上位に挙げられた。

【過去10年と比較】会社に求めるキャリア形成支援と労働時間への考え方

【過去10年と比較】会社に求めるキャリア形成支援と労働時間への考え方

本調査では、会社に求めるキャリア形成支援と労働時間への考え方について、過去10年との比較を行っている。

キャリア形成支援については「上司に相談できる機会をつくってほしい(56.0%)」「上司以外の社員に相談できる機会をつくってほしい(34.2%)」が、どちらも2014年の調査開始以降で最大の割合となった。中でも「上司に相談できる機会をつくってほしい」は、過去10年の増加幅も18.1%と、他の選択肢と比較し増加幅が大きい。

今後3年間の会社での労働時間については「定時に帰りたい」が48.2%で過去最大に。この割合は2020年を除き、2014年の調査開始以降増加し続けている。一方、「毎日残業でもかまわない」「仕事・成長のためにできるだけたくさん働きたい」は減少傾向にあり、特に「仕事・成長のためにできるだけたくさん働きたい」は、2014年と比較し12.7ポイント減少する結果となった。

調査概要

調査対象者:同社が提供する新入社員研修に参加した2024年入社の新入社員
調査時期:2024年3月28日~2024年4月11日
調査方法:Web・マークシート記入式、または自記式でのアンケート調査
サンプル数:4227人
出典元:アフターコロナ第1世代・新入社員意識調査(2024年 速報値版)2024年入社の8割超がやる気度が“高い” 、理想の上司は「間違いを指摘してくれる」(ALL DIFFERENT株式会社)

まとめ

本調査結果から、アフターコロナ第1世代となる2024年新入社員は高い意欲を持っていることがうかがえた。一方で残業に対しては否定的で「タイパ世代」らしさも垣間見える。

同社はこれらの結果を受けて「企業側は新入社員の「高いやる気」を活かすために、今まで以上に仕事や成長の目的・目標をはっきりと提示し、達成に向けた計画的な業務アサインやフィードバックを通じた内省支援を行う必要があります」とコメントした。

また、株式会社MS-Japanが実施した管理部門・士業が対象の調査では、上司の多くが新卒とのコミュニケーションに課題を感じている傾向も明らかになっている。本調査では上司に相談できる機会を求める新入社員が多くいることから、上司と新入社員のコミュニケーションが潤滑に行える環境整備は、企業の重要な取り組みと言えるだろう。コミュニケーションにあたって双方が課題に感じていることを把握し、解消に努めてみてはいかがだろうか。

出典元:管理部門士業に聞いた!新卒社員への「上司のホンネ」実態調査(株式会社MS-Japan)