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約7割の中小企業で5年前よりデジタル化が「進んでいる」との回答【中小企業のデジタル化に関する調査結果】

2024.05.28

日本政策金融公庫総合研究所は、中小企業のデジタル化に関するアンケート調査を実施。5年前と比較してデジタル化が「進んでいる」とする中小企業が約7割となったことや、主な成果として「業務の効率化・標準化」を挙げる中小企業が多いことなどを報告した。ここでは調査結果の概要についてお伝えする。

調査概要

調査時点:2024年3月中旬
調査対象:日本政策金融公庫(中小企業事業)取引先 12080社
有効回答数:4350社(回答率36%)
出典元:5年前と比べてデジタル化が進んでいる中小企業は約7割、主な成果は業務の効率化・標準化(日本政策金融公庫)

デジタル化の状況と導入したツール

デジタル化の状況と導入したツール

本調査では、5年前と比較したデジタル化の状況について「かなり進んでいる」「やや進んでいる」の合計が69.6%となったことが報告されている。従業者規模別では、規模の大きい企業ほど「進んでいる」と回答する割合は高い。また、デジタル化への取り組み方針において「かなり積極的に取り組んでいる」「積極的に取り組んでいる」と回答した企業(合計47.6%)についても、同様の傾向がみられている。

デジタルツールの導入状況としては「ホームページ、SNS(88.5%)」「会計システム(86.9%)」「Web会議システム(68.3%)」「販売管理システム(62.1%」、「勤怠・労務管理システム(58.4%)」が多く挙げられた。

デジタル化が進んでいる企業ほど成果も実感

デジタル化が進んでいる企業ほど成果も実感

また、デジタルツール導入による成果としては「期待以上の成果があがっている(4.4%)」「期待どおりの成果があがっている(50.0%)」という回答が寄せられている。「期待どおりの成果があがっている」を選択する企業は、従業者規模が大きいほど多い傾向にあるという。さらに、デジタル化が進んでいる企業ほど「成果があがっている」と回答する割合が高くなる傾向もみられた。

主な成果としては「業務の効率化」や「業務の標準化」では過半数が「成果があがっている」と回答。一方で「人手不足の解消」については「期待したほど成果はあがっていない」が46.9%であった。

中小企業が抱える課題と今後の取り組み方針

中小企業が抱える課題と今後の取り組み方針

デジタル化の課題には「導入コストの負担が大きい(56.2%)」「費用対効果を測ることが難しい(50.0%)」「維持コストの負担が大きい(40.2%)」が上位に並んだ。また、デジタル化を主導する人材については「かなり少ない(38.4%)」「やや少ない(31.0%)」と、約7割の企業が人手不足の状態であることが明らかになっている。

人材確保に向けた取り組みとしては「既存従業員の教育(34.6%)」「人材の中途採用(24.2%)」「ITベンダー等の活用(20.6%)」が上位に並ぶ一方「特になし(35.8%)」も多く選択されている。

なお、今後5年間のデジタル化については「かなり積極的に取り組む予定である(6.8%)」「積極的に取り組む予定である(50.3%)」と、6割近くが前向きな意向を示した。

まとめ

本調査結果では、現在のデジタル化への取り組み方針として「積極的である」とする企業の割合よりも、今後5年間のデジタル化への意欲を示す企業の割合の方が大きく、中小企業のデジタル化は今後より推進されていくことがうかがえる。一方でコスト面や人材不足といった課題を抱えている実態も明らかになっており、運用資金の確保や、人材の確保・育成への支援が求められそうだ。

日本政策金融公庫が運営する「日本公庫 事業者SupportPlus」では、小規模事業者の経営にプラスになる情報を掲載しており、低コストで取り組めるデジタルツールの導入手順や参考事例を紹介するガイドブックも公開されている。併せて参考にしていただきたい。

参考:はじめてのデジタル化ガイドブック(日本公庫 事業者SupportPlus)