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2024年夏の予想賞与額と理想とのギャップは40万円以上に マイナビ調べ

2024.06.07

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、20〜50代の正社員のうち、2024年4月に転職活動を行った人と、今後3カ月で転職活動を行う予定の人1342人を対象に「2024年夏ボーナスと転職に関する調査」を実施した。調査結果の概要についてお伝えする。

調査概要

「2024年夏ボーナスと転職に関する調査」
調査期間:2024年5月1日~7日
調査対象:従業員数3名以上の企業に所属している全国の20-50代の正社員のうち、2024年4月に転職活動を行った人、今後3カ月で転職活動を行う予定の人(3カ月以内に中途入社した人を除く)
調査方法:外部パネルによるインターネット調査
有効回答数:1342名
出典元:夏のボーナスの理想と現実 企業が知るべき従業員の本音【2024年夏ボーナス調査】(株式会社マイナビ)

約2人に1人が「賞与が少ない」ことを理由に転職経験

約2人に1人が「賞与が少ない」ことを理由に転職経験

本調査結果をみると、賞与が少ないことを理由に転職をしたことがある人は49.2%(「1番大きな転職理由だった(21.0%)」「1番ではないが転職理由だった(28.2%)」)となり、転職理由となった賞与の平均額は28.3万円となっている。年代別では20代において「1番大きな転職理由だった」の割合が35.2%と最も高く、若年層ほど賞与額の少なさが転職の理由になっていることが明らかになった。

また「1番ではないが転職理由だった」と回答した人の1番の転職理由について、最も多かったのは「賞与以外の給与(月給)が低かった(17.3%)」だという。賞与に限らず金銭的な点は転職理由になりやすいようだ。

夏の予想賞与額は平均51.8万円、理想は平均94.8万円

夏の予想賞与額は平均51.8万円、理想は平均94.8万円

本調査によると、前年夏の賞与額は平均50.1万円、今年予想している夏の賞与額は平均51.8万円で大きな変化は見られなかったという。また、自分の仕事に見合う理想の賞与額は平均94.8万円で、予想と理想の賞与の差は43.0万円となっている。

今年の夏ボーナスに「賃上げの機運を感じているか」との質問には「そう思わない(34.1%)」が最多に。「あまりそう思わない(28.1%)」と合計すると、62.2%が「今回の夏ボーナスに賃上げの機運は感じていない」と回答していることになる。役職別では「役職には就いていない」人が70.2%と特に多いことがわかった。

前年の夏の賞与額に納得していない人が半数以上

前年の夏の賞与額に納得していない人が半数以上

次に本調査では、前年夏の賞与額に納得感があるかを質問。その結果「どちらかといえばそう思う(31.2%)」が最多となったが「あまりそう思わない(30.8%)」と「そう思わない(22.8%)」の合計は53.6%となり、半数以上が賞与額に納得していないことが明らかになった。

また、直近の自身の評価に納得感があるかとの質問では「あまりそう思わない(31.7%)」が最も多く「そう思わない(25.9%)」と合わせると、57.6%が評価に納得していないことがわかる。

本調査では「賞与への納得感」と「評価への納得感」の相関係数を算出(※)しており、0.765と強い相関関係があることから、賞与への納得感が低い人は、評価への納得感も低い傾向にあるとの見解が示された。

※ 2種類のデータ間の関連性(相関関係)の強さを示す指標で「1」に近いほど相関関係は強くなり、一般的に「0.7」以上は「強い相関関係がある」と判断されている

評価への納得感がない理由「評価基準の不明瞭さ」「フィードバックの欠如」

評価への納得感がない理由「評価基準の不明瞭さ」「フィードバックの欠如」

続いて本調査は、賞与と評価への納得感がない理由をそれぞれ質問。賞与については金額への不満のほか「賞与額の計算方法の周知がされていない」など、算定基準が不明瞭なため自身の成績が金額に反映されていないように感じるという回答が目立ったという。

また、評価への納得感については、フィードバックの有無や評価基準の不明瞭さ、年功序列制への不満があげられた。

本調査では、評価に納得ができた場合に仕事への満足度がどう変化するかも調査。「高まる(22.7%)」と「やや高まる(33.0%)」を合計すると、55.7%が「満足度は高まる」と考えていることが明らかになった。賞与と評価の納得感に強い相関関係がみられていることから、双方の納得感が得られれば従業員の仕事への満足感を高めることができるだろう。

まとめ

本調査結果からは、賞与額に不満を抱く人が半数以上に及ぶこと、金銭に関することは転職理由になりやすいことが明らかになった。

キャリアリサーチラボ研究員の朝比奈あかり氏は「企業が従業員の納得感を高めるためには、賞与金額を増やすことが理想的ですが、それが難しい場合でも、賞与額や評価に対する丁寧な説明機会を設けたり、評価制度をより公平・公正だと感じられるよう改善したりすることが効果的だと考えられます」とコメントしている。

従業員の納得感を高められるよう、現状の制度や従業員への周知方法などについて、改めて見直す機会としてみてはいかがだろうか。