新卒採用担当者が必要性を感じているのは「大学1・2年生との接点づくり」 ベネッセ i-キャリア調査
株式会社ベネッセホールディングスとパーソルキャリア株式会社の合弁会社である株式会社ベネッセ i-キャリア(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:乾史憲)が、企業の中で大学生の新卒採用担当者、及び同業務に従事する現場担当者に「『大学1,2年生向けのキャリア形成』に関する企業担当者の意識・実態調査」を実施した。ここでは調査結果の概要をお伝えする。
インターンシップの在り方が変更されたことを受けて
同社は本調査実施に至った背景に、2022年6月に、文部科学省・厚生労働省・経済産業省の合意による「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方(三省合意)」の改正が行われた(※1)ことがあるとしている。本改正では大学生等のキャリア形成支援に関する取り組みが、実施期間5日間未満の「オープンカンパニー※2(タイプ1)」「キャリア教育※3(タイプ2)」と、実施期間5日間以上の「汎用的能力・専門活用型インターンシップ(タイプ3)」「高度専門型インターンシップ(タイプ4)」の4つに類型化された。
こうした変化を受け、学生の主体的なキャリア形成を支援するため、産学が協働しながら低学年の段階から各種施策への参加を推進していく状況になっているという。大学1、2年生向けの取り組みは、上記のタイプ1、タイプ2に含まれるため、本調査においてはこの2つのタイプに焦点を充て、学生を受け入れる企業側がどのような意識を持ち、行動しているかについて調査している。
※1 出典元:現大学2年生より、インターンシップのあり方が変わります!~「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」を改正しました~(2022年6月/経済産業省)
※2 企業や仕事について知る機会提供。会社説明会、社員との交流会など
※3 自らのキャリア観を考える機会提供。業種や職種の理解促進、自己分析やキャリア観醸成をサポートするイベントやセミナー、おしごと体験など
調査概要
調査期間:2024年7月3日~7月6日
調査対象:大学生の新卒採用に従事していている企業担当者
社員数3000人以上の企業担当者(79.8%)/社員数3000人未満の企業担当者(20.2%)
調査方法:Webアンケート回答方式
有効回答数:516人
出典元:【「大学1,2年生向けのキャリア形成」に関する企業担当者の意識・実態調査】(株式会社ベネッセ i-キャリア)
※1 調査結果の各図表の割合は小数第2位を四捨五入しているため、合計値が100%にならないものがある
キャリア形成に関する意識・施策実施について
本調査ではまずはじめに「大学1,2年生との接点づくりの必要性と理由」について質問。その結果「必要性を大いに感じる(36.4%)」「必要性をやや感じる(39.7%)」と、合計76.1%がその必要性を感じていることが明らかになった。
理由の上位には「就活本番期前に大学生の自社認知度を高めたい(68.4%)」「就活本番期前に大学生の自業界認知度を高めたい(55.7%)」「自社にフィットする人材を早期に見つけたい(51.9%)」が並んでいる。
タイプ別の実施状況を見ると「タイプ1:オープンカンパニー」が45.1%で「タイプ2:キャリア教育」が41.4%であった。また実施施策において「成果がある」と回答したのは66.3%であることが明らかになっている。
また、具体的な実施(予定)施策内容について「タイプ1:オープンカンパニー」では「会社説明会(83.0%)」が「タイプ2:キャリア教育」では「学生の自己分析をサポートするイベントやセミナー(36.4%)」がそれぞれトップとなった。なお、具体的な施策内容について回答した人のうち9割は、施策において外部と連携して実施していることも明らかになっている。
施策実施の課題感や悩みとしては「プログラム内容の設計(40.3%)」「運営面(マンパワー不足)(38.8%)」「実施時期、期間の設定(36.0%)」に多くの回答が集まった。
まとめ
本調査からは、大学1・2年生との接点づくりについて多くの採用担当者が必要性を感じていることが明らかになっている。また、施策実施の課題感について「プログラム内容の設計」がトップとなったことから、1・2年生向けの効果的なプログラムを試行錯誤している段階にあるとも推察される。一方で本調査では、7割近くが実施施策に成果があると回答しており、効果的なプログラムを実施できているという企業も少なくないようだ。
就職活動の早期化が進んでいる影響もあり、今後も低学年向けの施策は重要度を増していくと考えられる。より高い効果が得られる施策とするために何が必要か、本調査結果も参考に、改めて社内で検討を進めてみてはいかがだろうか。