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生成AI活用で年間4万時間以上の業務効率化 LIFULLが自社内活用調査結果を発表

2024.10.30

経済産業省が定めるDX認定事業者として、2023年8月から自社内における生成AIの活用を推進している株式会社LIFULL(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:伊東祐司)。同社は2023年10月~2024年3月の半年間の集計(※1)からさらに活用が進行し、2023年10月~2024年9月の1年間において、LIFULL単体従業員の82%が生成AIを活用し、合計41820時間の業務効率化を実現したことを発表した。

※1:LIFULL、生成AIの社内活用により半年間で20,000時間以上の業務時間を創出

調査概要

対象:LIFULL単体従業員(正社員・契約社員)
有効回答数:649名
期間:2024年9月2日~9月9日
形式:アンケート
出典元:LIFULL、生成AIの社内活用を推進し、 年間で約42,000時間の業務時間を創出(株式会社LIFULL)

生成AIの活用状況と活用シーンについて

生成AIの活用状況と活用シーンについて

同社によれば、エンジニア及びデザイナー職においては業務オペレーションに生成AIを組み込む等の効果により、約96%の従業員が生成AIを活用できているという。また、一般的に活用障壁が高いと思われるバックオフィスや営業職においても、84.3%、74.9%と多くの従業員が活用できていることが報告されている。

活用シーンについては前回調査と変わらず「文章・資料の作成/編集/添削(61.3%)」が最も多く、業務時間を創出できている従業員のおよそ6割にあたる326名が活用しているという。また「調査/検索/情報収集/情報の整理/データ分析(47.4%)」「アイデア出し/壁打ち/比較検討(46.1%)」についても活用率が高い状況が継続しているようだ。

同社は生成AIの社内活用により業務時間を創出したことで、目標達成につながるコア業務の比率が前年同期間比で2.9%~5.3%ほど向上していることも報告した。

生成AI活用事例

生成AI活用事例

同社は本調査のレポートと合わせて、社内での生成AI活用の事例も発表している。

そのうちのひとつは、オペレーター業務フローに生成AIを組み込み、半年間で1680時間の業務効率化を実現した事例だ。生成AIを用いて多角的な分析を行い、顧客の優先度を判断する仕組みを構築。また、対応も小さいタスク単位で処理できるように最適化し、チームでの効率的な対応を実現したという。

さらに、お問い合わせ情報や過去の対応履歴を活用し、生成AIでパーソナライズされたメール文面を自動生成する仕組みを構築。生成に必要な情報を絞ることでハルシネーションを防ぎ、修正時間を短縮することに成功したことが報告されている。

ふたつめの事例として挙げられているは、検索エンジンのユーザー意図の分析のために実施された、10万件のキーワード分類だ。同社が提供する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」のサービスにおいて生成AIを用いた検索キーワードの分類を実施し、検索エンジンの最適化を実施。10万件という、従来では分析が難しい分量の分析が可能になったという。

まとめ

生成AIを活用し、1年間で4万時間以上の業務効率化を実現したLIFULL。生成AIの活用が進みづらいとされるバックオフィスや営業職でも8割前後の従業員が活用している点も、大きな特徴ではないだろうか。

自社における生成AIの活用が進んでいない場合、まずどこに障壁があるのかを明らかにする必要がある。その上で、今回の調査結果や活用事例等も参考にしながら、自社でどのように活用を進めていくか改めて検討してみてはいかがだろうか。

また、東京商工会議所は中小企業にに向けて「中小企業のための『生成AI』活用入門ガイド」を第5版まで公開しており、活用に関する知識や利活用法、注意事項などが掲載されている。こちらも合わせて参考にしていただきたい。

中小企業のための「生成AI」活用入門ガイド(東京商工会議所)

変更履歴:本文の一部を変更いたしました(2024年10月31日 13:23)