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働きがいを高める幸せマッチングとは ディップ調査

2024.12.09

ディップ株式会社は、株式会社ビジネスリサーチラボと共同で、パート・アルバイト、派遣、正社員を含む幅広い雇用形態の労働者1万人におよぶ大規模な「幸せマッチング調査(2024)」を実施した。本調査は、2024年5月に閣議決定された「第六次環境基本計画」で「ウェルビーイング/高い生活の質」が環境政策の最上位の目的に置かれたことに注目した両社が実施したもの。両社は物質的な豊かさに対する追求から、心の充足や社会的つながりの重視へと変わりつつある中で、企業はこの変化に対応し、個人と社会全体のウェルビーイングを実現するための施策を展開していくことが求められると指摘。「働く幸せ」について探求すべく、働く人々がどのような幸せを重視し、その幸せがどれほど満たされているのかを深く掘り下げ、さまざまな職種や経験年数に応じて、それぞれが感じる「働く幸せ」の特徴を明らかにした。

調査概要

調査名:幸せマッチング調査(2024)
調査対象:有効回答者10034名
・10代~90代、47都道府県、世帯年収200万円未満~3000万円以上
・95職種、13業種、スポットワーク中/否、副業中/否
・就業形態:アルバイト、パート、派遣社員、契約社員、嘱託社員、正社員
調査期間:2024年8月23日~9月17日
調査方法:インターネット調査
・全223問。内、働く幸せの33要素は、各要素3項目ずつ重視度・充足度ともに1(最低)から5(最高)で評価
出典元:1万人の大規模調査から解明した「働きがいを高める幸せマッチング」とは スポットワークで働く人は仕事への期待度・職場の満足度ともに約10%高い(ディップ株式会社)

「幸せ」を33要素に分解 重視度と充足度を評価・分析

本調査において両社は「何か一つの正しい幸せ」に全員が近づかなければならないというものではなく、人それぞれに異なる「幸せ」があることを前提として掲げている。そのため、日本の研究や諸外国の研究・知見からの107論文、そしてdipが実施したユーザー300人へのヒアリングを網羅的かつ学術的に分析し「働く幸せ」を33の要素に分解。この33の要素それぞれについて、重視度(仕事への期待度)と充足度(今の職場での満足度)の2軸を1〜5点で評価し、分析した内容をまとめた。

両社はこの結果についてグラフを作成。働く幸せの33要素を「仕事への期待度」と「今の職場での満足度」でプロットし、そのエリアを楕円で表現した。各分析結果は、この楕円で示されたプロットエリアと、33要素の平均を表示している。

働き方で違う仕事への期待度と満足度

本調査では「パートタイム労働者」と「正社員」を比較。パートタイム労働者の方が仕事に期待する要素の幅が広いことが判明した。両社はこのことから、パートタイム労働者に対しては、固定観念に基づいたマネジメントや採用では効果的に機能しづらいことが示唆されたと分析している。

また、パートタイム労働者は「負担の少ない働き方」「心身の健康」「ゆとり」を重視する一方で、正社員は「価値創造」「評価や敬意」「リーダーシップ」「キャリアの成功」を重視する傾向があることも明らかになった。この結果をみても、一括りにした同様のマネジメントが適さないと考えられる。

さらに両社は「スポットワーク中か否か」での比較結果についても報告。スポットワークをしている労働者の方が、仕事への期待度と職場での満足度がともに高いという。スポットワークをしていることで「キャリアの成功」「創造性の発揮」「評価や敬意」「好奇心」への満足度が高いことも判明しており、スポットワークを含めて複数の仕事を持つことが、生きがいや働きがいにつながっていると推察される。

まとめ

本調査ではこれまで漠然と捉えられがちだった「働く幸せ」について、本質を解明すべく国内外107の研究論文を検討し、さらにユーザー300人へのヒアリング結果を考慮。仕事への期待度と職場での満足度という2つの軸で定量的に評価する枠組みを構築している。雇用形態に合わせたマネジメントや採用の有効性も示唆されており、今後の人材マネジメントにおいて参考となる調査結果と言えるだろう。

また、調査結果からはスポットワークを取り入れている人の方が、仕事への期待度や満足度が高い傾向にあることが判明。多様な働き方を実現できる環境を提供することの重要性が改めて示されている。自社での実現においてどのような取り組みが必要か、検討する機会としていただきたい。