【2025年育児休業法改正】事業会社経営者の約6割が賛成 明日香調査

株式会社明日香(本社:東京都文京区、代表取締役:萩野吉俗)が運営する保育研究プロジェクト「子ねくとラボ」は、事業会社の経営者107名を対象に【事業会社編】育児介護休業法改正に関する意識調査を実施した。前回の保護者編では8割超が賛成の意向を示した同改正だが、今回は事業会社経営者の意向を探っている。
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調査概要
調査名称:【事業会社編】育児介護休業法改正に関する意識調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2025年3月26日〜同年3月27日
有効回答:事業会社の経営者107名
出典元:子ねくとラボ(株式会社明日香)
※合計を100%とするため、一部の数値について端数の処理を行っており、実際の計算値とは若干の差異が生じる場合がある
2025年の育児介護休業法改正 認知度は低いものの約6割が賛成

本調査ではまずはじめに「Q1.あなたは、2025年4月・10月に施行予定の「育児介護休業法改正」について、知っていますか。」と質問。保護者編では約6割が認識していた同改正。しかし経営者の回答は「内容まで詳しく知っている(10.3%)」「概要は知っている(14.0%)」となり、3割にも満たないという結果であった。
一方で「Q2.2025年4月・10月に施行予定の「育児介護休業法改正」の賛否を教えてください。」との質問には「賛成(20.6%)」「やや賛成(36.5%)」と、約6割が賛成の意向を示している。
賛成の理由としては「従業員の満足度向上につながると思うから(63.9%)」「働き方改革の推進に役立つと思うから(49.2%)」などが多いようだ。
逆に反対する理由として「企業側の負担が大きいと感じるから(63.2%)」「人員配置や業務分担の調整が難しくなると思うから(57.9%)」「コスト面での負担が大きくなると思うから(47.4%)」といった声も寄せられていることが明らかになった。
約4割が「始業時刻等の変更、フレックスタイム制」を導入検討

続いて本調査では「Q7.法改正により、事業主は3歳~小学校入学前の子を養育する労働者向けに、以下の5つの措置から2つ以上を選択して導入することが義務付けられます。貴社が導入を検討している(もしくはすでに導入している)措置を2つまで教えてください。(2つまで選択)」と質問。回答の上位には「始業時刻等の変更、フレックスタイム制(39.3%)」「短時間勤務制度(29.0%)」「テレワーク等(10日以上/月)(25.2%)」が並んだという。
また「Q8.5つの措置の中でも「保育施設の設置運営等」について、あなたの会社での導入状況や検討状況を教えてください。」との質問には「検討したことがない(60.7%)」「導入は現実的に難しいと考えている(16.8%)」と、消極的な回答が多く寄せられた。
その理由として「利用者となる従業員数が少ないと予想されるから(77.8%)」「施設設置のためのスペースの確保が難しいから(61.1%)」「保育士など専門人材の確保が難しいと思うから(50.0%)」といった声が多いようだ。
なお「Q10.今回の法改正を受けて、あなたの会社で従業員の育児と仕事の両立支援のために力を入れたいと考えている取り組みを教えてください。(複数回答)」との質問には「柔軟な勤務時間制度の導入・拡充(43.0%)」「テレワーク・リモートワークの推進(23.4%)」「育児関連の休暇制度の充実(18.7%)」などの回答が多く寄せられている。
まとめ
本調査では育児介護休業法改正に半数を超える経営者が賛成しているものの、その内容については十分に認知されていないことが明らかになった。保護者編での認知度とも大きく差があり、現場と経営層の温度差が感じられる。
一方で「始業時刻等の変更、フレックスタイム制」「短時間勤務制度」の導入や「柔軟な勤務時間制度の導入・拡充」に注力したいとの声も多く、取り組みそのものに消極的というわけではなさそうだ。
法改正については改めて担当者をはじめ経営層がよく理解し、その目的をより効果的に達成できる支援策について検討を進める必要があるだろう。また、実際に制度を利用する従業員の声に耳を傾けることも重要となるはずだ。本質的な支援を実現することが、企業と従業員、双方に得られる効果を最大化することにつながるだろう。
参考:育児・介護休業法について(厚生労働省)