「以前より自分の業務量が増えた」と感じる管理職が約6割 EVeM調査

マネージャーイネーブルメントサービスを提供する株式会社EVeM(本社:東京都新宿区 代表:長村禎庸)は、全国の管理職・中間管理職1210名を対象に調査を実施。管理職は複雑化する業務や人材マネジメントの難しさから「割に合わない役回り」と語られることも少なくないとして、その実態を明らかにした。
調査概要
調査期間:2025年03月21日~2025年03月28日
調査対象:全国の管理職および中間管理職(係長・主任クラス含む)
調査方法:インターネットリサーチ
回答数:1210人
調査機関:EVeM
出典元:【調査結果公開】管理職のリアルな声に迫る「管理職の実態調査2025」を公開しました(株式会社EVeM)
約6割が実感する「業務過多」 改善には期待できず

本調査では「日々の自分の業務量をどう感じていますか」との質問に「多い」「非常に多い」と回答した人が全体の63.7%となっている。 さらに「以前より自分の業務量が増えた」と感じている人も6割を超えたという。
続く「ご自身の業務量が増えた背景は何だと思われますか」との質問には「人手不足である(58.1%)」「業務の種類が増えている(48.6%)」「働き方に制約のあるメンバーが増えている(25.2%)」といった回答が上位に。
さらに 「今後、業務量が見直されることは期待できそうですか」という質問には「期待できない」「わからない」と回答した人が81.8%と大多数を占めている。
悩みの多くが「人」にまつわること 組織に望むことは?

次に本調査では「管理職としてのお悩みは何でしょうか」と質問。最多は「業務過多である(27.9%)」となったが「部下がなかなか育たない(27.7%)」「部下との人間関係(19.6%)」「上司との人間関係(16.4%)」など、人にまつわる悩みが多数挙げられたという。
同社は自由記述に以下のような声が寄せられたことも報告している。
・部下の仕事が遅くこちらの指示が悪いのかと悩んだこと(男性38歳)
・スタッフのモチベーションをアップすること(女性45歳)
・業務量が増大しているのに、人手不足で十分なシフトが組めない(男性54歳)
・上層部と部下の意見の板挟みにあうこと。解決策がなかなか見つからずに苦労した(男性33歳)
・育児休業をとる社員が増えたこと。それに対し目標はへらされないこと(男性56歳)
また、こうした自由記述をもとにしたテキストマイニングでは「人材育成」「人間関係」「部下の育成」「トラブル処理」など、人間関係の負荷に関するキーワードが多数抽出されたことも明らかになっている。
なお「自身の所属する組織(会社など)に望むことは何でしょうか」という質問には「報酬をあげてほしい(50.1%)」「業務量を適正化してほしい(36.2%)」「人材に投資してほしい(35.5%)」との回答が上位にランクインしている。
まとめ
管理職の多くが業務量の多さと人間関係に関することを悩みとして挙げていることがわかった。人手不足が深刻化していることに加え、働き方は多様化が進み、マネジメントの難易度が高まっている中で、管理職へのフォローが不十分な可能性がうかがえる。
本調査では多くの管理者は改善に期待できないと回答しており、管理職のモチベーション低下や離職意向の高まりを招きかねない。こうした状況において、まずは業務過多の状況を改善することが重要だろう。
管理職が生き生きと働ける環境を整備することは、マネジメントの質の向上につながるだけでなく、後進の育成にもいい影響が期待できる。自社の管理職層の働き方や業務量を改めて見直し、改善に取り組んでみてはいかがだろうか。