「ナフサ不足」国内製造業の3割 「調達リスク」の可能性 TDB調査
株式会社帝国データバンク(以下:TDB)は、保有する企業データベースのうち、ナフサ由来の川上・川中製品(基礎化学製品)を製造する主要な石油化学製品メーカー52社から「直接」製品等の仕入れを行う企業(一次取引先)、一次取引先から「間接的に」仕入れを行う企業(二次取引先)までのサプライチェーン上にいる「製造業」について調査・分析を実施した。
調査について
本調査における「直接取引企業」とは、帝国データバンクの調査報告書データ(約200万社)から判明した「頂点企業と取引を直接行う企業」を指す。重複企業、または特定不明の企業は分析から除いている。
「二次取引企業」とは、直接取引企業と取引関係にある企業。なお、取引関係の有無は各調査時点の情報に基づく。
出典元:「ナフサ関連製品」サプライチェーン動向分析調査(株式会社帝国データバンク)
ナフサ不足で国内製造業の3割が「調達リスク」の可能性
中東情勢の緊迫化で、原油から精製されるナフサ(粗製ガソリン)の供給・調達への不安が強まっている。ナフサは、エチレンやプロピレンなどの基礎化学品、合成樹脂などの中間材料を経て、最終製品である電気製品や自動車部品、衣料品、医薬品などとなり、幅広い産業におけるサプライチェーンの上流を支えている重要な原材料だ。
ナフサやナフサ由来製品の供給制限や価格高騰は、川下に位置する多くの製造業に影響が及びやすい。そのため、価格転嫁が難しい中小製造業でコスト増による収益性の悪化や、事業継続への影響が深刻化する恐れがある。
TDBによると、主要な化学製品メーカー52社からの原料調達などで取引関係を有する直接取引(一次取引)と、問屋や商社経由の調達に加え、一次加工企業から部材・部品等を調達・加工(二次取引)の商流が判明した製造業は、全国に4万6741社。集計対象とした全製造業(約15万社)のうち、約3割に相当する企業でナフサ関連製品の調達リスクに直面する可能性があることが示された。三次取引以降の流通や、最終製品を通じた小売現場も含めると、より広範囲の企業に影響が及ぶ可能性もあるという。
まとめ
政府は中東情勢の影響によるナフサの供給不安に対して「日本全体として必要な量を確保できている」と4月14日時点で説明している。流通の目詰まり解消で事態の打開を図る方針だが、TDBは短期的な解決は難航すると予想している。
コスト管理はもちろん調達先の分散や在庫戦略、価格転嫁の設計など、サプライチェーン全体を見据えたリスクマネジメントに取り組む必要があるだろう。データの可視化を始め、迅速な経営判断のための準備を進めておきたい。









