「原油価格高騰」長期化の場合「価格転嫁」6割の企業 TSR調査
株式会社東京商工リサーチ(以下:TSR)は、2026年4月「原油高」に関するアンケート調査を実施した。
調査概要
調査期間:2026年3月31日~4月7日
調査方法:インターネットによるアンケート調査
有効回答:6227社
出典元:原油高騰長期化で6割の企業が価格転嫁へ 100ドル超が続くと、経常利益は赤字の試算も(株式会社東京商工リサーチ)
※資本金1億円以上を大企業、1億円未満(資本金がない法人・個人企業を含む)を中小企業と定義
原油価格100ドル以上のコスト上昇率 中央値は20.0%
本調査では、原油価格が1バレル100ドルを超える状況が続いた場合、4月分のコストが前年と比べ、どの程度上昇するか質問。
2837社のうち18.2%(517社)が「20%以上25%未満」と回答。し次いで「10%以上15%未満:16.6%(472社)」「30%以上35%未満:16.4%(466社)」が続いた。
「20%以上」と回答した企業は「中小企業:58.4%(2697社中、1576社)」「大企業:58.5%(140社中、82社)」ともに半数を超えている。
産業別「20%以上」最大は建設業の70.7%
次に、産業別の構成比について報告。コスト上昇率「20%以上」と回答したのは「建設業:70.7%(475社中、336社)」が唯一、7割超えに。次いで「運輸業:68.0%(150社中、102社)」「農・林・漁・鉱業:65.78%(38社中、25社)」「製造業:65.70%(726社中、477社)」が続いている。
一方「上昇なし」では「情報通信業:34.0%(138社中、47社)」「金融・保険業:24.0%(25社中、6社)」で高い傾向がみられた。
6割超の企業が「長期化に価格転嫁で対応」
さらに、総コスト全体に占める燃料費の構成比を質問。最大は「5%以上6%未満:20.2%(3457社中、700社)」だった。次いで「10%以上15%未満:19.6%(679社)」「1%以上2%未満:11.2%(390社)」が続いている。
また、原油高騰が長期化した場合の対応については「商品やサービスの値上げを行う:61.8%(3852社)」が最多に。「コスト削減で対応する:37.8%(2355社)」「現状維持で対応をしない:18.7%(1170社)」と比べ、突出している。
まとめ
原油高の長期化を受け、6割の企業が価格転嫁を進める意向を示していることから、エネルギーコスト上昇はもはや企業努力だけで吸収できる段階を超えていると考えられる。原油価格が100ドル超で推移した場合、経常利益が赤字に転落するとの試算もあり、収益構造そのものを揺るがすリスクが顕在化している。
「どこまで転嫁できるか」だけでなく「転嫁しなければ維持できない水準」を可視化することが重要となるだろう。燃料費・物流費の変動を踏まえた原価管理の精度を高め、価格改定の判断基準のシミュレーションが急務といえる。
取引先との価格協議を前提とした資料整備や、エネルギー依存度の低減(省エネ投資・調達見直し)も並行して検討する必要も出てくるだろう。持続可能な価格水準の設計を準備しておきたい。









