BCP担当者の8割が台風・風水害を「重大なリスク」と認識も「策定済み」は約4割 JX通信社調査
株式会社JX通信社(東京都千代田区、代表取締役:米重克洋)は、国内企業で事業継続計画(BCP)関連業務に携わる508名を対象に「台風・風水害に対する企業の防災意識と対策に関する調査」を実施。災害リスクへの意識が高まっている。一方で、実際の行動につなげるための基準整備に、課題が残る実態が明らかになった。
調査概要
調査名称:台風・風水害に対する企業の防災意識と対策に関する調査
調査対象:国内の企業で事業継続計画(BCP)関連業務に関係している方
調査方法:インターネット調査
調査期間:2026年7月18日〜7月20日
有効回答数:508件
出典元:台風・風水害は「重大なリスク」が8割も、 対応の判断基準「策定済み」の企業は4割に留まる =BCP担当者調査(株式会社JX通信社)
「台風・風水害は重大なリスク」と8割超の企業が認識
本調査では、台風・風水害を事業継続上の「重大なリスク」と評価する企業は83.1%に上った。浸水想定区域など水害リスクの高い立地では93.9%と9割を超えたほか、内陸や高台などその他の地域でも72.7%に。立地にかかわらず台風・風水害を重大な経営リスクと捉える企業が多いことが明らかになった。
一方、意思決定の基準を策定している企業は、水害リスクの高い地域でも56.1%にとどまっている。台風や豪雨による被害が特定の地域に限られないなか、リスクを認識していても、具体的な対応方針の整備までは進んでいない企業が少なくないようだ。
判断基準の重要性は8割超、完全策定は約4割に
自社独自の意思決定基準について「重要」「非常に重要」と回答した企業は87.4%に達している。
特に、前日までの出社・帰宅抑制に関する判断基準では、80.9%が重要性を認識しているのに対し、完全に策定済みと回答した企業は41.1%。重要性の認識と実際の基準整備には約40ポイントの差が生じている。
対策が進まない理由では「突発的な豪雨(線状降水帯)の予測の難しさ」が38.6%で最多となったほか「自社拠点に特化した気象情報の収集・基準設定のノウハウ不足(32.9%)」「空振りへの懸念(30.9%)」が3割台で挙げられている。
求められるのは「情報」と空振りを恐れない判断基準
今後の対策について外部からの支援を求める企業では「線状降水帯などの突発的な豪雨に関する高精度な予測情報(43.9%)」が最多だった。次いで「“空振りを恐れない”ためのBCP判断基準の策定支援(42.5%)」「局所的な冠水・道路寸断などをリアルタイムで把握できる情報(38.8%)」が続いている。
特に「空振り」を懸念する企業では、局所的な被害をリアルタイムで把握できる情報へのニーズが52.9%まで高まったという。予測が難しい突発的な豪雨に対し、情報を収集してから判断するのではなく、あらかじめ自社の行動基準を定めておくことが、迅速な初動対応につながると考えられる。
まとめ
本調査では、防災意識そのものは高まっているものの「どの情報を基に、誰が、いつ、どのような判断をするのか」という具体的な行動ルールへの落とし込みが十分ではない実態が浮かび上がった。
台風や線状降水帯による豪雨は、発生場所や被害範囲を正確に予測することが難しく、実際の状況を見てから対応を決めようとすると、従業員の出社抑制や帰宅判断が後手に回る可能性がある。BCP担当者には、気象情報を収集するだけでなく、自社拠点の立地や従業員の通勤経路などを踏まえ「警報が発令されたら」「一定の降水量が予測されたら」など、具体的なトリガーと対応を事前に決めておくことが求められる。
8月から10月頃にかけては台風・風水害への警戒が特に必要な時期でもある。被害が発生してから判断に迷うことのないよう、出社・帰宅抑制や在宅勤務への切り替え、安否確認について今一度、確認しておきたい。従業員の安全確保と、事業継続を両立できるBCP策定が求められる。













