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2024年度「赤字法人率」過去最小の64.1% TSR調査

2026.05.11

株式会社東京商工リサーチ(以下:TSR)は、国税庁公表の「国税庁統計法人税表」のデータを元に、赤字法人率を算出。産業別・都道府県別の集計結果を報告した。

赤字法人率は過去最小を更新

赤字法人率は過去最小を更新

TSRによると、2024年度の赤字法人(欠損法人)は194万2108社で、普通法人(302万5599社)に対する赤字法人率は64.18%に。年度集計に変更された2007年度以降、2023年度の64.73%を0.55ポイント下回っており、最小を更新した。

赤字法人率は、リーマン・ショック後の2010年度に75.78%まで上昇し、ワーストを記録。その後、2019年度まで9年連続で低下し、2020年度はコロナ禍の深刻な影響で10年ぶりに赤字法人率が上昇した。その後は、持続化給付金や雇用調整助成金などの支援、業績回復などで低下が続いている。

なお、普通法人数は2023年度の298万2191社から1.45%増加。赤字法人数としては前年度(同193万650社)から0.59%増え、5年連続で増加している。

産業別ワーストは「小売業」 都道府県別の最小は「新潟県」

産業別ワーストは「小売業」 都道府県別の最小は「新潟県」

産業別では、小売業の70.34%がワーストで、最小は不動産業の56.92%。小売業と最小の不動産業の差は、2023年度は13.20ポイントだったが、2024年度は13.42ポイントに拡大している。

また、都道府県別の集計結果を見ると、34都道府県で赤字法人率が前年度より改善、13県で悪化したことがわかる。改善幅の最大は石川県(63.21→61.90%)で、前年度から1.31ポイント改善した。

都道府県別の最小は3年連続で最小だった佐賀県を抜き、新潟県の61.72%に。一方、徳島県は70.82%で18年連続ワーストで、四国はワースト5位までに高知県を除く3県が入るなど、地域の二極化が進んでいることがうかがえる。

出典元:最新(2024年度)「赤字法人率」、過去最小の64.1% ワーストは18年連続の徳島県、最小は新潟県の61.7%(株式会社東京商工リサーチ)
※国税庁公表の「国税庁統計法人税表」のデータを元に、普通法人を対象に「赤字(欠損)法人数÷普通申告法人数」×100で赤字法人率を算出
※普通法人は会社等(株式会社、合名会社、合資会社、合同会社、協業組合、特定目的会社、相互会社)、企業組合、医療法人などを含む

まとめ

赤字法人率は過去最小となったものの、依然として約6割の企業が赤字という、厳しい経営環境が続いている実態が明らかとなった。特に法人数の増加と赤字法人数の増加が同時に進んでいる点は、企業数の拡大と収益性の確保が必ずしも一致していないことを示している。

また、産業別・地域別での格差が広がっている点も見逃せない。小売業の高い赤字率や地域ごとの二極化は、外部環境の影響を受けやすい業種・エリアほど経営の不安定さが残っていることを示唆している。

このような現状を見据えた、コスト管理や資金繰りの精緻化に加え、データに基づく収益構造の見直しを進めることが重要といえるだろう。