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パラレルワーカーが考える 「企業が知っておくべき『複業』の概念」 ~これから副業を始める、すべての企業人へ~

2021.05.17

 働き方の多様化が進んでいくにつれ、企業としても個人としても向き合う機会が増加している「副業/複業」。「大企業の正社員だから安心」「新卒で入社した会社で勤めあげて定年」、という考え方が当たり前ではなくなってきている昨今ですが、実は2000年代前半頃から「自分商店(自分株式会社・アイカンパニー)」という考え方がありました。これは、自分のスキルを分析・陳列し、小売する、という考え方です。自分の商品(スキル)を知ったうえでどう並べ、どう販売するかを考える必要があります。前回は実際に複業をしている人材・パラレルワーカーがどのようなことを考え、働いているかという具体的な事例に言及しました。今回は「これから副業を考えている人」「副業を始めたい企業人」が、自身のスキルを踏まえてどのようなことに気を付けるべきかお話します。

副業を考える人のはじめの一歩を考える

Photo by yansuKIM
Photo by yansuKIM

 「副業を始めたいがやりたいことが無い」「危機感はあるが何から始めたらいいかわからない」。私がそんな人におすすめしたい方法は2つあります。

 1つ目は、今会社でやっている業務を、フィールドを変えて取り組むことはできないか検討することです。私の場合だと「コミュニティ運営」がこれに当たります。他の会社で同じこと、例えばコミュニティづくりやイベントができないか、場面を変えたらできないか、と考えます。会社の経理を担当している人であれば経理の経験を、総務や人事であればその経験を別の会社で、という考え方です。

 ただ、自分の今やっている業務にやりがいを感じていない、好きではない、向いていないと感じている、という人は副業でまで同じことをやりたくない、と思いますよね。このような人は、2つ目として、自分が「できそうだと思う」「やってみたい」「ちょっと興味がある」ということにチャレンジするのをお勧めします。「一生続けたい」「極めたい」というほどの思い入れは不要です。まずは仕事と違うことに触れ、違う景色を見てみる、ということが目的となります。

 この2つともどうしてもしっくりこない、という場合は、もしかしたら自分の認識が世間とちょっとだけズレているのかもしれません。一旦、周囲に自分の「良いところ・強み」を聞いてみると良いでしょう。自分では意識せずにできていることでも、周囲から見ると他人より優れているところが見えてくる場合があります。この「良いところ・強み」を探す際、業界で上位、などというほど飛びぬけている必要は全くありません。クラスで1番、つまり20-30人いたらその中では1番、という程度の温度感が丁度良いでしょう。

まずは1円で良いから副業で稼いでみる

 次に、自分がやってみたい・やろうと思うことが定まった人や「このスキルを売ってみたい」という明確なビジョンがある人についてです。いろいろと思うことはあるかもしれませんが、まず1歩踏み出し、動いてみてほしいと思います。なにかを始める際は、つい綿密な計画や準備をしなければならないと思いがちですが、頑張りすぎると動きがどんどん遅くなってしまいます。「大きく稼がなければ」「儲けなければ」という意識も同様に初動を遅くしてしまう原因です。前提として思い出してほしいのはあなたが今「副業」を考えている、ということは、本業でとりあえずは食べていけている、ということ。明日のご飯に困っているわけではないのです。副業としての最初の一歩は無料や超少額で知り合いに試してもらう、でも、社会貢献のためにボランティアとしてスキルを活用する、でもかまいません。まずは実績を作り、成功体験を積むことが大切です。実績や小さな成功を経たら、次の段階で少しずつ、最初が無料だった場合は1円でもいいのでお金にしていきましょう。

少額の副業から抜け出せない人に考えてほしいこと

 副業を既に始めている人に多い悩み、それは金額や単価感の問題です。少額・廉価の仕事から抜け出せず「時間の割に稼げない」と諦めてしまうケースをよく聞きます。1円で良いから稼いでみよう、とは書きましたが、永遠に1円のままでは自分がすり減っていってしまいます。1円で仕事が取れたのであれば、次は100円、100円で取れたのであれば次は1000円、1万円とどんどん仕事の単価を上げていくようにしましょう。ここで意識してほしいのは、1万円の仕事で10万円の価値を生む、というように値段以上のクオリティを出していき「お値段以上の価値がある」とクライアントに思ってもらうことです。
 
 この「価値」「値段」というのは副業、そしてフリーランスで仕事をする際に重要なポイントで、自分でも説明できる必要があります。自分の作業内容やスキル、費用対効果を説明できるようになれば、報酬に対する正当性が主張できるようになり、金額の交渉もしやすくなります。クライアントとの認識齟齬も起こりにくくなるでしょう。
 
 また、継続することで積みあがった実績やスキルを可視化するのも大切なことです。自分で営業をする時に役立つのはもちろんなのですが、可能であれば他人が見てもすぐわかる状態になっているのが望ましいです。なぜなら、しっかりとした価値発揮をしたうえで可視化していれば、クライアントや知人がそれを見て周りにクチコミという名の営業をしてくれる状態になります。自分1人で営業するよりも自分の周り10人で営業したほうが入ってくる案件は多くなりますし、個人的な体感としては自分で営業する場合よりも良い案件が入ってくることが多いです。信頼関係を築き上げたクライアントと周囲の信用は、今後の自分のための大きな財産となります。

常に学び続けてスキル(商品)のアップデートを

 これからの世の中について、確信を持って言えることがあります。それは、変化し続けるということです。日進月歩で科学技術が発展し続けている世の中では、昨日まで稼げていた事業がいきなり新技術に取って代わられるということはめずらしくありません。自分ができることを広げ、深め続けること、そして自分の成長に役立ちそうな仕事は価格にとらわれずチャレンジしてみることが、5年後10年後の自分を救う可能性があります。成功者と呼ばれる人を見回してみると、どの人も謙虚に学び続け、学んだ結果や重ねてきた努力が回りまわって返ってきているのがよくわかると思います。
 
 現代は、物が溢れて満たされているため、物からコト、つまり経験・体験が重視されるようになってきました。それに伴い、人々の生き方も変わってきています。日本では、食べていくための仕事は選ばなければ無数にあるかもしれませんが、せっかく1度きりしかない人生を生きていくのであれば「やりたいことをやりたい」と思いませんか?自由に生きる、無限の選択肢を得ることは責任も伴いますが、それも踏まえて自分の人生を選び取って生きていった方がより意義深いものになると私は考えています。

 この記事が、あなたの生き方を選ぶきっかけになれば幸いです。1年間ご愛読いただきありがとうございました。