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【特集】RPA導入で管理部門の手作業を大幅カット!知っておきたいRPA活用のコツと成功事例4選

2019.09.03

 定型業務をこなす担当者の悩みを解決してくれると、近年注目度が高まっているRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)。

 実は人事や経理など、バックオフィス業務のコスト削減や業務効率化にも力を発揮しやすい技術であることをご存じだろうか?

 今回は、導入を検討したい企業に向けて、RPAを効果的に活用するコツと成功事例を紹介する。

目次

●RPAとは
●RPAを効果的に活用するコツ
●RPA導入の効果が高い業務・業種
●RPA導入の成功事例

RPAとは

 RPA=Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、ホワイトカラーの定型業務を自動化するテクノロジーのこと。ルールに則って繰り返される単純作業を、パソコンに備えたロボットが代行してくれる。「ルーティンの単純作業に時間を取られている」「簡単な作業だけど、人的ミスがなかなかなくならない」といった悩みの解決につながる可能性がある。

 混同されやすいAIとの違いや、導入のメリット・デメリットなどは以下で詳しく説明している。
 参考:知っておきたい「RPA」マニュアル!導入メリットや活用場面まとめ

RPAを効果的に活用するコツ

 RPAを効果的に活用するためには、いくつかの押さえておくべきポイントがある。RPAの効果を最大化し、導入を成功させるためのコツ3つを紹介する。

コツ①:目的を明確にする
 RPAを導入することで何をどれだけ改善したいのか、目的を明確にすることも大切だ。目的に対してどれだけの改善効果が見込めるのかをシュミレーションし、その費用対効果によって導入するかどうかを判断する必要がある。

コツ②:RPAの得意な領域を理解する
 RPAが効果を発揮しやすいのは、定型化されている業務や、繰り返し行う手作業の単純業務。一方、状況によって対応やフローが変わるなど、フレキシブルな判断が必要な業務では、RPAが適切な動作を実行できず、十分に効果を発揮できない。

 RPAの特性を理解し、より効果を発揮できる業務を選んで導入することが大切だ。

コツ③:業務を細分化して自動化する
 業務をひとくくりに自動化しようとすると、フローが複雑になってしまいがち。そうした場合、RPAが十分な効果を発揮できないこともあるので、作業を細分化してひとつひとつ自動化を進めると良いだろう。

 まずは、特に時間がかかっている作業や、フローが明確化している作業をRPA化すると、効果を実感しやすい。

RPA導入の効果が高い業務・業種

 では、実際にRPAを導入する効果が高いのはどんな業務なのだろうか?業務の部門別、業界別に紹介する。

RPA導入効果が高い部門
 RPAは毎月ルーティーンで行う業務での効率化効果が高いことから、経理・総務・人事などの部門での導入が進んでいる。請求書作成や買掛金の仕分け、社員からの有給休暇の申請管理、社員のデータ管理など、幅広く活用できる。

RPA導入効果が高い業界
 業界別では、ローンの受付審査などで未だに手作業が多い金融業界での導入率が高いようだ。他にも、取引件数が多く納品書の作成や台帳への入力に手間がかかる製造業界や流通業界では、RPA化による作業時間短縮の効果が出やすいとされる。

RPAの導入の成功事例

 実際にRPAを導入することで、どんな効果があるのだろうか?RPAの成功事例を4つ紹介する。

導入事例①:管理部門に毎日各部門から送られてくる報告メール管理の自動化

《課題》
・担当者が添付データを1通ずつ開いて、必要個所をコピー&ペーストするため、手間がかかっていた。

《効果》
・報告メールのデータ回収と集計を自動化し、担当者の作業時間を大幅に短縮した。
・エラーチェックやリマインドメール送信なども自動化し、ミスや対応漏れの防止につながった。

導入事例②:コールセンター業務における顧客情報検索の自動化

《課題》
・電話問合せに対応する際、複数のアプリケーションを同時に立ち上げながら顧客の情報を探し出す必要があり、時間がかかっていた。
・情報入力画面が複雑でリアルタイムでの入力が困難なため、手書きでメモを取り、電話終了後に入力をするという二重作業が発生していた。

《効果》
・顧客情報の抽出自動化により、オペレーターが1つの画面のみに集中して顧客対応や情報入力ができるようになったことで、1件あたりの対応時間短縮につながった。

導入事例③:金融業における、ローン受付審査業務の自動化

《課題》
・ローン受付審査の際の情報入力事項が複雑だったため、処理に時間がかかっていた。
・入力ミスや漏れも発生していた。

《効果》
・最適な入力画面が自動表示され、必須項目のみに集中できるようになったことで入力時間が短縮。
・入力不備のチェックも自動化し、審査処理のスピードを約3割短縮することに成功した。

導入事例④:製造業における受発注データの入力や納品書のPDF変換を自動化

《課題》
・取引量が多いため、受発注データの入力や納品書の作成を行う担当者の作業負荷が大きくなっていた。

《効果》
・受発注データの入力や納品書データのPDF変換を自動化し、手作業の大幅削減に成功した。

まとめ

 RPAを効果的に導入することで、これまで手間がかかっていた定型的な業務を自動化してスピードを上げられるだけでなく、人件費の削減やヒューマンエラーによって発生するやり直しを減らす効果も期待できる。

 業務効率化とともに、働き方改革への対応も進めていかなければならない中、導入事例を参考に、自社でのRPA活用を模索してみてはいかがだろうか。


・参考:オフィスのミカタ おすすめ RPA導入支援サービス7選
・参考:RPAツール6選!ロボットによる業務自動化で人件費削減