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契約社員と正社員の違いについて徹底比較!働き方で迷っている人必見

2020.08.21

働き方で迷っている人の多くが、契約社員か正社員か2つの選択肢で迷っているのではないだろうか。正社員の方が安定しており待遇も良いというイメージを持たれがちだが、どちらが合っているかは人それぞれだ。実際、契約社員として働く方が合っている人もいる。この記事では契約社員と正社員の違いについて、メリットやデメリットを織り交ぜながら解説していく。

1.契約社員とは

契約社員は予め雇用期間が定められている非正規雇用の社員である。企業によってその形態は様々で、準社員や嘱託社員、非常勤といった雇用形態で働く社員も含まれている。いずれにしても契約期間が半年や1年と決められており、雇用期間が終わった際に更新しない限りは労働契約が終了する。ちなみに雇用期間や給与、休日などの労働条件は契約内容で定められており、働き始めてから条件を変えて欲しいと訴えても条件は覆らない。そのため求人に応募する際は、面接などで自分の契約内容についてしっかり確認しておく必要がある。契約社員は正社員の補助的な仕事をするイメージを持たれがちだが、実態は違う。正社員と同様の仕事量、業務内容をこなしている契約社員も少なくないのだ。

2.契約社員と正社員の違い

法律的には正社員に明確な定義はない。どのような働き方をする者が正社員に位置づけられるのかは企業によって違う。ただ一般的には、正社員は会社に直接雇用され、会社が定めた労働時間で働き、雇用期間が定められていない労働者を指す。正社員と契約社員の違いと言えば、正社員が雇用期間の定めのない無期雇用、かつフルタイム勤務である事に対して、契約社員は雇用期間が定まっている有期雇用でフルタイム勤務という事になる。

同じ非正規雇用であるパートに比べると、フルタイムで働く契約社員の方が労働時間や日数は多い。比較的責任範囲の広い仕事を任されやすい傾向にあり、収入も高くなる。しかし賞与や退職金などはなく、有給休暇に関しては労働基準法で定められているものの、傷病休暇は設定していない職場も多く、正社員に比べると待遇が劣るのは否めない。つまり条件面を考慮すると正社員としての働き方が安定していると言える。ただ正社員は一度採用すると定年まで働き続ける可能性があるため、内定を受けるにはハードルが高くなる。その点、契約社員は雇用期間が定められており、もし企業が求める人材でなければ契約更新しなければ済む話なので、正社員よりは採用されやすい。

3.契約社員のメリット・デメリット

実際に契約社員となって働く際、どのような魅力や苦労があるのだろうか。ここでは契約社員で働くメリットとデメリットについて紹介する。

3-1.メリット
契約社員は半年や1年と雇用期間が限られているため、契約する時点で自分の業務内容が明確になっている事が多い。つまり自分のスキルや専門知識を活かせる職場であれば、存分に能力を発揮できる。さらに正社員で働くよりも業務範囲が狭いため、仕事のプレッシャーや責任が軽く、自分のペースで働けるのも魅力と言える。また正社員は大半が副業を認められていないが、契約社員は容認している所が多い。やりたい事に挑戦していきたい、もっとスキルを伸ばしていきたいと考えている人にとっては、契約社員の方が身軽で働きやすい。さらに煩わしい人間関係のトラブルに巻き込まれにくいのもメリットの一つだ。職場に合わない人がいたとしても、雇用期間が終わって契約更新しなければ、後腐れなく別の職場に移る事が出来る。

3-2.デメリット
契約社員は原則3年以上の契約期間を設定できない。もし企業の業績が悪化した際は、就業規則や労働契約書で明示した理由により契約更新されない可能性もある。どれだけ居心地が良い職場でも、ずっと働き続けるのは無理という事を覚えておかなければいけない。また雇用期間や業務内容が限定されての契約であるため、簡単な業務や正社員のアシスタント的な作業を任される事もある。キャリアアップを望んでいる場合は、事前にどのような業務内容かをしっかり確認しておいた方が安心だ。ボーナスや退職金、その他の福利厚生制度は基本的に正社員のためのもので、契約社員には用意されていない可能性が高い。どこまで享受できるかは会社によって異なるため、過度に期待し過ぎない事も大切だ。ちなみに契約期間中に昇進や昇給が期待出来ない所が大半だが、契約更新時の交渉次第で見直してくれる所もある。

4.正社員のメリット・デメリット

正社員として働く場合は、どんな魅力や苦労があるのだろうか。ここでは正社員で働く際のメリットとデメリットについて紹介する。

4-1.メリット
正社員は自ら退職するか、または経営悪化によって倒産しない限りは解雇されない。真面目に働き続ける限りは安定した収入が得られ、安心して仕事に取り組める。また正社員は会社側から長期間勤務して会社の業績に貢献していく事を期待されているため、教育研修を受ける機会が多く、仕事の裁量権も広く与えられる。経験を積みスキルを上げていけば昇進のチャンスもあり、それがモチベーションアップにも繋がる。さらに会社独自の福利厚生は正社員のために設けられているもので、通勤手当や住宅手当、社員寮、健康診断補助など利用範囲も広い。賞与や退職金の待遇も良く、契約社員に比べると収入も高くなる。社外においても正社員は社会的信用が高く、例えばクレジットカード作成や住宅ローンを組む際も審査が通りやすく、転職活動する場合も正社員で勤務していた実績が評価に繋がるケースもある。

4-2.デメリット
契約社員をはじめとした他の雇用形態に比べると、正社員は責任を問われる機会が多い。仕事の成果が求められ、将来的には部下の教育も担っていく。転勤や部署異動による配置の変更範囲も広く、会社から命令を受けたなら自分の意思は関係なく、新しい勤務地に出向いて業務を全うしなければならない。また繁忙期やトラブルが起こった際は残業が発生し、休日出勤の可能性もある。もちろん有給休暇の権利はあるが、人手が足りない時はなかなか休みも取りにくい。副業も認められていないため、他の仕事にもチャレンジしたい人にとっては動きづらく、働きにくい雇用形態と言える。

5.無期労働契約とは

2013年に施行された改正労働契約法に続き、2018年に定められたのが無期転換ルールである。通算5年を超えて有期労働契約を繰り返した労働者に無期転換申込権が発生するというもので、労働者が会社に無期契約を希望すると意思表示した場合は、会社は申し出を承諾して無期契約に転換させるという流れになる。そもそも有期労働契約は契約を何度も更新して長年勤めていたとしても、途中で企業側から更新を拒否されれば働けなくなり、常に不安定な雇用形態である。しかし無期労働契約になると契約の雇用期間が定められていないため、契約の打ち切りを気にせず働けるようになるのだ。ただし無期労働契約に転換したからといって正社員と同等の待遇になるとは限らない。雇用期間は限定されなくなるが、給与やボーナス、福利厚生などの待遇は以前と変わらないといったケースもあり得るため、必ず企業側に確認した上で転換を検討しなければいけない。

6.正社員登用制度とは

契約社員やアルバイト、パートなどの非正規雇用から正社員を目指す方法もある。正社員登用制度という制度で、一定期間就労する、試験に合格するなど登用条件は企業によって様々である。働く側からすると、これまでの経験を活かして働く事ができ、雇う側も採用のミスマッチを防げるメリットがある。そのため積極的に正社員登用制度を設けている会社も少なくない。必ずしも希望者が全て正社員に登用される訳ではないが、正社員になりたい思いがあるならば利用する価値はある。

自分のライフスタイルに合った働き方をしよう

契約社員と正社員、それぞれの働き方の違いが理解出来ただろうか。両方にメリット・デメリットがあるため、まずは働き方をよく知った上で、自分がどんな働き方を望んでいるのか、求めているものは何かを確認し、自分に最適な雇用形態を模索していく事が大切だ。また例え契約社員として働き始めても、途中で正社員に登用されるチャンスはある。その時の状況に応じて働き方を変えるという方法も選択肢の一つになる。

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