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入金消込とは? 課題やシステム化について詳しく解説

2020.11.18

 商品やサービスの代金が入金された際に行う「入金消込」処理。重要度が高く企業の信用問題にも直結する業務であることから、正確かつスピーディーに処理を行いたいと考える担当者もいるのではないだろうか。

 今回は、入金消込の詳細やシステム化に向けての課題、入金消込処理の自動化などに利用できるおすすめサービスを紹介する。入金消込の仕組みや課題点を理解しつつサービスをうまく利用することで、経理業務の効率化を図ろう。

目次

●入金消込とは
●システム化の難しさ、課題など
●おすすめサービス
●まとめ

入金消込とは

 入金消込とは、入金見込みであった金額が実際に支払われた際に行う、帳簿上の処理を指す。まずは入金消込の仕組みや、入金消込の処理を手作業で行うことの課題点を見ていこう。

入金消込の仕組み
 取引先との間で注文と入金のタイミングがずれる場合、企業はまず入金予定の金額を「売掛金」として帳簿に記載し、管理する。取引先が入金した段階で請求額と入金額に差異がないかを確認し、問題がなければ「当座預金」「現金」など入金方法を示した上で入金額を帳簿に記載、売掛金としてのデータを消去する。この入金確認とデータの削除を「入金消込」という。請求額と入金額に差異があった場合や入金が確認できない場合には、取引先への確認や督促が必要となる。

手作業で処理を行うことの課題点
 入金消込の処理は、Excelなどで作成した帳簿と企業の銀行通帳(インターネットバンキングを含む)を照らし合わせ、手作業で行うことが一般的とされている。しかしながら手作業での確認作業は入力ミスや記載ミスの恐れがあり、データ量が多くなるほどそのリスクが上がること、正確な確認作業に時間を要することが課題と言えるだろう。

 取引先から入金が行われているにも関わらず督促をしてしまうと、企業の信用問題に発展する可能性もある。入金消込は経理業務の中でも経験や技術が必要なためベテラン層が継続して担当する企業も多く、属人化しやすいことも懸念視されている。

システム化の難しさ、課題など

 入金消込は手作業での処理に対する懸念点が挙げられる一方で、システム化がなかなか進まない傾向にある。入金消込の処理は、システム化する上でどのような課題があるのだろうか。

作業の定型化が難しい
 まず、入金は支払い側の都合に合わせる場合が多いため、作業の定型化が難しいことが挙げられる。例えば、前月分の支払いが「翌月末日」「翌々月10日」「翌々月末日」など期日が異なるケースや、「半分現金・半分手形」「振込外」「相殺」など支払い方法が複雑化するケースが考えられるだろう。

 また、請求名義と振込名義が違う、複数の請求書を合算して支払われる、請求金額と入金金額が違うなどのケースが発生することもあり、これらを柔軟にカバーできるシステムを構築することが難しいとされている。

運用ルールがフィットしない場合がある
 システムを導入した場合でも、取引先によっては運用ルールがフィットしないことが考えられる。特に海外企業とのやり取りや海外製のERP(基幹系情報システム)の利用は、日本の商習慣に合わせづらい可能性もある。

 自社においてそれらを網羅したシステムを構築できることが最善ではあるが、膨大な開発コストと作業に要する時間、導入後のメンテナンスやシステム改修を考慮すると、現実的でないと言えるだろう。

おすすめサービス

V-ONEクラウド
 V-ONEクラウドは、入金消込・売掛金管理を機会学習によって自動化するクラウドサービスシリーズだ。現在使用している販売管理システムや会計システムと連携が可能な他、金融機関と連動して入金情報を自動取得することもできる。シリーズには入金消込と債権管理に特化した「Victory-ONE/G4」、BtoC企業向けで決済明細の消込に特化した「Victory-ONE【決済管理】」、出荷・検収データの明細照合に特化した「Victory-ONE【検収照合】」があるため、自社にあったサービスを選択することが可能だ。

請求管理ロボ
 請求管理ロボは、最短10分で入金確認作業が行える自動入金消込システムだ。金融機関と連動して毎日自動で入金消込を行い、クラウド上で入金情報の確認、売掛金や入金の集約をすることができる。取引先ごと、注文ごとに個別の口座番号を割り振るバーチャル口座決済を採用しており、精度の高い処理を行うことが可能だ。銀行振込消込、クレジットカード消込、口座振替消込など、多彩な決済手段にも対応している。決済手段を組み合わせている場合や複数口座を利用している場合など、入金の経路を問わずダッシュボード上で可視化が行える。

クラウド会計ソフトfreee
 クラウド会計ソフトfreeeは、請求書と連動した売掛金処理と消込を行うことで入金管理を簡易化する会計ソフトだ。インターネットバンキングを利用すると請求書と銀行明細が連動し、消込作業を簡単に行うことができる。自動で集計されるレポート機能では、取引先ごとの売掛金をグラフで確認することが可能だ。入金消込機能の他、銀行やクレジットカードの明細を自動取得し会計帳簿を作成する機能、アプリで撮影した請求書や領収書のデータを取り込み、経理処理に必要な情報を自動で補完する機能も搭載されている。

債権奉行クラウド
 債権奉行クラウドは、自動学習やデータ連携により入金の突合や消込を自動化するクラウド管理システムだ。口座番号や振込依頼人名などの情報を元に自動的に入金元を判定する機能が搭載されているため、入金元の確認作業が不要となる。入金消込が自動で行われるだけでなく、加入金や消費税差額等にも細やかに対応することが可能だ。請求は子会社に行い親会社から入金するといった、グループ企業特有の取引形態にも対応している。

まとめ

 単純作業でありながら複雑なケースが多々ある「入金消込」の業務。企業の売上や信用問題に直結することから丁寧で正確な作業が求められる一方で、手作業での記載ミスや属人化が課題となっている。手作業のミスを防ぎ業務の効率化を図るためにも、さまざまなケースを想定した上で自社にあったシステムサービスを比較・検討してみてはいかがだろうか。

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