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AIを用いたBoxサービスの最前線! コンテンツ一元管理とセキュリティーの両立

2024.04.24
オフィスのミカタ編集部

米国発のクラウドストレージなどを提供する大手IT企業のBox, inc.(以下:Box)。その日本法人である株式会社Box Japan(本社:東京都千代田区)が2024年4月17日、2025年度(2024年2月1日~2025年1月31日)の事業戦略に関する記者説明会を開催。説明会では、AIを用いたBoxサービスの最前線、日本市場の重要性、そして実際に業務を改善した導入事例など紹介された。日本で1万7000社もの有料契約社を持つ同社が提示する、AI時代のワークフローとは?

構造化されていないデータからAIの力で価値を引き出す

説明会にはBox, inc. シニアバイスプレジデント 兼 最高製品責任者 ディエゴ・デュガキン氏、株式会社Box Japanから代表取締役社長の古市克典氏と専務執行役員 バイスプレジデントの佐藤範之氏が登壇。まずデュガキン氏は、組織が直面する喫緊のデジタル課題として以下の3つをあげた。

1 業務のデジタル化と自動化
2 AIの導入で企業のスピードを高める
3 最重要データの保護

しかし、組織の持つデータの90%は非構造化データであり、そこから組織全体としてコンテンツの価値を引き出すのは容易ではない。そのプロセスを改善するのがAIの力であり、高度なデータセキュリティー機能を持つBoxのサービスであるという。こうしたコンテンツプロセスのクラウド移行を推進するための投資の中には、今年1月に発表されたノーコードアプリビルダー「Crooze」の買収も含まれている。

日本市場を重視するBox

続いてBox Japanの古市代表取締役社長が、日本市場における2024年度(2023年2月1日~2024年1月31日、以下、昨年度)の振り返りと、新年度(2025年度:2024年2月1日~2025年1月31日)の事業戦略を語った。

昨年度の日本での売上はBoxの全世界売上高の21%を占め、中でも最上位プランの「Box Enterprise Plus」が伸び、Box活用を支援する「Box Consulting」も成長しているという。そして新年度に注力する分野として「Box AI」、6つのセグメント(大企業、中堅企業、中小企業、地方企業、金融、公共)、シリコンバレー企業と日本企業の特色を“いいとこ取り”した組織づくり、などを挙げた。

なぜBoxが選ばれているのか?

実際にBoxのサービスを導入することで、事業者側はどんな課題を解決しているのだろうか。

Box Japanの佐藤氏は産業技術総合研究所(産総研)、農林中央金庫など4社の事例をあげながら具体的に解説。佐藤氏によれば、機密性の高い文書を扱っている産総研ではセキュリティーにフォーカスしてBoxを導入し、今後はBoxの機能を使いDX推進につなげていこうとしているという。一方、農林中央金庫は長い歴史を持つがゆえに(設立は1923年)システム面でさまざまな課題を抱えていたが、Boxをコンテンツ管理基盤として導入し“ハブ”として活用。今後は「Box AI」を生かし、1カ所に集約されたコンテンツから価値を引き出すことに取り組む予定だという。

また佐藤氏は、コンテンツを個別システムで管理するのと、Boxを使って集約化するのとで、現場レベルの業務にどんな違い生まれるのかについて、ある損害保険会社のケースも紹介。交通事故が起きた時、Boxを導入していなければ、契約者のドライブレコーダーのデータを関係者たちが(会社の顧客対応チーム、社内の調査担当、見積担当、外部の板金工場などが)、それぞれ別のシステムを使ってダウンロード、アップロードしていくことになる。そのこと自体生産性が低く、セキュリティー上問題が出てくる。しかし「Boxは数々のアプリケーションとつながるので(Boxは1500種類以上のアプリと連携)、今まで通り業務を進めながらもコンテンツをBox1カ所で済みます。業務を俯瞰してみた時に、それは非常にパワフル」と話し、導入のメリットである点を強調した。

まとめ

中小企業と大企業には、それぞれ異なるDXの難しさがある。中小企業は投資に限度があり、大企業は社内全体の改革に多くの工数を要する。Boxが提案するのはどのような業務フローの企業でも導入しやすい柔軟なシステムだ。

「社内で資料を探したり、長い報告書を読んでいると時計の針が進んでいる」という方は、“その資料ならここにありますよ。要点はこれです”と言ってくれるBoxを導入すると、明るいうちにパソコンをシャットダウンできるかもしれない。