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内定者研修を行う目的とは?コロナ禍での開催のポイント

2020.12.11

 来年度入社予定の内定者を対象に、さまざまなプログラムを実施する内定者研修。
研修の目的や内容に加え、コロナ禍においてどのような方法で実施したらよいのか悩む担当者もいるのではないだろうか。

 今回は、企業が内定者研修を行う目的やコロナ禍で内定者研修を行う際のポイント、研修で実施するプログラム例を紹介する。それぞれのポイントを理解し、効果的・効率的な内定者研修を実施しよう。

目次

●内定者研修を行う目的
●プログラム例
●コロナ禍での内定者研修開催のポイント
●まとめ

内定者研修を行う目的

 企業・内定者双方にとって効果的な内定者研修を行うためには、目的を理解しそれに応じた研修内容を設定する必要がある。まずは、企業が内定者研修を行う目的を確認しよう。

内定者の離職防止
 内定者研修の一番の目的は、内定者の離職(内定辞退)を防止することだ。特に昨今の売り手市場の状況では複数社の内定を得る学生が多いため、入社日を迎えるまでに辞退される可能性もある。研修を実施し、早期にフォローを兼ねて・アプローチをすることで、企業理解、入社後のイメージの明確化、仲間意識の形成につながり、離職防止になると考えられている。

社会人に必要なマインド・基礎スキルの習得
 内定者研修の目的は、社会人として必要なマインドや基礎スキルを身につけ、今後戦力となるための基盤づくりを行うことにもある。内定者のスキルアップは、入社後に即戦力として活躍してもらうことや、新人を受け入れる現場の負担を軽減することにつながるだろう。なお、入社後に求められるスキルの例として、ビジネスマナー、文書スキル、対人スキル、PC・OAスキルなどがある。

内定者の特性やスキルの把握
 研修では、内定者が問題解決に向けてどのような思考を行うかやどのようなキャリア志向を持っているのかなど、選考や面接の過程では踏み込み切れない特性やスキルを把握することも重要だ。それらを把握することで、内定者に即した内定者研修・新人研修方法を設計したり、研修担当者や配属先を決定したりする際にも役立つだろう。

内定者の不安や悩みの解消
 内定者の不安や悩みを払拭することも研修の目的の一つだ。内定者研修を実施して企業理解を深めたり内定者同士の交流の場を設けたりすることで、「本当にこの企業でよいのか」「他の従業員に馴染めるか」「今後どのような業務を行うのか」といった入社前ならではの不安が解消されやすいとされている。

プログラム例

 内定者研修は、研修の目的や優先順位を明確にした上で期間や方法、開催規模を検討するとよいだろう。ここでは、内定者研修で行われるプログラム例を紹介する。

eラーニング
 eラーニングはインターネットを利用し、効率的かつ効果的にスキルを身につけることができる学習形態のことだ。企業は研修のコストを抑えつつ内定者のスキルアップを図ることができ、内定者にも、自分のペースで学習できる、進捗状況を確認できるなどのメリットがある。eラーニングで学習しやすいテーマとしては、OAスキル(Word・Excel・Power Point)、ビジネスマナー、コンプライアンスなどが挙げられるだろう。

グループワーク
 グループワークは、内定者同士で数人のグループを作り、協力してテーマに取り組むプログラムだ。内定者の主体性に重きを置き、ディスカッションから意思決定、発表までのプロセスを経験することができる。グループワークの種類には「自由討論型」「課題解決型」「ディベート型」などがあり、内定者それぞれの時間の使い方やリーダーシップ性の把握などにも役立てることができるだろう。

ビジネスゲーム
 ビジネスゲームは、数人で構成されたチームを「会社」に見立て、一定のルールに従って生産や販売、投資などを行っていくプログラムだ。チーム対抗で得点や「業績」を競うため、コミュニケーションやPDCAサイクルなどのビジネスの視点を学びながら内定者同士の横のつながりを強化することが可能だ。

 さまざまな職種向けのゲームがあるため、研修の目的や自社の状況に適したものを活用することで、楽しみながら効果的に研修を行うことができるだろう。

合宿
 宿泊を伴う「合宿」として内定者研修を行う企業もある。まとまった時間を確保できることから、効率的な研修の実施や内定者同士のチームワークの形成につながるだろう。合宿先に講師を招いてビジネスマナーなどの講座を行うことが可能な他、研修後の懇親会の開催もスムーズに行うことができる。

 ただし、企業内の会議室や研修室などを活用する内定者研修に比べるとコストが大幅にかかるため、実施する場合は慎重に検討する必要があるだろう。

コロナ禍での内定者研修開催のポイント

 内定者研修は内定者が自社オフィスなどに集合して対面で行うことが一般的であったが、昨今の新型コロナウイルス感染症の影響により、従来の方法による研修の実施が難しくなっているのが現状だ。ここでは、コロナ禍で内定者研修を行う際のポイントを紹介する。

オンラインで対応する
 長距離の移動や3密を避けることが求められるコロナ禍では、ICTツールを利用するなどしてオンラインで内定者研修を行うことが主流となっている。オンラインでの内定者研修の例として、以下のようなものが挙げられる。

・代表者が企業理念などについて話す様子を撮影・配信する
・先輩社員が働く様子を動画で撮影・配信する
・社内のイベントの様子を動画で配信する
・実際に業務で使用するツールを用いてチャット通話やデータのやり取りをする
・Web会議ツールを用いて先輩社員とQ&Aの時間を設ける

オンラインでの開催は企業にとって感染拡大のリスクを抑えられるだけでなく、内定者にとっても交通費が不要になる、入社後に必要となるツールに触れられるなどのメリットにもなると言えるだろう。

健康管理・感染予防
 職種や研修内容によってはオンラインのみの研修に限界があり、対面での研修が必要となる場合があるかもしれない。そのような場合は、以下のような点に留意して内定者研修を実施するようにしよう。コロナ禍にあっても健康管理や感染予防に努め、内定者の不安を軽減することで、その後のスムーズな人材育成につながるだろう。

・少人数での開催
・短時間での開催
・マスクの着用
・除菌スプレーの設置
・定期的な換気
・席の間隔を最低1.5m以上空ける
・対面での着座を避ける

まとめ

 入社後の即戦力化だけでなく、内定者の不安を解消し内定辞退を防ぐためにも、内定者研修を行うことは重要だ。一方、新型コロナウイルスの影響で企業にはさまざまな対策と工夫が求められており、内定者研修においてもオフライン・オンラインを効果的に組み合わせていくことが大切だ。企業の実態や内定者のニーズを踏まえつつ、自社にあった研修内容と方法を検討してみてはいかがだろうか。

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