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フルリモートでの入社に必要なことを確認しよう!手続きや教育体制は大丈夫?

2021.04.12

 新型コロナウイルス感染症の影響はいまだ続き、テレワークのまま新入社員を迎えるという企業も多いだろう。入社の日を迎えるまでにどのような準備が必要なのか、確認しておきたいという人事担当者もいるかもしれない。

 今回は、フルリモートの新入社員を迎え入れる際に必要な社内手続きや教育体制の考え方、リモート入社式を開催する際のポイントを紹介する。万全の体制で4月を迎えよう。

目次

●新入社員に対する入社日までの事前準備  
●社内における事前準備
●新入社員をいち早く戦力化。リモート入社式開催のポイント
●フルリモートにおける教育体制の整備も重要
●まとめ

新入社員に対する入社日までの事前準備

 フルリモート勤務を前提として新入社員を迎える場合、これまではオフィスで行っていた入社準備をどのように行うとよいのだろうか。まずは、新入社員に対して、入社日までに準備しておきたいことを確認しよう。

契約手続きを行う
 新入社員を迎えるにあたり「労働条件通知書」や「雇用契約書」、「誓約書」など入社に必要な各種契約の締結が必要となる。

遠隔で契約を締結する場合は、「紙書類の送付」または「電子契約サービスの利用」が必要だ。紙書類のやり取りを行う場合、原本での回収が必要な書類については、事前に新入社員の自宅へ郵送し、記入等の手続きを済ませられるよう手配しておきたい。その際、個人情報の取り扱いについて社内のルールを設けるなどし、外部流出や紛失に注意しよう。

 近年では、オンライン上で契約書の締結が可能な電子契約の専用アプリや人事労務ソフトなどもあるため、今後の勤務体制も踏まえつつ活用を検討すると良いだろう。外出をせずに手続きを完了できることで、業務効率化につながり、新型コロナウイルス感染症のリスクも減るはずだ。

入社の手引きを共有する
 「入社の手引き」を作成し、入社日を迎えるまでに新入社員へ共有しておくのも良いだろう。オンライン上で見ることを想定し、パワーポイントやGoogleスライドなどのプレゼンテーションソフトなどのツールを使って作成しよう。

 手引きには、会社のミッションやビジョン、組織形態などに加え、入社手続きや入社当日からのスケジュール等についても記載しておくと、入社日からの進行がスムーズになるだろう。

パソコン等の貸与物を新入社員の自宅に配送する
 パソコンやスマートフォンなど業務に必要な貸与物は、入社日までに新入社員の自宅へ配送しておこう。自宅のWifi環境を整える必要がある場合は、ルーターなどの貸出も忘れないようにしたい。

 セットアップが必要なデバイスについては、セットアップのタイミングを検討しよう。配送する前に社内でセットアップするか、新入社員に作業を依頼する場合は、入社日前後にセットアップセッションの時間を設けることが必要だ。

社内における事前準備

 社内においては、入社日までにどのような準備をしておくとよいのだろうか。ここでは、新入社員を迎えるにあたって、確認しておきたい社内手続きを紹介する。

入社情報を社内に共有する
 新入社員の配属先が決まったら、各関係部署に新入社員の「氏名」や「社員番号」などを共有しよう。配属先の チームメンバーがスムーズに新入社員のサポートを行えるよう、共有する情報の範囲も社内で検討しておきたい。共有方法は、普段使用しているコミュニケーションツールを使用すると良いだろう。

必要なアカウントを発行する
 業務に使用するシステムやツールにおいて、アカウントの発行が必要な場合は、入社日までに手続きを済ませておこう。手続きに漏れがないようチェックリストを作り、アカウントの発行が必要なものはリストアップしておくと安心だ。

新入社員をいち早く戦力化。リモート入社式開催のポイント

 新入社員を迎えたら、モチベーションを高く保ち、いち早く戦力化したいと考えるのではないだろうか。オンボーディングを成功させるという視点からも、リモート入社式の開催を検討したい。ここでは、入社式実施のポイントを紹介する。

入社式の開催目的を明確にする
 リモート入社式の実施にあたっては、開催目的を明確にしておこう。新入社員の会社に対する期待感やモチベーションを高めるためだ。具体的には「会社の一員としての実感を持てる」「皆が新入社員の人となりを知れる機会とする」など、様々な視点から実施目的を検討し、プログラムに反映できるとよいだろう。

オンラインツールを活用してウェルカム感を演出する
 フルリモートでの入社は、新入社員にとって期待と共に大きな不安があるのも事実だろう。オンライン入社式では、新入社員の不安を払拭できるようなイベントを盛り込みたい。オンライン上にウェルカムメッセージを掲載するほか、サプライズ動画などを盛り込むことも入社式を盛り上げる方法の一つ。さまざまな工夫を凝らし、自社ならではの演出を検討することで、社風やカルチャーを伝える機会にもなるだろう。

誰もが主体的に参加できるよう、社内で役割分担を決めておく
 リモート入社式は、新入社員以外の参加者も自分事として携われるよう、それぞれの役割分担を決めて開催できると良いだろう。進行役である「ファシリテーター」や挨拶をする「登壇者」だけでなく、チャットによる盛り上げ役やブレイクアウトルーム設定役などを決めておこう。

 段取りよく入社式を進められるほか、新入社員と既存社員それぞれがお互いの関心を高められ、入社後の働きやすさにもつながるはずだ。

フルリモートにおける教育体制の整備も重要

 フルリモートによる入社が決まったら、オフラインにおける教育体制を検討しておく必要がある。ここでは、フルリモートならではの課題を解決し、オンボーディングを実践するためのポイントを紹介する。

コミュニケーションを活性化し、新入社員の不安を解消
 リモートワークは、実際に出勤するよりも孤独を感じやすい環境だ。フルリモート特有の課題として「コミュニケーション不安」が挙げられるだろう。まだ入社まもなく会社の雰囲気が分からない新入社員は、よりコミュニケーションの重要性が高まる。この課題を解決するには、人事部やメンターなどによるフォロー体制や、各種研修にコミュニケーションの時間を取り入れるといった工夫を凝らしたい。

 日頃使っているツールを活用し、新入社員同士や先輩社員とつながりが持てる環境を整備するのも良いだろう。このほか、定期的に1対1でのコミュニケーションを取り入れ、新入社員の不安を解消する場を設けることも、課題解決のポイントだ。

疲労が溜まりやすいオンラインの環境に配慮
 フルリモート勤務は、オフィスに出社する場合と比較して疲労が溜まりやすいと言える。疲労が溜まっていても周囲が気付きづらいという課題もあるだろう。少なくともオンボーディングの期間は、このような環境に配慮したスケジュールを検討したい。具体的には、連続でオンライン会議を行わないことや、必須研修は個人のタイミングで受講することとするなど、新入社員が自由にスケジュールを決められる環境を整えたい。

入社後のスケジュールは詰め込み過ぎず、早めに予定を共有しておくことも、新入社員への配慮として考えておくと良いだろう。

オンラインで議論しやすい場所を用意
 新入社員が成長するためには、議論する場が大切だ。直接会う機会がないリモートワークでは、Zoomの「ブレイクアウトルーム機能」や、Googleのオンラインホワイトボード「Jamboard」などのツールを活用し、議論しやすい場所を提供したい。コミュニケーションの場としても有効に活用できるだろう。

まとめ

 フルリモートの新入社員を迎える際は、各種手続きの実施方法を検討するほか、フルリモート特有の課題に配慮した教育体制を整えたい。新入社員のモチベーションを高め、いち早く戦力化するために、リモート入社式を検討するのも良いだろう。各種手続きや新人育成のスケジュールを確認し、スムーズにフルリモートの新入社員を迎え入れよう。

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