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ひとり総務~完全テレワークへの道~Vol.1 まずは業務把握

2021.05.28

新型コロナウイルス感染症対策としてテレワーク導入が進む中、総務担当者の完全テレワーク移行が難しいと悩む企業も多いのではないだろうか。総務が行う業務は多岐にわたるため、内容によっては出社が必要となることもあるかもしれない。

今回は、総務担当者のテレワーク普及状況や総務が行う一般的な業務についてのほか、オフィス出社が必要な業務を紹介する。総務担当者のテレワーク実現に向け、まずは業務内容の全体像を把握しよう。

●総務のテレワーク普及状況
●総務の業務一覧
●出社が必要になる業務をまとめよう
●まとめ

総務のテレワーク普及状況

新型コロナウイルス感染症対策として各企業で導入が進む「テレワーク」。しかし、幅広い業務を行う「総務担当者」は、なかなかテレワークに移行できないというケースも多いのではないだろうか。まずは、総務担当者のテレワーク普及率について見てみよう。

総務のテレワーク普及率は完全移行が17%。50%は全く実施できず
MFKESSAI株式会社が2020年4月17日~21日に実施した、「会社役員及び経理財務・会計担当者」1,000名を対象に行った調査によると、緊急事態宣言後のテレワーク対応状況に関して、「完全にテレワークを実施できている」総務担当者は、わずか17%であることが分かった。

総務担当者のうち50%の方は、「全くテレワークを実施できていない」状況であるほか、約80%の方は、オフィスで行う必要がある業務に対応するため、「月に1回以上出社している」という回答が得られた。

参考:MF KESSAI、「経理財務・会計担当者のテレワークの対応状況」に関する調査を実施

総務のテレワークを妨げる要因
総務担当者がテレワークを実施できない要因は、主に3つ挙げられる。1つ目は、「電子化できていない紙書類への対応」だ。パソコンでの対応が不可能な業務を遂行しなければならない場合は、オフィスへの出社が必要となる。

2つ目の要因は、「セキュリティ体制が不十分」であることが挙げられる。特に機密情報を取り扱う場合は、社外に情報が漏れることのないよう、厳重に取り扱わなければならず出社を余儀なくされるケースもあるようだ。最後に、「プリンターやスキャナーが無い」など自宅の設備環境が整っていないことも、テレワークを妨げる要因と考えられる。多くの企業が突然テレワークに切り替えなければならなくなった背景から、総務担当者はさまざまなケースで出社が必要となっているのが現状のようだ。

総務の業務一覧

総務とは、企業内部の事務や、ほかの部門で担当できない業務全般を担当する部署である。業務内容は幅広く、社内外と関わりを持った仕事であることが大きな特徴だろう。ここでは、一般的とされる総務の業務内容を一覧で紹介する。

なお、人事部などがない中小企業では、人事や経理などの仕事全般を総務が担当しているケースもあるなど、企業によって総務の業務範囲は異なることを知っておきたい。

出社が必要になる業務をまとめよう

総務担当者のテレワークを実現するためには、現在出社をして対応している業務について、「本当に出社が必要かどうか」という視点で見極めを行い、テレワークで対応できそうなものから業務のやり方を工夫してく必要がある。ここでは、オフィスへの出社が必要となるケースが多い業務を紹介する。

郵便物の対応
企業宛てに届く「郵便物の対応」は、オフィスへの出社が必要となる業務の一つだ。重要な郵便物を見落とさないため、定期的に会社へ行って確認している総務担当者も多いのではないだろうか。

企業には行政や税金関連、社会保険などに関するさまざまな書類が郵便物として送られてくる。さらに直近では、テレワークをする社員が増えたことで、社内手続きの書類が会社宛てに郵送されるケースも増えており、郵便物の対応は必要不可欠の業務と言えるだろう。

契約書など紙書類の対応
電子化できていない「紙の契約書」や「請求書」を処理、管理するために出社が必要となることもある。特に、会社の印鑑はセキュリティ上持ち出しできないことが多く、押印やサインをするために出社が必要となるケースも多く見受けられるのが現状だ。

代表電話への対応
受電対応のために総務担当者が出社をしなければならないケースも多く聞かれる。テレワークの導入にあたり、電話の件数を減らす方法として「メールやコミュニケーションツールを通じた連絡への切り替え」や、「担当者へ直接電話するよう顧客に伝えておく」ことは有効な手段である。しかし、代表電話を窓口に持つ企業にとって、受電件数をゼロにすることは難しい課題と言えるだろう。

その他
「社内資料が紙ベースのものしかない」など、社内のシステムや業務フローがそもそもテレワークに対応できていない場合、オフィスへの出社が必要となることもあるだろう。社員に対してスマホやPCを支給するなど、テレワーク環境を整えるために発生する業務においても、総務担当者がオフィスへの出社し対応するケースが多く聞かれる。

まとめ

新型コロナウイルス感染症対策として企業のテレワーク導入が進む中、総務担当者のテレワーク普及率は他の業務に比べ低いのが現状だ。総務担当者のテレワークを妨げる要因として、郵便物や紙書類の処理、代表電話の対応といった業務に対応しなければならないことが挙げられる。総務の完全テレワークを実現するために、まずは総務が行う業務の全体像を把握することから始めてみてはいかがだろうか。