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オフィス移転前に知っておきたい物件とオフィス仲介会社の選び方

2021.09.28

オフィス仲介とは、事業者向けの物件を紹介してくれる仲介業者のこと。イメージとしては、家を探す際に利用する不動産業者のビジネス版のようなものだ。
ただ、通常の家探しとは違い、オフィス用の物件を探す際には、立地・広さ・コスト・設備など勘案すべき要件があまりにも多く、賃貸住宅のようにネットでサクっと見つけられるものではない。自分で希望にぴったり合う物件を探し出し、契約にまでこぎつけるのは至難の技だ。
そこで頼りたいのが、オフィス仲介の専門業者。本記事では、オフィス仲介業者を選ぶ際のポイントをご紹介する。さらに、なにかとかさむオフィス移転のコストを抑える方法もお教えする。本記事を読めば、最小限のコストで、最適なオフィスを作る方法がわかること間違いなしだ。

オフィス仲介業者の選定ポイント

オフィス移転は、仲介業者選びですべてが決まると言っても過言ではない。ここでは、数ある仲介業者の中から自社に最適な業者をどうやって選ぶべきか、4つの観点から説明しよう。

● オフィス移転専門の仲介業者から選ぶ
不動産の仲介業者は、「住居専門」と「オフィス専門」の2つに大別される。免許さえ持っていれば、どんな物件でも紹介できるものと誤解しがちだが、住宅の仲介とオフィス仲介はまったくの別物。オフィス移転の際には、オフィス専門の業者を選ぶようにすべきだ。

● オフィス仲介業者の得意分野から選ぶ
オフィス専門の仲介業者は多数存在するが、それぞれに特徴があり、得意分野が異なる。例えば、ベンチャー企業への仲介実績が多い業者ならば、移転にかかるコストを削減するノウハウを持っていると考えられる。あるいは、移転を希望するエリアが決まっているのならば、そのエリアに特化した仲介業者を選ぶと、地域密着型ならではの情報を知ることができるだろう。他にも、居抜き物件に強い業者や、社員数が少ないスモールオフィス専門の業者などもある。自社で優先したいポイントと、得意分野がマッチした業者を選ぼう。

● PMや内装構築の依頼もできるオフィス仲介業者から選ぶ
オフィス移転は、だいたい半年から1年以上もかかる大掛かりなイベントである。物件を契約した後も、旧オフィスの現状の回復、移転先の内装工事、引っ越し作業の手配などやらなければならないことは山積みだ。もはや、オフィス移転はひとつの大きなプロジェクトとして考えるべきだろう。そうしたときに、PM(プロジェクトマネージメント)の役割も果たしてくれる業者を選ぶと、オフィス移転が格段に楽になる。物件が決まった後の面倒なタスクをすべて管理・遂行してくれるので、スムーズな移転が可能となるだろう。

● 働く環境としてのレイアウトから相談可能なオフィス仲介業者から選ぶ
これまでに述べたポイントに加えて、オフィス移転を単なる「引越し作業」ではなく、「働く環境の改革」と捉えてくれる仲介業者に出会えるとベストだ。オフィス専門の業者を謳うならば、移転後のオフィスづくりにまで積極的にアドバイスをしてくれる提案力が欲しいところ。そのような業者を選ぶと、働く社員の立場から立地条件を検証してくれたり、業務内容に合わせて働きやすいレイアウトを提案してくれたりと、実績に基づくアドバイスがもらえる。ホームページなどに記載されている情報だけではわからない部分なので、知人から直接紹介してもらうほか、口コミなども参考にするといいだろう。

おすすめのオフィス仲介業者

ここからは、実際におすすめしたい仲介業者3社について簡単にご紹介していく。

◆ 三幸エステート株式会社
「三幸エステート株式会社」は、業界最大手と言われるオフィス仲介業者だ。非公開の物件も含めると、全国に10万件以上の物件データを持つ。大手ならではの実績の豊富さには安心感があり、オフィス移転プロジェクトの心強いパートナーとなってくれそうだ。PMサービスも提供しており、新オフィスのレイアウトや内装まで細かく相談が可能。サービス内容が幅広く、1からすべてお任せでオフィス移転が完了するという点でおすすめだ。
https://www.sanko-e.co.jp

◆ CBRE株式会社
「CBRE株式会社」は外資系の仲介業者だ。世界に530以上の拠点を持つ大手不動産会社の日本法人である。一番の強みは、対応のスピーディーさ。登録されている物件数もかなり多く、求める条件が多くても、高度な専門知識を持ったスタッフが自社にぴったりの物件を探し出してくれる。もちろんPMサービスも備えているため、とにかく楽に、今すぐオフィス移転がしたいという場合に適しているだろう。
https://www.cbre-propertysearch.jp/office/

◆ 三鬼商事株式会社
オフィス仲介業界では最古参の「三鬼商事株式会社」。歴史が長いため、その分信頼度も高い。ビルオーナーからの信頼も厚く、6万棟を超えるビル情報を持つ。担当者がじっくりとヒアリングを行い、理想のオフィスをプランニングの段階からサポートしてくれる伴走力の高さも魅力的だ。とにかく安定感重視で仲介業者を選びたい場合には最適な業者だろう。
https://www.e-miki.com

オフィス移転にかかる費用と相場

ここで、実際にオフィス移転をするとどのくらいの費用がかかるのか、気になるコスト面を確認しておこう。オフィス移転の際には、おおよその予算をもとに社内調整を進めていくことが必須だ。以下の項目に沿って、実際に計算してみてほしい。

● 原状回復工事費用で坪単価20,000円~50,000円と前払家賃1ヵ月分
オフィス使用の物件は、入居した当時の状態まで原状回復して退去することが基本だ。住宅とは違い、経年劣化の分も退去者負担となるケースが多い。入居していた長さにもよるが、坪単価20,000円〜50,000円は見ておく必要がある。また、新しいオフィスに移る際は前家賃の支払いも発生する。日割り計算にしてもらえることもあるが、最大1ヵ月分は見込んでおきたいところ。

● 敷金や保証金は家賃の6〜12ヵ月分が目安
オフィス賃貸の敷金・保証金は、一般的な住宅賃貸と比べてかなり高額で、6ヵ月分から12ヵ月分が相場だ。当然、毎月の家賃も住宅より高いため、なおさら負担が大きく感じられるだろう。賃貸住宅の相場感覚で予算を組んでしまうと、後から費用が足りなくなってしまうため注意したい。

● 仲介手数料は家賃の半月〜1ヵ月分が目安
オフィス仲介業者に支払う手数料は、無料のところもあれば、最大で1ヵ月(税抜)というところもある。だいたい半月〜1ヵ月くらいを目安に考えておくといいだろう。
 
● 火災保険料はオフィス規模によるが月額20,000円ほどを準備
オフィスの賃貸契約をする際には、火災保険への加入を指定される場合がほとんどだ。2年間ごとの契約になるケースが多いが、保証範囲やオフィスの規模によって金額は様々。ひとつの目安として、月額2万円ほどとして予算に組み込んでおくと安心だ。

● 保証委託が必要な場合は初期費用として家賃の1ヵ月分が目安
物件によっては、保証会社への加入が必須となるケースも多々ある。その場合は、審査の結果にもよるが、家賃の1ヵ月分が目安となってくるだろう。契約の前に、保証委託が必要かどうか確認しておくことをおすすめする。

● 引越し費用は社員数×20,000~50,000円が目安
引越し費用については、運ぶものの量や距離などによって変わってくるが、目安としては社員数×20,000〜50,000円で計算してみるといい。運ぶ荷物が少ない場合は引越し費用が安くなるが、移転先で新しいものを購入する方が高くつく場合もある。オフィス家具等の買い替えのタイミングや、全体のコストバランスとの兼ね合いで考えよう。

● 内装工事費はレイアウト依存。壁紙・通信インフラ・オフィス家具は必須
内装工事費は、一番自由度の高い項目だ。移転先の内装にどの程度こだわるのか、どの内装業者に頼むかによってかなり予算が変わってくる。ただし、壁紙の張り替えや通信インフラ工事、オフィス家具の買い替えは必要となるケースがほとんどなので、事前に見積もりを出しておこう。

押さえておきたい賃貸オフィスの選び方の優先順位

仲介業者や移転にかかる費用項目についてわかったところで、次はオフィス自体の選び方について考えてみよう。どうしてオフィスを移転するのか、目的をしっかり決めた上で、以下の順番で優先順位をつけて検討していくのがおすすめだ。

● 立地・周辺環境
オフィスの立地は、一番に考えるべきポイント。従業員の交通利便性や、クライアントとの位置関係などを勘案して最適な立地を選ぼう。また、人の行き来が多いエリアにオフィスを移動すれば、自社の宣伝効果に繋がるかもしれない。同じように大切にしたいのが、オフィスの周辺環境だ。近くに銀行やコンビニがあるか、ランチの環境はどうか、騒音は気にならないかなど、チェックを怠らないようにしたい。目当ての場所があれば、実際に足を運んで確認してみるのもいいだろう。自社内のメンバーともしっかり話し合い、意見を聞きながら検討を進めよう。

● 契約面積
立地が決まったら、次に考えるべきは契約する面積。従業員の増加による増床移転を考えている場合は、こちらも立地と同程度に優先すべきポイントとなるだろう。最低限必要となるオフィスの面積は、共有スペースを含めると社員数1人につき2坪〜4坪程度。会議室や倉庫、執務室など、その他に必要なスペースがあれば、その分面積が増えていく。もし今後従業員数を増やす予定がある場合は、中長期的な採用人数も考えて契約面積を決めよう。

● 予算(初期費用・維持費用)
いくらいい物件が見つかったとしても、予算に合わなければ現実的に移転は不可能だ。立地・面積で目ぼしい物件をいくつかピックアップしたら、予算に合うかを検討していこう。その際、先ほど詳しく説明した初期費用に加えて、維持費用についても考える必要がある。まずは毎月の賃料、共益費。共益費には、どこまでの費用が含まれているのかしっかり確認しよう。室内清掃費は含まれるのか、また、空調費については、時間外空調費がかかるのかどうかまで確認が必要だ。光熱費も大きな出費となるので、家賃および共益費に含まれるのか、含まれないならばどのくらいかかるのか試算しておこう。これらの維持費用は、1ヵ月の売り上げの10%程度が無理なく支払える妥当な額だと言われているので、参考にしてほしい。

● 設備
設備の面もしっかりチェックしておきたい。基本的なものから挙げると、OAフロアの仕上げ材。タイルカーペットが一般的だが、近年は天然木材を使ったフローリングタイルも登場している。オフィス全体の雰囲気を左右する重要なポイントだ。他にも、空調設備や電話回線の状況、使用可能な電気容量、ネット環境などのインフラ面も事前に確認しておこう。また、トイレや給湯室などの共有スペースの清潔感も快適なオフィスづくりには欠かせない。喫煙者が多い場合は喫煙スペースの確保も必要になってくるだろう。車を使用する従業員や来客が多い場合は、駐車場も必須だ。
さらに、建物全体のセキュリティ面もしっかり確保しておきたい。メインエントランスでの入退館管理の方法や、防犯カメラの有無も留意しておきたいところだ。入退館システムに関連して、夜間や休日など閉館時の入退室方法や、全館休館日の有無も併せて見ておこう。
最後に忘れてはならないのが、耐震基準を満たしているかどうかの確認。1981年6月1日以降に建築確認済証を受けた建物であることは必須条件だろう。

● ビルのグレード(内装、外装)
オフィスは、言うなれば自社の顔だ。クライアントなど来訪者の第一印象は、オフィスの印象でほぼ決まると言ってもいい。よって、内装や外装が自社のイメージに合っているかということも、できるかぎり考慮に入れて検討していきたい。

オフィス移転のコストを理想のオフィス像を叶えつつ抑える方法

今まで、仲介業者の選び方からオフィスの選び方、そして移転にかかるコストについても触れてきた。しかし、多くの事業者にとっては、なるべく安く、素敵なオフィスに移転したいというのが本音だろう。以下では、コストを削減するための技を紹介するので、ぜひ役立ててほしい。

● 造作物を引き継ぐ居抜き賃貸を活用して内装費を削減する
現在オフィス賃貸のトレンドとなっているのが、「居抜き賃貸」の活用だ。居抜き賃貸とは、前に入居していた事業者が原状回復をすることなく、そのままの状態で貸し出しをしている物件のこと。つまり、理想的な内装の物件に出会うことができれば、内装工事の費用をすべてカットしてオフィス移転ができてしまうのだ。その分、移転スケジュールを前倒しできることも大きなメリットだろう。

● 居抜き募集をかけて原状回復費を削減する
もうひとつのコスト削減方法は、「居抜き賃貸」の逆の発想。自社が旧オフィスを立ち退く際に、「居抜き募集」をかけるというものだ。もし現状の内装のままで入居したいという事業者が現れたら、初期費用のうち原状回復費が節約できる。ただし、オーナーによっては、ビルメンテナンスの観点から原状回復を必須としているところもあるため、事前に相談する必要がある。

● 毎年賃料の相場をチェックして賃料の交渉をする
まず、入居の際の賃料交渉はダメ元でも必ず行ってみよう。その付近のオフィス賃料の相場を調べて、それよりも高ければ交渉の余地がある。入居時の賃料交渉に失敗したとしても、毎年家賃の相場は変動するため、その土地の相場を随時チェックしておくことがその後の家賃交渉に役立つ。もし相場が下がるようなことがあれば、契約更新などの節目で交渉材料となるだろう。

まとめ

言うまでもなく、オフィス移転には莫大な費用が必要となる。お金をかけてでも移転を検討することには、それ相応の切実な理由があるだろう。その理由は、採用人数の増減という人事的観点のほか立地条件などの営業的な観点、生産性の観点など多岐にわたる。移転した先で、どのようなオフィスをつくりたいのか、その目標をしっかり定めて、実現してくれる仲介業者の存在が必須である。
本記事では大手の仲介業者3社を紹介したが、他にもさまざまな専門業者が存在し、それぞれ得意分野が違ってくる。相性の良さそうな業者を見つけたら、ぜひ一度相談をしてみてほしい。オフィス移転仲介業者は、オフィス移転のエキスパートである。少しでも悩んでいるのなら、一度相談してみて損はない。
とはいえ、オフィス移転にかかるコストは極力抑えたいというのも偽らざる本音だろう。オフィス移転費用の相場を知った上で、本記事で紹介したコストを抑える方法も視野に入れつつ検討を始めてみてはいかがだろうか。

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