オフィスのミカタとは
従業員の働きがい向上に務める皆様のための完全無料で使える
総務・人事・経理・管理部/バックオフィス業界専門メディア「オフィスのミカタ」

人事とは?業務内容や必要なスキルを紹介

2021.11.17

人事部は、企業の重要な経営資源である「ヒト」を扱う部署だ。人事の仕事にはどのような役割があるのか、業務内容や年間スケジュールを知りたいという担当者もいる\だろう。今回は、人事部の役割や業務内容、業務スケジュールや必要なスキルなど、人事部の仕事を遂行する上で知っておきたいポイントを解説していく。

目次

●人事部とは?主な役割や総務部との違い
●大企業と中小企業における人事部の違い
●人事部の主な業務内容
●人事部の業務スケジュール
●人事部の仕事に必要なスキル
●まとめ

人事部とは?主な役割や総務部との違い

企業に必ずと言ってよいほど存在する「人事部」。まずは、企業内における人事部の役割と必要性について見ていこう。

● 人事部は、企業の重要な経営資源「人材」を扱う部署
人事部は、4大経営資源の1つ「ヒト」を最大限活用するための役割を担う部署だ。人材に関する業務を遂行し、組織を発展させることが、最大の役目となる。

ここで言う「経営資源」とは、企業活動を行う上で有用な要素のことを指し、「ヒト・モノ・カネ・情報」が4大経営資源として知られている。この中でも「ヒト」は、その他の資源を動かす原動力として重要な位置づけであり、ヒトを取り扱う「人事部」もまた、企業の基幹となる部署だと言えるだろう。

● 企業における人事部の役割。なぜ必要なのか?
人事部が持つ、一般的な役割は次の通りだ。

●経営陣のパートナーとなる
●組織の活性化を図る
●従業員の生活に直結する制度設計や運用をする

人事部は、企業経営において、経営者や事業責任者などの良きパートナーであることが求められる。利潤を追求するためには、「ヒト」という資源を適切に配置、管理することが重要だからだ。

加えて、企業の発展を図るためには、人材採用や教育、開発といった業務に取り組み、組織を活性化することも必要となる。従業員一人一人の生活を担保するために、公平で現実に即したさまざまな制度を構築することも、人事部が果たすべき役割だ。

● 人事部と総務部の違いは「業務範囲」
企業のなかには、「人事部」と「総務部」という2つの部署が存在しているケースがある。このような場合、人事部と総務部はそれぞれ独立した部署であり、異なる役割を担うことになる。

このときの総務部の役割は、「組織の運用・サポート」が一般的だ。業務の円滑化を図ることを目的として、対内外の窓口となることもあるだろう。具体的な業務として、備品の管理や社内外における行事の企画・運営、来客対応や防犯対策などが挙げられる。

 一方で、人事部の役割は、前述したように「人材」に関する業務がメインとなる。自社においては、部署ごとの役割の違いを明確にし、業務が重複したり、従業員が役割に悩んだりすることのないようにできると良いだろう。

大企業と中小企業における人事部の違い

企業規模によって、人事部業務の扱い方に違いが見られるケースもある。ここでは、大企業と中小企業における違いを紹介する。

● 大企業の人事部
大企業では、業務効率化を目的として、人事部を縦割りにして組織運営する傾向にある。「対外プロモーション担当」「面接担当」「内定者担当」など業務内容を細かく分類して担当を割り振り、各分野のプロフェッショナルを育成しているケースが多いようだ。

● 中小企業の人事部
中小企業における人事部は、大企業に比べ人員が少ないことから、より多岐にわたる業務を人事部担当者が一手に担う傾向にある。人事部の業務を数人もしくは1人で担当することが多く、企業によっては先に述べた「総務」や「経理」といった業務も兼任するケースも見られる。

人事部の主な業務内容

人事部の主な業務内容

人事部の業務内容は主に以下の7つに分類される。ここでは、それぞれの内容を具体的に紹介する。

■ 人材採用
人事部の重要な業務の一つに「人材採用」がある。企業にとって必要な人材を獲得するため、採用計画や方針などを決定し、アクションプランを立てて、採用活動を進めていくのが一般的だ。

企業によっては、プロセスの途中で他の部署が関わることもあるだろう。一例として、実質的な選考を配属予定のある各部門が行い、人事は事務手続きのみを行うケースがある。このほか、正規雇用については人事部が担当し、非正規雇用については各部門が担当するなどさまざまなパターンが考えられる。自社にとって運用しやすい人材採用方針を検討できると良いだろう。

■ 従業員の配置や異動
従業員の配置や異動などの計画・実施も人事部の担当業務だ。採用した人材の配属先を決めるほか、異動計画を立てて、配置転換を実施することなども含まれる。

配属先を決める際には、従業員個人の希望や経験のほか、性格や特性を把握し、適材適所の配置ができると良いだろう。従業員の配置や異動は、それぞれのキャリアプランや能力開発などにも関わっているため、キャリア育成担当者との連携も忘れないようにしたい。

■ 人材育成・キャリア開発
近年注目されているのが、社員の育成・キャリア開発の分野だ。「育成したい社員像」を明確にして、必要な人材を育成するための研修計画を策定、実行することが、人事部の主な業務である。研修を外部講師などに委託する場合は、研修内容を検討しコーディネートする役割を受け持つケースが多い。

企業によっては、人事部ではなく教育研修専門の部署を設けることもある。自社で教育研修を行えない場合は、アウトソーシングを活用することも検討しよう。

■ 人事評価
人事評価とは、各従業員の成果を正当に評価し、適切な昇進や給与の還元を行うための仕組みづくりを行うことだ。透明性・公平性のある人事評価制度を作り上げることが、従業員の勤怠意欲を向上させ、企業の業績アップにつながるだろう。

従業員が正当な評価を受けられないと感じた場合、優秀な人材の流出につながってしまうことが懸念されるため、慎重に検討・運用したい業務だ。
 
■ 人事制度の企画・立案・運用
前述した人事評価制度や人材育成、配置や異動といった全てに関わる「人事制度」を企画立案・運用することも、人事部が担う重要な業務だ。

人事制度がうまく運用できていない場合、従業員のモチベーション低下や離職率の増加につながる可能性がある。公正で明解な人事制度を企画し、より多くの従業員が納得できる説明を行うことが、企業の発展を支える上で重要となるだろう。

■ 労務管理
従業員一人一人が安心して働けるよう、労働時間の管理や健康診断、福利厚生業務、安全衛生管理などを行うことも必要である。近年では、心身の健康を守るためのメンタルヘルス対策も注目されている。

一定数以上の従業員がいる場合は、法規則により、体調不良の従業員が休める休養室の管理・運営を行わなければならない。企業によっては、人事部の担当ではない場合もあるため、自社の方針に合わせて担当部署を決定できると良いだろう。

人事部の業務スケジュール

人事部の業務は多岐にわたるが、どのようなスケジュールになるのか把握したい担当者もいるのではないだろうか。ここでは、年間スケジュールと毎月の定例業務を紹介する。

● 人事部の年間スケジュール

人事部の主な年間スケジュールは次の通り。

社員の育成、能力開発のための各種研修は、年間を通じて行われるケースが多い。一般的に、人事部の繁忙期は3~4月と10月と言われているが、コンスタントに業務が発生するため、計画的に業務を遂行していくことが大切だ。

● 毎月の定例業務

人事部が毎月行うことの多い定例業務は次の通り。

●入社対応
●退職対応
●給与計算
●有休・残業時間管理
●産休・育休対応
●人事異動対応
●労務トラブル対応      など

人事部業務は、各種手続きの必要な業務が多い。スムーズに業務を遂行できるよう、あらかじめ段取りを組んでおきたい。

人事部の仕事に必要なスキル

ここからは、人事部の仕事を遂行するために必要なスキルを見ていこう。

● 正確な作業ができる
人事部業務には、事務手続きなどが多く含まれるため、正確に作業をこなすスキルが求められるだろう。具体的な業務としては、「求人の書類作り」や「人事考課の集計」「入退社に関わる手続き」などが挙げられる。

書類に不備があった場合には、さまざまなトラブルにつながる可能性もあるため慎重かつスピーディーに作業できる対応力が必要だ。

● 機密情報を守れる
人事部が扱う業務には、企業の情報・社員の個人情報など多くの機密情報が含まれる。仮に機密情報が漏えいした場合、企業や社員が損害を被る事態も考えられるだろう。リスクを十分理解し、人事部の一員として各種情報を管理する立場にあることを自覚して業務を遂行する姿勢が求められる。

● 法律の知識がある
人事部業務を行う上で必要なのが、労働関連の法令や社会保障の法令についての知識である。自社の就業規則が法令を遵守しているかどうかを確認したり、新たな法改正があった場合にはその内容を正確に把握したりする能力も求められる事を知っておこう。

まとめ

企業にとって貴重な経営資源である「ヒト」を扱う人事部。その役割として、組織活性化を図ったり、従業員が安心して働けるよう企業の制度設計や運用を行ったりすることが求められる。自社においては、人事部の仕事を円滑に進められるよう、業務内容や年間スケジュールなどを見直してみてはいかがだろうか。

<PR>