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HRテックとは?人事・採用・育成・労務のあり方を変えるサービスや労働市場の変化を解説

2022.01.14

HRテックという言葉をご存知だろうか?HRテックとはHR(Human Resources:人材)分野の業務をテクノロジーによって効率化・生産性の向上を行うためのツールである。本記事ではHRのあり方を変えるサービスの紹介と、今後の人事実務に必要なHRテックのトレンドについて解説する。

IoTやAIなどのテクノロジーを用いた人事課題を解決に導くHRテックの領域

HRテックとは、HR(Human Resources)とテクノロジーを掛け合わせた造語である。IoTやAIなどのテクノロジーを利用することでHRの様々な業務の効率化が見込める。ここでは人材採用や勤怠管理などHRの主な業務毎に区分し、それぞれの代表的なサービスを紹介していく。

■ 人材採用(WANTEDLY・OfferBox)

「WANTEDLY」はIT企業中心に利用されているサービスで登録企業は37,000以上。求職者へダイレクトにアプローチが可能なほか、自社の広報として活用ができる。給与・待遇の記載がNGというのもユニークだ。
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「OfferBox」は新卒オファー型就活サービスだ。就活サイトとしての学生利用率は4年連続No.1を記録しているため、アクティブユーザー数に期待ができる。また、「人工知能×適性診断」という機能によって自社と適性の合う学生を検索し、アプローチが可能となっている。
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■ 人材配置(HRMOS・talentio)

「HRMOS」は転職サイトのビズリーチが提供している人材活用プラットフォームで、採用・育成・評価・配置・人材管理が行える。データの一元管理が可能なため、人事情報を可視化し評価や異動歴がすぐに検索できる。
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「talentio」は採用業務の自動化による効率化、データの集積と分析、タレントプールのマネジメントを行える採用ツールだ。APIによる外部サービスとの連携も豊富で、WEB面接ツールと併用することでオンライン採用にも対応できる。
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■ 人材育成(タレントパレット・MOTIVATION CLOUD)

「タレントパレット」は人事業務にマーケティングを取り入れることで、人事業務の効率化および人事戦略に役立つタレントマネジメントシステムだ。スキルセット、チェックシートによる社員のスキルを可視化し、研修などの受講記録を登録することで本人に合わせた研修をレコメンドできる。
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「MOTIVATION CLOUD」はサーベイ調査を行うことで、従業員のエンゲージメント状態を可視化・数値化できるサービスだ。組織課題を浮き彫りにすることで組織の状態を把握し、改善が行える。
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■ 人事評価(カオナビ・あしたのチーム)

「カオナビ」は社員の評価やスキル、モチベーションなどが管理できるタレントマネジメントシステム。オリジナルな評価制度が実現できるよう柔軟性のある評価フォームが作成でき、OKRや360度評価などのテンプレートが用意されている。
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「あしたのチーム」は3,500社が導入している人事システムシェアNo.1のサービス。人事評価制度の構築支援や運用支援を行ってくれるほか、人事評価業務の全てをクラウド上で一元管理できる。
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■ 勤怠管理(ジョブカン・jinjer)

「ジョブカン」はシリーズ累計導入12万社を突破している人気サービスだ。出勤管理、シフト管理、休暇・申請管理それぞれ単独で使うこともできる。
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「jinjer」は勤怠管理だけでなく給与計算などのバックオフィス業務の効率化を支援するクラウドサービス。100以上の勤怠項目の集計、有休の付与や管理、残業時間の計算などをすべて自動で賄える。
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■健康管理(Carely・BeHealth)

「Carely」は健康データの一元化による健康管理システムだ。健康診断予約の効率化やメンタルヘルス予防と対策が行える。
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「BeHealth」は従業員の健康管理に関する事務作業を効率化する健康管理システム。直感的な操作が可能なUIで、システムに馴染みが無い場合でも使用が可能。低価格で産業保健に必要な機能をカバーしている。
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■ 給与計算(MFクラウド給与・Workcloud)

「MFクラウド給与」は給与計算から明細発行・振込までを効率化できるサービスで、勤怠管理や年末調整などのHRソリューションサービスを幅広く展開している。連携可能な外部サービスは業界最多クラスのため、様々な面で活用できるだろう。
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「Workcloud」はクラウド給与・勤怠システムと給与計算業務アウトソースの併用により業務改善をサポートするサービスだ。給与計算や年末調整はBPOで、Web給与明細や勤怠・休暇管理はクラウドシステムで管理が行える。
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■ 労務契約(SmartHR・Bizer)

「SmartHR」は雇用契約や入社手続きがペーパーレスで完結できるクラウド人事労務ソフトだ。雇用契約や秘密保持誓約書などをオンラインで完結可能。40以上のサービスと連携しているため、カスタマイズも柔軟だ。
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「Bizer」は総務・労務・経理などのバックオフィス業務を管理できるプラットフォーム。業務のタスクを管理でき、手順をToDoリストで把握できる。もし不明な点がある場合には専門家に相談し、対応できない場合には代行依頼も可能となっている。
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HRテックと人事システムとの違い

HRテックと人事システムは混同されがちなため、それぞれの違いについて説明しよう。人事システムとは、人事関連の業務を効率的に行うためのサポートが主な目的である。

それに対してHRテックとは業務の効率化だけでなく、AIによるマーケティングやデータ解析によって実務上の問題解決に至るまでをサポートしてくれるシステムである。

HRテック導入のプロセス

HRテックを導入したくても、どのようにプロジェクトを進めれば良いかわからないかもしれない。ここではHRテック導入までの具体的なプロセスについて紹介する。

① 業務の棚卸を行い業務フローの可視化
まずは現在どのような業務を行なっているのかを洗い出すために、業務の棚卸を行う。そして、業務ごとに関わる担当者や決裁権などを整理し、業務フローの可視化ができる状態にする。

② テクノロジーによる代替可能な業務を分類
業務フローの可視化が済んだら、HRテックで代替可能な業務を見つけ出す。また、これを機に不必要な業務や無駄な業務が発生していないかどうかをチェックしておくと良いだろう。

③ 業務目的に最適なソリューションサービスを探す
HRテックでは人事・採用・育成関連など様々なサービスが展開されているので、代替可能な業務目的に対して最適なソリューションサービスを探していく。

④ サービス導入によるコスト・生産性の試算を行う
サービスごとに導入した場合にかかるコストを試算し、導入した場合の生産性と照らし合わせて採算がとれると判断できた場合に導入を決定する。この時、無料デモなどを実施している場合には実際に使用感を確かめてみることをおすすめする。

⑤ サービス導入後の業務フローを定期的に見直し最適化する
HRテックで重要なタイミングは導入後になってくる。正しくシステムを運用できているかどうか、AIによる分析データを活かしきれているかなど定期的に導入後のフローを見直して最適化していく必要がある。サービスによっては蓄積されたデータをもとに、施策の提案や分析をサポートしてくれる場合があるため、それを利用しても良いだろう。

今後の市場の高まりが期待されるHRテックのトレンド

最近ではHRテックを導入する企業が増えつつあるが、社会情勢の移り変わりなどで今後更なる市場の高まりが期待されるHRテックのトレンドについて紹介する。

● テレワーク環境下でのマネジメントシステム
新型コロナウイルスの影響によってテレワークが推奨され、多くの企業がテレワークという新たな働き方を取り入れることになった。テレワークでは労働時間の管理が困難であったり、コミュニケーションが不足しがちであったりと様々な面で課題が浮き彫りになってきている。今後もテレワークを継続していく企業は一定数あると考えられるため、テレワーク環境下に対応できるマネジメントシステムが求められていくだろう。

● 多様な採用・雇用形態に対応できる人事管理システム
働き方改革など様々な要因により、短時間社員や副業など雇用のあり方が多様化してきている。また、人手不足や労働人口の減少などにより、リファラル採用やWEB説明会など採用手法も多様化が進んでいる。今後複雑化が見込まれる分野において、幅広く対応可能な人事管理システムが必要になってくると考えられる。

● 人事・労務に関する定形型業務の自動化
人事・労務が行う業務の中で、給与計算や勤怠情報のチェックなどはほぼ定型業務と言える。このような定型業務はRPAを導入し自動化することで、自身がコア業務に集中できる時間を確保することが可能になる。

まとめ

HRテックの導入によって、HR業務の効率化や生産性の向上を促進することができるだろう。導入には今現在の業務を洗い出しHRテックで代替できるタスクを整理することが必要だが、労働市場が変化するにつれてサービスも幅広い業務をカバーできるよう工夫が凝らされている。ぜひこの機会にHRテックの導入を検討してみてはいかがだろう。

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